『読むJ-POP 1945-2004』 田家秀樹 (朝日文庫)
私にとって唯一のTVデーである火曜日。今日も楽しめましたねえ。そう、パンシャーヌ、歌謡コンサート、サラリーマンNEOという流れであります…なんなんだ?でも、自分を実によく象徴している3番組ですなあ。
今日はそれぞれの番組でちょっと懐かしいシーンが。パンシャーヌはモロに「バブル」ネタでした(てか、花鳥優子つまりポワトリンが…)。面白すぎ。歌謡コンサートの「時代の歌こころの歌」コーナーは、園まりさんが「逢いたくて逢いたくて」を熱唱、この曲にまつわる衝撃的な(?)秘話を告白。そして、NEOではセクスィー部長が「今の君はピカピカに光って」と言って、宮崎美子をメロメロにしました(笑)。
ちょうど今日「読むJ~POP」という名著を読んだところだったんで、特にこれらが印象的だったんですよ。本当にナイスタイミングでした。いちおう歌謡曲バンドなんかをやってる手前、「歌謡曲」について勉強しとかなくちゃということで、この本と「増補にほんのうた(北中正和)」と「歌謡曲の構造(小泉文夫)」の3冊を注文したんです。で、まず通史的な「読むJ-POP」を読んだと。
うむ、なかなかに感動的でした。この本はたしかに通史的であり、音楽的に、あるいは社会的に深く切り込んだものとは言えないのですが、もうその通史だけでも十分ジ〜ンとしちゃいますよ。
70年代以降については、私もリアルタイムで体験してますからね、もちろん懐かしいし、ああそうだったんだということも多い。しかし、どちらかというと、その前だなあ。私の知る「歌謡曲」を用意した、本当の「歌謡曲」「流行歌」とそれに対する対抗音楽。すごいエネルギーですねえ。
まあ、こまかいことはさておきますが、やはり、「ジャズ」と「ビートルズ」の影響かなあ。歌手も作曲家もみんなジャズ出身。そして、そのジャズの専門家をして「ショックでしたよね。ジャズの世界ではやってはいけないと言われていたことが全部ありましたからね。コード進行とか、ベースの動きとか。もう、俺は音楽を出来ないんじゃないかと思ったくらいでした(宮川泰)」と言わしめたビートルズ。すさまじい衝撃だっただろうなあ。
そういうものや、その他もろもろのものを吸収し、生命体のように時代を走り続ける「歌謡曲」。私は「J-POP」という呼び方より、やっぱり「歌謡曲」がいいなあ。「J」ではないんですよ。世界中の音楽がそこにある。すごいことだと思います。世界にもまれに見る独特の文化でしょう。もちろんそれこそが「日本的」なのでありますが、でもやっぱり「J」ではないような気がします。
ということで、他の2冊を読むのが楽しみです。そちらも報告しますね。
最後に印象に残った言葉。あのTHE YELLOW MONKEYの吉井和哉さんの言葉です。
「どんなにブリティッシュ・ロックでも、どこかに美空ひばりや江利チエミが入ってる」
「日本を無視したところに日本のロックはないと思う」
「寺山修司が表現しようとした情念をロックで」
そう、日本のロックは「歌謡曲」なんです。「演歌」なんです。
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