ペルセウス座流星群2007
これは拾い物。地元富士山と流星。
今日は秋田への移動の途中、新潟県の朝日村でペルセウス座流星群を観測しました。観測なんてもんじゃないな。単にぼーっと眺めてただけです。昔のようにちゃんと記録したり、写真に撮ったりしなくなって、もう何年でしょう。今日は子どもやカミさんと小一時間眺めただけでしたから、そうですね、全部で20くらいでしょうか。星座講座とかやりながらでしたので、全然集中できませんでした。まあ、今まで子どもたちに星の話はあんまりしてこなかったので、いい機会だったでしょう。昔取った杵柄ってやつですか。
私、「蛍」と「流星」がこの世で最も美しいものの一つ、いや二つだと思っています。そのどちらも「あはれにをかし」という感じですね。はかなく消え行く美しさ。思い通りにならない美しさ。「時」によって限定されている美しさ。流星と蛍の、その光と動き、そしてあのなんからの感情を伴った質感は、いくら映像技術が発達した現代でも、残念ながら、いや幸運にも記録不可能です。
面白いものですね、そうして例えばビデオで追体験できないからこそ、心に強く焼き付けられるんですよ。それが「もののあはれ」の本質でしょう。昔の人は、だからせめて歌にした。「モノ」の「コト」化、すなわち消え行くものを言葉によって固定しようとするのは、人間の本能なんです。私も、子どもと一緒に流星を観たのは初めてでしたので、今日の一つ一つのあの光も格別なものとして、私の心には焼き付けられました。いとあはれにをかし。もう今では歌を詠みませんので、こうしてブログに記録します。
そう考えると、人間というのは「時」に抗う、「無常」に抗う、「命」に抗う、虚しいがしかし貴い存在であることがわかりますね。「コト」化と私が呼んでいる「仕事(為事)」です。そのために科学も芸術も宗教も生まれたと。ふぅ。
今年のペルセは条件が良く、世間でもけっこう騒がれてますね。流星群という名前や、流れ星がたくさん流れるという言葉に期待する皆さんには、きっと物足りない結果が待っているでしょう。ましてや、あのしし座流星雨を体験してしまった人にとっては、1分に1個というペースでは、まったく納得がいかないのではないでしょうか。
私もだいたい毎年観測していますけれど、まあ条件のよい年で一晩に500くらいは数えられるわけですが、これって6時間ずっと観っぱなしでですからね、360分で500ですから、まあ1分に1個か2個というところです。それも6等星の見えるような環境で、ある程度熟練して4等くらいの淡い流星も見逃さない(ホントか?)という条件でです。
一方で、今までほとんど流れ星を見たことがないという人にとっては、それなりに感動をするものであって、まあ人間なんてずいぶんと自分勝手な生き物だなあと、つくづく感じるのであります。
今年のペルセウス座流星群の極大予想は、いつものとおり何通りかありまして、さらにその全てがはずれる可能性すらあるわけですから、マスコミの多く語る「14日未明に極大」という説を信じて13日の夜にみんなで出かけたりしますと、痛い目に遭う可能性もあります。流星群は極大を過ぎると一気に元気がなくなりますので、下手すれば普通の夜なみ出現数になってしまうこともある。実際、13日午前中に極大という説もありますので。
てなわけで、ちょっと知ってる人は今日の夜もしっかりチェックするわけですよ。もちろん明日も晴れたら行きますけどね。
さて、「あはれなり」ということで言いますと、私にはとても辛いペルセの思い出があります。それについてはこちらの記事をご覧ください。今日も車の中で聞いていたFMで、九ちゃんの歌声が流れていました。あまりに辛い偶然でした。
もちろん流星群というのは世界中で観測される現象であります。私たちのように、純粋にその美しさに感動し、あるいは身勝手な願い事を3回唱えようと躍起になったりできるは、本当に幸せなことです。私が見た、まさにその流星をお隣の国では全く違う感慨をもって見ているのかもしれません。ふと、そんなことを思った朝日村での夜のひとときでした。
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コメント
庵主さん、こんにちは。この世の美しいものの二つ、という言葉だけで来ちゃいました。
いつも安易ですみません;
「星に願いを」でも聴きながら流星群を眺めたいですね。
いや、これ以上願い事をするなんて!事足りるを知ろう(笑)
トピずれで申し訳ないですが、昨日This is Bossa Novaという映画を観ました。
ボサノヴァの誕生からその変遷、創り上げてきたアーティストを取り上げたドキュメンタリーでした。
有名な曲も沢山聴けて癒されました。
最後のほうでボサノヴァは例えるなら12世紀の南仏でリュートを抱えて旅する吟遊詩人の心に似ている、
と言っていたのが印象的でした。
歌詞がわかると心に沁みますね。ますます聴きたくなりました!>セコンド様♪
投稿: くぅた | 2007.08.14 08:35
こんにちは。
庵主@秋田です。
今度はレミオに流れ星の歌を歌ってもらいましょう。
いえいえ願いがなければ物事は進みません。
そして実現することは、相手にとっても必要なことだったのです。
偶然は必然、奇跡は運命なのでした。
だからもうこうなったらガンガン行っちゃった方がいいと思います。
(痛くない程度に)
こちらも相変わらず痛いと紙一重のことやってます。
今度はコラボしちゃいましょう。いろいろと。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.08.15 15:11
庵主さんこんばんわ。
とっても有難いお言葉をいただいたと、くぅたさんより伝え聞き、こちらに来てしまいました!
偶然は必然、奇跡は運命・・・(涙)心の中にしまわせてもらいました。
私は、偶然に見える必然で日常は成り立っている、などと勝手に思って生活しているので、庵主さんの後押、益々勇気づけられます。
さてさて、ペルセウス座流星群ですが、私は逃してしまいました。
気づいたら13日夜で、2・3時まで起きていて、あわよくば見よう・・・なんて考えが甘かったのでしょう。
しし座流星雨の時は、夜中から見に行き、そのまま仕事に、なんて気合入ったことしてたのですけどね。まぁ、今より身軽だったということもありますけど。
家族で、星を眺める時間を持てるということ、宝だと思います。
投稿: エミリーナ | 2007.08.20 01:00
エミリーナさん、おはようございます。
まさに偶然は必然、奇跡は運命の出来事が続いていますね。
私たち家族も皆さんほどではありませんが、毎日プチラッキーです。
本当にいろいろな出会いに感謝しております。
ウチのあたりの星空の美しさは格別ですよ。
どうぞ、ご家族で星を眺めにいらしてください。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.08.20 06:59