あかしや新毛筆 (筆ペン)
何を思い立ったか、写経用紙と筆ペンを買ってきました。たまにはやってみようかなと。般若心経を空で書けるようになりたいし。しかし、実際やってみるとこれがまた時間がかかる。集中力も必要だし、現代人にはなかなか難しいのかもしれません。まあ、何日かかけてとりあえず全部書いてみますわ。
さて、私には、憧れていはいるが全くできない分野というのがいくつかありまして、その一つが「書」です。もう私の字の下手さ加減は並みではなく、国語のセンセイとしても本当に恥ずかしい限りであります。特に毛筆はどうにもなりません。どこをどうすれば良いのかわからないということにおいては、ヴァイオリンを初めて弾いた時に匹敵するかもしれません。以前にも書いたように、運弓と運筆、音楽と書が非常に似ているということは想像つくんですけどね。そこから先にどうしても進みません。書は来世で頑張るか。
でも、この前、筆の良さをたっぷり味わいましたよ。あれです。漢検の時です。筆は疲れなくてよろしい。下手くそながら緩急はつくし、なんとなくいつもと違う脳ミソの部分を使っているようで、字を覚えるという作業においては非常に有用でありました。
しかし、筆とは言っても、それはなんちゃって筆、つまり筆ペンであります。書家の方は口をそろえて、「墨をする時のあの香りが醍醐味」とおっしゃいますが、私にはそれをする根性すらありません。では、とばかりに、私は筆ペンにこだわっちゃいましょう。で、なんちゃってマニアの私が選んだのは「あかしや新毛筆」であります。
正直筆のことは全くわからないのですが、それでもこの筆ペンの良さはなんとなく感じます。腰の強さというか、腰の加減が非常によろしいのです。それはある意味において、リアル筆とは違うということでもありますが、もともとが和紙に書くことを前提としてものではないので、これはこれでありでしょう。90%はハガキの宛名書きに使うのでしょうから。あとの10%は祝儀袋や不祝儀袋、芳名帳、そして写経なんかでしょう。
この筆ペン、奈良の筆屋の老舗あかしやさんの製品です。あかしやさんは筆の世界ではかなりポピュラーな存在だそうで、創業360年、伝統的な筆はもちろん、なかなか斬新なアイデアで新商品を開発しているとのこと。その品質もさることながら、良心的な価格設定にも好感を持ちます。楽器と一緒で値段があってないような世界なんで。この筆ペン以外にも、いろいろと興味深いものもありますので、以下のリンクからカタログをご覧下さい。
ということで、この「あかしや新毛筆」シリーズ、デザインもシンプルですし、値段もお手頃。長く使っても穂先が崩れませんから、最後までしっかり使い切れます。その他のメーカーさんのやつはどうもねえ、せっかく詰め替え用のインクカートリッジがあっても、それ以前に穂先がダメになっちゃうんですよね。普通の文房具屋さんにも置いてありますから、ぜひ一度お試しになってみて下さい。
さて、写経の方ですが、今のところお手本を下敷きにして上からなぞるという、実に初歩的な段階でありますが、最終的には良寛さんの般若心経るような、オリジナルな字を目指します!…なんちゃって。
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コメント
こんにちは。
私も写経したことあります。
二十歳前後の半年くらいの期間でしたが。
学生で時間もあったので、その間、ほぼ毎日書いていました。
最初の頃は、薄く印刷された用紙になぞり書きをしていましたが、後半の頃は習字紙に直接書いていました。
字間も詰まっていたり、字の大きさがまちまちで、悪筆で、とても見苦しい写経でした。自分でも、とてもイヤになりました。
投稿: kobayashi | 2007.04.12 20:18
kobayashiさん、こんばんは。
写経はいいですね。
なんとなく今ブームのようです。
でも、なにしろ時間がかかりすぎますねえ。
けっこう疲れますし、たしかに下手すぎてイヤになります(笑)。
坐禅以上に大変ですが、般若心経の内容を復習するにはいい機会です。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.04.12 21:52
こんにちは、先生。
写経、私も一時期していました。
初めはお手本を下敷きにして写しましたが、慣れると漢字も覚えるので、でも一応左側にお手本を置いて書きました。
たくさん枚数が必要だった為、あやふやな記憶ですがせっぱつまりながら、1日5枚ぐらい走り書きしていたように思います。
おかげで当時、心経に出てくる字だけは他の字より上手になり、筆づかいもサマになり、嬉しかったのを覚えています。
しかし今は意味も漢字も忘れ、マシになっていた字も元通りのへたっぴーです・・はぁ~。
子供の頃に身についたものと違い、大人は長く続けないと体に染みないんですねぇ。。
久しぶりに、1枚書いてみよう。
投稿: カズ | 2007.04.13 23:37
カズさん、お返事遅れてすみません。
写経って、現代的な価値観からしますと、全く無駄であるとも言えます。
そういうことを続けられる余裕…時間的にも精神的にも…がほしいですね。
1日数文字ずつでも続けてみようと思ってます。
全部書こうとすると絶対三日坊主ですので。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.04.15 09:03