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2007.06.11

『SEIKO MATSUDA CONCERT TOUR 2007 Baby's breath』in さいたまスーパーアリーナ(その2)

Pk2007061102123225_size0 さてさて、紺ブレにチェックのスカートという、今や世界で流行している女子高生ファッションで降臨された聖子さまであります。このコスチュームについて、各種ニュースが大々的に採り上げたようでありますが、今書いたように、単に女子高生で行こう!ということではないでしょうね。グローバルな潮流を読んでのことでしょう。とはいえ、やはり45歳にしてあれを堂々と着用できるのは「神」たる証拠です。
 曲が進むにつれ、ブレザーを脱ぎ、そして「迷い込んだdestiny」ではネクタイをはずし胸をはだけてセクスィーなダンスを披露。仕事柄、こら!制服きちんと着なさい!と言ってしまいそうなのをこらえつつ聴きますと、この曲は彼女にしては珍しい短調の曲でして、まあコード進行的には私たちがこの前演奏した中森明菜さんの「ミ・アモーレ」って感じなんですけど、ある意味彼女の新境地なのかもしれませんね。新境地で大人なムード…って45歳ですよねえ。ちょっと遅くないっすか(笑)。まあ神には私たちの常識は通用しませんから。

 (このあとは、今後コンサートに行く方々のために、メディアで公表されているもの以外は、曲目、衣装、演出などについてあまり詳しく書きませんので、あしからず)

 中間のしっとりバラードコーナーも感動的でした。ちょっとしたアクシデントで、暗黒と沈黙が。そこに再び起こる聖子コール。これも演出なのでは?と思わせる緊張感です。そして、再び岩戸が開き、光が差しますと、そこには31人のストリングス隊を従えた聖子さまが。
 このストリングス隊はなかなか良かった。こういう形のコンサートというのが初めてだというのが意外でしたが、生の弦の音はやはりいいですね。歌謡曲バンドでヴァイオリンを担当しているものとして、大変勉強になりましたし、その存在の大切さを痛感いたしました。泣けたなあ。
 ストリングス隊、一見若い女性だけで構成されているかと思いましたが、よく見ますとチェロにお二人男性が、ヴィオラにも一人か二人男性がいたようです。もちろん後の方で目立たないように弾いてましたが。やっぱり女性優先ですよね。ところで、あのストリングス、どうやって音を拾ってたんだろう。ピックアップもマイクも見当たらなかったんですが。いちおう専門家として不思議でした。誰か教えてください。
 ところで、先ほど書いた微妙な暗黒と沈黙ですが、どうも、このストリングス隊の準備に手間取り、予定外の間があいてしまったようなんですけど、そんなアクシデントもMC(みことのり)で上手にギャグに料理してしまう余裕はさすがでしたよ。本当にDVDではカットされるのかな。あれはあれで良かったような気もするけどな。ギャグ化のMCも入れてほしいし。
 さあ後半はもう当然あれですね。往年のヒットメドレーです。どの曲をやるか、ということを想像するだけでもワクワクですから、イントロが響いた時、いやドラムのカウントが鳴った時の、あの高揚感というのは格別なものです。あのそうそうたる名曲群のどの曲を選んでもスーパーベストになるわけですよね。今回の選曲は、ワタクシ的にはけっこうマニアックだったと思ったんですけど、どうなんでしょう。今回はいろいろな作家さんのいろいろなタイプの個性を聴けたような気がします。
 小田裕一郎、財津和夫、大瀧詠一、土橋安騎夫、呉田軽穂(松任谷由実)、細野晴臣、大江千里、尾崎亜美、タケカワユキヒデ、奥居香…ここのところちょっと勉強した「日本歌謡曲史」的に申しますと、ニューミュージック系の人たち、すなわち四畳半フォークから距離を置いた、あるいはフォークブームを飛び越えた人たちの、アイドル系歌謡曲進出だったわけですよね。生活感を拒否した彼らのセンスが、アイドルという非現実的な存在にマッチしたということでしょう。面白いですね。それにしても、そうした才能が競い合って作った楽曲のクオリティーの高いこと高いこと。歌謡曲史の集大成とも言えましょう。
 さて、ここでちょっと別の観点から彼女の神っぷりについて書いておきましょう。今述べたように、彼女のアイドル時代(今もアイドルですけどね)の楽曲は、世界的にも高く評価される非常に質の高いものです。詞も含めましてね。過去にああいう神曲を与えられていたら、なかなか自分で作曲しようなんて思わないものです。しかし、彼女は90年代に入って自ら作詞作曲を始めます。もうこれだけでもあり得ません。普通の神経をしていたら絶対ムリです。しかし、彼女は自らの創作欲求を抑えられなかった。
 彼女の楽曲は音楽的には単調で深みのないものです。今回のアルバムも昔のものと比べると、ある意味稚拙であり、人によっては嫌悪感すら示すかもしれません。私も正直あまり好きになれなかったのですが、今回コンサートで生で聴き、そして歌ってみて、ある重大なことに気づきました。
(また、長くなってしまったので、その重大なことについては「その3」で。アンコールのことや、文化論的考察をまじえて書きましょう)

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コメント

聖子さまバンザイです。

投稿: TORIO | 2007.06.17 21:37

TORIOさん、おはようございます。
私もバンザイ!と叫びたいです。
やっぱり神だなあ。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.06.18 08:02

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