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2007.07.04

ロー・ボルジェス 『ア・ヴィア・ラクテア』

Lô Borges 『A Via-Lactea』
31q537wwv6l_aa192_ う〜ん、今までなんでこの音楽を聴かなかったのか。長く生きていても、そして、いろんな音楽を聴いてるつもりでも、本当に知らない素晴らしい音楽があるのだなあ。当たり前と言えば当たり前ですが、そんな感慨にふけるのでありました。
 ブラジルの音楽と言いますと、サンバとかボサノヴァという印象ですが、日本にもた〜くさんのジャンルの音楽があるように、かの国にももちろんいろいろな音楽があり、そしてヒットしているわけですね。このロー・ボルジェスさんはいわゆる「ミナス音楽」というジャンルになるのですが、たしかに日本ではあんまり聴かれていません。この超名盤でさえも、CD化されたものの国内では廃盤になっており、なかなか手に入らないようです。Amazonで1万3千円になっていたのにはビックリ。
 ミナス・ミュージックはミナス地方独特のフォルクローレに、スペインやポルトガルの教会音楽の要素が溶け込みながら発達し、さらにサンバやボッサ、ロックやジャズ、またフュージョンなどの影響を受けながら、商業的なポピュラー音楽になっていきました(っていろんなところからの受け売りです)。独特のコード進行、リズム、親しみやすいメロディー、そしてヴィオラン(ガット・ギター)の切ない響きがたまりません。
 そんな中で、Lô BorgesはMilton Nascimentoらと並んで神様的存在のシンガー・ソングライターのようです。そんな神の1979年の傑作がこのアルバムというわけですね。1979年と言えば私は15歳。さかんに全米や全英のヒットチャートをチェックした時期です。それなりに洋楽と言われるものを聴いていたつもりだったんですがね、南米までは興味がなかった(って今でもほとんど知りませんが)。
 時代的にフュージョン色の強い演奏になっているんですが、それとミナスの美しい透明感のある音楽とが、とってもいい具合に融合しています。ボサノヴァを聴くまでもなく、もともとブラジルの音楽は不協和音を多用するんですが、それが教会音楽的つまりバロック的な協和音世界と微妙に絡み合っていて、とっても新鮮な印象を持ちました。不協和とかテンションなんて言うと、なんとなくマイナスイメージに感じられますが、実際はそれによって透明感や柔らかさ、弛緩なんかを表現できるんですよね。面白いものです。
 このアルバムには、ローのオリジナルだけでなく、ミナスの名曲も数々収録されています。そのいずれもが、賛美歌的な長調の明るい曲なのですが、なぜだか妙に切なくなるのは、それこそテンション・ノートのおかげでしょう。そして、ローの素朴なヴォーカルや繊細なヴィオランの響きには、不思議な郷愁を感じます。自分のどういうところと共鳴しあっているのか、なんだか興味があるんですが、今のところ説明できません。
 こんなに素晴らしい音楽が、ふだんなかなか私たちの耳に触れることがないというのは、実に残念なことですね。いろいろ探しましたが、こちらでちょっと試聴できるぐらいですねえ(ただし音は悪い)。CDの再発を望むのはもちろん、他のミナスの音楽も、もっと日本の街に流れていいと思います。あるいはJ-POPにもっとミナスの要素を採り入れるとかね。きっと受けいれられますよ。
 私の場合は、マニアックな教え子(ウチのバンドのギタリスト)が貸してくれたおかけで聴くことができました。幸運なことです。オブリガード!
 あっ、そう言えば、オブリガードって日本語の「ありがとう」がなまったものだと、ポルトガル人やブラジル人はけっこう信じてるらしいですね。私も単なる語呂合わせ、俗説としてとらえてましたが、どうもことはそう単純ではないのでは…と最近思っているんです。ま、調べがついたら報告しますわ。

Amazon ア・ヴィア・ラクテア

ロー・ボルジェス公式

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