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2007.07.07

『パッチギ!』 井筒和幸監督作品

Bibj5820a ある意味七夕にふさわしい映画…かな。遅ればせながら観てみました。エンターテインメントとしては充分成功しているんじゃないでしょうか。正直楽しめました。
 ただ、これがエンターテインメントだということを忘れてしまう人、あるいはこういう問題について政治的、歴史的側面からしか見れない人にとっては、かなり痛い作品ではないでしょうか。だから、賛否両論はっきり分かれるんでしょう。
 それこそツッコミどころはいくらでも拾い上げられる。私も最初はそういう観方をしてしまうだろうなと思ってたんですけど、いざ始まってみると、見事井筒監督の術中にはまってしまった。つまり最初からこれは戯画ですよと何度も提示しているんです。それはある意味談合の「(笑)」みたいなもんですね。責任から逃げているとも言えるし、あるいは巧妙に洗脳しようとしているとも言える。
 私は在日問題にはある程度詳しいかもしれませんが、生い立ち的には実感がほとんどありません。私が子どものころの京都というか、関西がああいう雰囲気だったんでしょうかね。いや、もっとドロドロしてたでしょう。ある意味そうしたドロドロと溶融して沸騰したエネルギーが、その後の経済成長の原動力になったとも言えますね。ケンカに明け暮れる彼らはもろに団塊の世代であります。
 まあ、この映画、たしかに在日寄りの表現に満ちており、おいおいという部分も多々あったのですが、こういうケンカというものには、それは両方の立場とか、ものの見方というのがあるわけでして、その両方を平等に描こうとすると、ぜったいにエンターテインメントは成立しませんからね、私は井筒さんのとった方法はありだと思いますよ。
 はっきり言って、テレビで毒舌を吐く井筒さんは好きになれませんでした。「ガキ帝国」とか面白かったんですけどね。ああこうしてお金稼がないと生活できないのかな、例の慰謝料の問題もあるしなあ。そんな感じでパッチギ!もあんまり観る気がしなかったんですよ。最近の井筒さんは嫌いなのに、作品が良かったらヤだなって(笑)。
 で、観てみたらやっぱり面白かったと。うまいなと。目新しいものはなんにもありませんし、全編にわたってコテコテ…つまり伝統的なおいしい手法満載だし、最近のノスタルジーブームに乗ってるとも言えるし。こうしてエンターテインメントに徹するというのもありでしょう。
 政治的な視点というのもまた、井筒さんは当然想定していたわけで、そうした現代につながる在日問題や半島問題を刺激して盛り上げるというのも、あるいは商業的な意図だったのかもしれません。また、こういうデリケートな問題を利用して、賞レースを有利に展開しようという作戦だったのかも。実際その作戦は功を奏したわけですし。
 とにかくいろいろな視点から観ることができるという意味でも、また自分の立場や感性を確認できるという意味でも、たしかに面白い価値のある作品だと思いますよ。先日公開された続編「パッチギ! LOVE&PEACE」もさらに賛否両論激しく交わされていますが、またテレビでやるようになったら観てみますわ。私はお金払ってまで「今」観ようとは思いません。

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コメント

 井筒さんの評論はいただけませんねぇ。彼の良しとする映画は、わかりやすいものや、真面目なもの、そういうのばかり。貶す作品は、評論しようにも最初から居眠りしていたりして、その評価に説得力も何もない。なんの参考にもなりません。大嫌いです。その点、おすぎさんは信用できますよ。彼(?)の絶賛する映画は、私にとって全く面白くないからです。
 さて、パッチギ! ですが、キャスティングの勝利! というのが正直な感想。もう監督の力(もちろんそれもあるでしょうが)と言うよりは、たまたま色々なものが全て上手くハマッタという印象が否めません。...面白かったですよ。むしろ良い映画だとも思います。でも、一発屋くさいんですよ。今までの井筒さんの作品って、監督の空回りばかり目立っていたのですが、パッチギ! では、空回りしても作品に勢いがあるので目をつむれます。
 ガキ帝国、観てみますか。

投稿: LUKE | 2007.07.10 00:45

LUKEさん、おはようございます。
ははは、たしかにおすぎさんの方が参考になりますね。
ガキ帝国もキャスティングに救われてるのかもしれませんが、
やっぱりパワーですかねえ。
理屈抜きで面白いし迫力ありますよ。
テーマはパッチギ!とおんなじですけど、もっと作品として無垢ですね。
けっこう好きです。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.07.10 06:46

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