『「心」はあるのか』 橋爪大三郎 (ちくま新書)
うわぁ、ヴィトゲンシュタインかあ。もう名前からして難しい。どうも私は頭が悪いので、頭がいい人が考える世界像というのについてゆけないんですね。構造主義のところにも書きましたけど、ことこういうこと(つまり個別の人の存在を無視した世界観)に関しては、自分の実感以外信じられないワタクシであります。
私の実感としては、昨日の鳥肌実なんかが、もうすでにヴィトゲンシュタインの世界観が間違っていることを証明しているように思えるんですよね。ヴィトゲンシュタインの言う言語ゲームだかなんだか、そういうつまらんオタク的なゲーム(ゲンゲーとでも言うのだろうか)を、ホップステップ玉砕…ではなくて粉砕してくれているような気がします。「自分の言語の限界が、自分の世界の限界を意味する」っていうルールはずるいですよ〜。ものすごくゲームっぽいルールですよね…ってゲームのルールそのものか(笑)。そんなオタクなゲームに参加する気はしません。
さてさて、本題はそれじゃないか。いや、これが本題なのかも。それほどに橋爪先生はヴィトゲンシュタインに終始してるんですよ。で、最初から「心」はない、なんていうルールを作って語り出しちゃう。私、この記事を書かねばならないという義務感から、いやいやそのゲームに最後まで参加してしまいましたが、もうスタートからやる気なしでした。いち抜けしたくてしたくて。
そういう言い方をすれば、それは「心」はないって言えますよ。でも、違うルールを適用すればやっぱり「心」はあります。第一、実感として「心」はあるわけです、私には。これは譲れません。「心」という言葉があるのは日本語だけだって言われても、そりゃあそうですよ、「こころ」は日本語でしかないので、当然です。
でもね、正直言いますと、橋爪先生の考え方もありだとは思ってるんです。そういう立場は認めますが、ただ一緒に遊ぶことはできない。いくら人が楽しい楽しいと言っていても、やっぱり生理的になじめないゲームってたくさんあるじゃないですか。
では、私はどんなゲームをやっているかと言いますと、それが「モノ・コト論」なんですね。完全に一人遊びであり、マスターベーション状態ですが、それこそ、それぞれのそれぞれによるそれぞれのためのそういうことがあるように、もうこれは趣味、性格、嗜好としか言いようがありません、ハイ。
私は、「こころ」は「凝る」と関係がある、という語源説に立っています。「コ」という音、あるいはカ行音が持つ、固化、固定、凝集というイメージを適用しているわけです。ですから「モノ・コト論」の「コト」にも当然関係してきます。私は、人間の本質が「モノ(外部・不随意)」の「コト(内部・随意)」化だと考えていますので、その本能的な活動に伴う感覚、感情、思考全てが「心」だと思っています。ですから、「心」がなければ私もあなたも存在しないことになってしまうんですね。なんて、私も勝手なルールを作っていますけど(笑)。
つまりこうして自分勝手なルールを作ることも「コト」化の一形態でありまして、また、人の作ったルール(コト)を理解できないで、「モノ」のまま放置するという自由もあるわけですね。だから、言葉の限界が世界の限界…ではないな、やっぱり。
西洋の哲学やら科学やらは、「コト」にこだわりすぎるんです。「モノ」の世界、すなわち「もののけワールド」の存在が怖いんですね。でもいいかげんそこんとこを認めないとね。やっぱりこれからは「コトよりもモノの時代」「心より物の時代」ですよ。
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