『小学校でならう漢字1006字ブック』 藁谷久三 (すばる舎)
いちおう私は国語の先生なのですが、漢字の書き順には自信がありません。そのあたりの話については、漢字筆順ハンドブックを紹介した記事にも書きましたね。
小学2年生になった上の娘も、宿題なんでしょうか、漢字の練習をよくやってるんですけど、どうも書き順をちゃんと教わってない感じなんですね。考えてみると、自分も学校であんまり教わってこなかったような気がしますし、教わったとしても、テストには出なかったような気がするし、チェックをされた覚えもありませんね。てか、自分も授業では書き順なんて教えません。ネタとして話すことはありますが。
もう今やパソコンやケータイの時代ですから、書き順なんてどうでもいいじゃん、という人も多いと思いますし、実際そうだと思いますけどね、やっぱり美しい形の字を書くためには、書き順というのが重要なんじゃないかと、最近思うようになったんです。
では、書道の世界ではそのあたりにこだわってるのかと言いますと、まあこだわってはいるんですが、書道には書道のこだわり方があって、もちろん楷行草であえて違えることもありますし、一般的な硬筆の筆順とは違うことが多いんですね。
ですから、筆順ハンドブックみたいなものが重要になってくる。私も最近たいへんお世話になってるんですけど、今回紹介する本は娘のためのものです。孫の漢字練習の様子を見ていて心配になった祖父が買ってくれたんです。大人であり、いちおう国語の先生でもある私にとっても結構いいものだったのでおススメいたします。
まず、字が大きいのがいい。そして、筆順を表す数字だけでなく、筆を運ぶ方向が矢印で示されているのがいい。けっこうあるじゃないですか、「比」の1画目と3画目みたいに、似てるけど違う書き方するものとか。
あと、漢字の分類方法が、配当学年順とか音訓順とか部首順ではなく、工夫されたテーマごとになっているという点ですね。たしかに発展的に勉強しやすい。
ただ、音訓索引がついてないので、調べたい漢字を探すのがかなり大変です。1006字しかないんだから、ぜひともつけてほしいっす。
ところで、さっき「比」のところで思い出したんですけど、生徒の答案や自分の書く字を見ていると、活字からいろいろな悪影響を受けていることに気づきますね。「比」なんかゴシック体や明朝体だと、どう見ても5画になってますよね。実際は4画です。私の名前にもついている「之」という字なんかもひどいですよね。では、教科書体はいいかと言いますと、案外あれも困りものなんです。ウチの娘もそうなんですが、ああいう毛筆を元にしたフォントを見て勉強しますと、線や点の入りのところをいかにも筆書き風に「くねっ」というか「ずしっ」というか、とにかく曲げて書くクセがついちゃうんです。それもあんまり度を過ぎると不自然です。
やっぱりそういうところをちゃんと先生が教えなきゃいけないんだよなあ。特に小学校の先生は頑張ってほしいですね。
高校の先生である私はと言いますと、今思ったんですが、特定の生徒には徹底的に字を直させてますね。受験で小論文が必要な生徒に対してです。見た目の印象というのがとても重要ですので。ま、それ以前に自分の字を直せって感じですけど(笑)。
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