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2007.06.08

『Beatles Baroque , Vol.3』 Les Boreades(de Montreal)

ビートルズ・バロック3
Acd22351 またキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
 うるうる、不覚にも泣いてしまった。感動しちゃいました。
 昨年、いろいろな意味で私を魅了してしまった Les Boreades の「Beatles Baroque1&2」。古楽器による完コピビートルズです。昨年vol3がレコーディングされたとの情報を入手しておりましたが、最近晴れてNMLにエントリーしましてウチでも聴けるようになりました。
 一部サンプル音源で聴いてたんですけどね、もう全部聴きたくて聴きたくて仕方なかったんです。だって曲目がこれなんですもん。

Here Comes the Sun
Across the Universe
This Boy
Here, There and Everywhere
Oh Darling
In My Life
Sun King
And I Love Her
All You Need Is Love
Mother
The Long and Winding Road
Why Don’t We Do It in the Road
If I Fell
Happiness Is a Warm Gun
Hey Jude
I Want You (She’s So Heavy)
Good Night
Her Majesty

 あはれ、いとゆかし…って感じでしょ。ま、ビートルズですから、どんな選曲でも名盤になりますが。
 このシリーズに涙する人というのもそんなにいないのかもしれないなあ。まずはビートルズをよく知っている人。そして、古楽器の演奏をする人。あとは作曲の勉強をした人かなあ。
 私は特に古楽器奏者の方々に聴いていただきたいですね。古楽器の新しい可能性…というより、つい忘れがちな本来の可能性を思い出すことができます。特にガンバかなあ。実にブルージーでソウルフルです。チェンバロのリズム楽器ぶりも面白いですよ。今回はコルネットも登場してます。
 で、ワタクシ的な楽しみ方というか、感動のツボは、こうして自分がなじんでいる楽器によって演奏されますとね、ビートルズをクラシック(特にバロック)の視点というか聴点で捉え直すことができるというところです。自然にそういう聴き方ができるようになるんですよね。そうすると新しいビートルズ体験、新しい音楽的発見が多々あるわけです。そこに萌えます。
 先日「読むJ-POP」の記事の中で、宮川泰さんのビートルズショックコメントを紹介しました。実はその前に、お二人の大作曲家のコメントも載っていたんです。紹介しましょう。
 まずは中村八大さん。
「最初は不思議な音楽だなって思ってたんですね。それまでのポピュラーのいろんなパターンにはないものでしたから。メロディーの種類やリズムのパターンとか、きれいな声でかっこよく歌うとか、そういうことじゃなくて絶叫してましたからね。異次元と思ったんですけど、長いこと聞いて、音楽的に分析するようになってなるほどと思い始めたんです」
 続いてすぎやまこういちさん。
「最初に『プリーズ・プリーズ・ミー』を聞いたんですけど、ベースラインとか内声の音の動きがクラシックの対位法を使ってるんです。これは音楽的によくできてると思いましたね」
 そう、ビートルズって基本はヨーロッパのいわゆるクラシックの系譜上にあるんですよね。それをベースにして、ブルースやフォークのスパイスが加えられている。もちろん彼らのオリジナルなスパイスもですね。だから、クラシック専門家の分析にも充分耐えられるどころか、彼らをうならせることさえできるわけです。けっこう学究肌の方々、たとえば武満徹さんリフキンさんなんかも相当ハマってましたよね。そして、そういう人と対極にある膨大な数の女性たちにもキャーキャー言わしめたところが、彼らのすごいところなんですよ。そういう文化ってそんなにないですからね。バッハなんて絶対キャーキャー言われなかった。
 というわけで、私は武満やリフキンや宮川や中村やすぎやまにはなかなか近づけませんが、ちょっぴり今までの経験を活かしまして、聴き直してみるわけです、こういう面白いが、しかし理にかなった演奏を通して。
 たしかにすごいアイデアの数たと思います。アイデアの宝庫ですね。それも古いものと新しいもの、両方ある。その組み合わせが絶妙で、「痛い」ことになってない。そして、今回痛感したのは、似た曲が二つとないということです。これはすごいことですね。バッハにせよ、モーツァルトにせよ、ベートーベンにせよ、「らしさ」で出来てるじゃないですか。ビートルズって総体としての「らしさ」はあるんですけど、1曲1曲は全部孤高なんですよ。これってあり得ません。
 このシリーズ、ぜひぜひ続けてほしいっす。たぶん続けるつもりだと思いますけど。だって最もバロック的とも言える「Let It Be」まだやってませんし。できれば全曲やってほしい。今48曲です。頑張れ!

Amazon Beatles Baroque, Vol. 3

NMLで聴く(試聴可)

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