Casa BRUTUS 2007年 09月号『日本建築、デザインの基礎知識2』
08月号のル・コルビュジエの特集とともに、建築関係を目指す生徒から拝借して読んでみました。
私は、4月発売の特別編集「日本建築、デザインの基礎知識」の方は読んでないんですけど、あちらは京都の建築を中心にした内容だったようなので、やっぱりこちらの方がマニアック度が高くて面白そうですね。日本全国の歴史的な建築に目を向けていますので。
いろいろと楽しい発見がたくさんあったのですが、なんといっても「会津さざえ堂」のインパクトが大きかった。恥ずかしながら私、このトンデモない建築の存在を知らなかったんです。今まで何してたんだろ。これは早速行かねば。
こいつはすごい建築ですなあ。二重螺旋構造ですか。DNAにして「こより」だとか。う〜む、深くて浅い。重くて軽い。お見事。本来の三十三の札所めぐりをここまでコンパクトにしてしまうのが、実に日本的。そういうミニチュア化、箱庭化、ある意味ひな型化というのは、日本文化の特徴であります。この雑誌にもありましたが、東大寺大仏殿のように巨大化するのと、こんなふうに微小化するのが実は同じ発想に基づいてるんですよ。物理的なスケールとは無縁の世界観です。ただ、そこに「ニセモノ」としての実在感があればよい。あくまでフィクションとしての演劇性といいますか、「物語性」といいますか、そういう非現実的リアリズム(?)によって、ある種の安心を得るんですね。そこが、西洋との大きな違いだと、いつも思ってます。
マクロもミクロもないんですよねえ。ああ、そういえば、土木工学科に行った教え子が言ってました。学生が二手に分かれるって。なんか、土壌の中の微生物とかに萌えるヤツと、ダムみたいな巨大構造物に萌えるヤツと。おもしろいっすね。
さて、中ほどと後半には「茶の湯」の世界も特集されています。これがまた面白かった。「へうげもの」の山田芳裕さんと、武者小路千家若宗匠千宗屋さんの茶会対談。これは、古田織部と千利休とのヴァーチャル対決という意味合いもこめられているようです。いまだ踏み込んではいませんが、最近茶道の世界に惹かれまくっているワタクシとしては、このお二人とあのお二人が繰り広げる、穏やかな中にバチバチと火花を散らしまくる対決に「萌え」ました。
このCasa BRUTUS自体、いかにもジャパニーズ・デザインという感じのこ洒落た雑誌ですよね。構成も意匠もユニークですし、まあ私は読みませんが、バイリンガル・イシューとして英語訳が載っているところなんかも、いい雰囲気を出してます。もちろん、外国人にとっての実用性もありますし。
Amazon Casa BRUTUS 2007年 09月号
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