『不滅の国際プロレス』 DVD BOX (ポニーキャニオン)
5枚組収録時間900分…今、どうしてもほしいDVDです。まだ買ってません。でも、買っちゃいそうでこわいんで、ここに書いて誰かに止めてもらいます(笑)。
一番止めてくれそうな家の者まで、買え!買え!とせかすんで困るんですよ。彼女はテレ東ネットなんてもちろんない田舎の出身ですし、だいいち1974年と言えばまさに彼女の生まれた年ですから、この国プロの全盛時代(にして末期)の映像なんか一度も観たことないんです。でも、国プロ崩壊後、このそうそうたるレスラーたちは、新日や全日に「殴り込み」をして糊口をしのいでいたわけでして、そういう姿は知ってるんですね。
私はもちろん観てました。子どもながらに、猪木や馬場の会社の雰囲気とは何か違うな、これは何か妖しい、ということに気づいていました。正直、見てはいけないものを見ているような、ある意味見世物小屋的な世界と言いましょうかね、非日常的な空間と時間に引き込まれて行くような、そんな気持ちがしていました。
私は今の洗練されたプロレスも大好きですが、昭和の古き良きプロレスも大好きです。全日の試合はけっこうビデオに録りためてありますし、新日についてはレンタルで観たいものは観ました。でも、国プロについては、自分の妖しい記憶をたぐりよせて不思議な気持ちになるだけで、もうたぶん観ることはないだろうと諦めていましたから、このDVDが発売されるという噂を聞いた時は、正直鼻血が出るほど興奮しました。
TBS時代の映像はすでにDVD化されていたんですけどね、その頃は私ほとんど観てませんでしたから、食指が動きませんでした。しかし、まさかテレ東時代のものが発掘されて商品化されるとはねえ…もう映像は残っていないというのが定説でしたから。
もちろん、国際プロレスの試合、往年の名レスラーたちの試合を観たいというのもあります。しかし、それ以上に、あの少年の尋常ならざる胸騒ぎとはなんだったのか、それを確認したい、さらに昭和という時代の終焉への道、特に高度経済成長である意味頂点を極めた後の、あの独特のアンニュイ感(しかし妙にエネルギッシュなんだよな)を、今客観的に観てみたいという気持ちが強くあります。
私の「モノ・コト論」的に言えば、彼らは「モノノケ」なのです。その後の日本は高度に洗練され、「モノ」の排除を押し進めました。「コト化(デジタル化、情報化、均質化、都市化、脳化、オタク化、自由競争化、経済至上化、欧米化などなど)」の推進ですね。プロレス界も「スポーツ化」を余儀なくされ、しまいには「総合格闘技」なんていう「コト」の権化に呑み込まれるまでになってしまいました(大相撲も全く一緒)。
私はそういう趨勢に一抹の寂しさを感じるんですよ。ですから、古き良き昭和(あるいはもっと昔もですね)を懐古したい、いや懐古するだけでなく、そこから何かヒントを得たいんですよね。大切なモノを思い出したい…。
なんて、一生懸命語ってますね(笑)。つまり、いろいろ理屈をつけて買いたいんでしょ。ホントは理屈抜きにただ観たいんですよ。妖怪ショーを観たいんですよ。
内容は下のリンクにある通りです。すごすぎます。う〜、ダメだ〜。我慢できないよ〜。さらに、4月限定で26%offだって!?ということは、あと24時間くらい…誰か止めてください!
Amazon 不滅の国際プロレス
| 固定リンク
「スポーツ」カテゴリの記事
- トレバー・バウアーの動画に救われる(2023.05.29)
- ジャンボ鶴田 大技集(2023.05.13)
- 横浜しか勝たん!(文法のお話)(2023.05.03)
- ベイスターズ 劇的サヨナラ勝ち!(2023.04.27)
- 劇的サヨナラ!WBC準決勝(2023.03.21)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- ラバーガール大水「春風亭昇太氏への提言」?(2023.06.04)
- 中田敦彦「松本人志氏への提言」(2023.06.02)
- Style2030 賢者が映す未来〜竹倉史人 (BS-TBS)(2023.05.14)
- 追悼 のっぽさん(2023.05.11)
- 『オスカー・ピーターソン ジャズ界の革命児』 バリー・アヴリッチ監督作品(2023.05.07)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- ラバーガール大水「春風亭昇太氏への提言」?(2023.06.04)
- 結局アドリブって何なの!?即興演奏に逃げるミュージシャンの話(ミートたけし)(2023.06.03)
- 中田敦彦「松本人志氏への提言」(2023.06.02)
- バーバラ・ディナーリン 「トッカータとフーガによる即興曲」(2023.06.01)
- 『江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし』 太田記念美術館(2023.05.18)
「モノ・コト論」カテゴリの記事
- 『基礎科学としての情報〜エントロピーと生命、超次元複雑性と生成AIの未来と私達』 Dr.苫米地(2023.05.24)
- Style2030 賢者が映す未来〜竹倉史人 (BS-TBS)(2023.05.14)
- 『東京画』 ヴィム・ヴェンダース監督作品(2023.02.10)
- 『光を追いかけて』 成田洋一監督作品(2023.01.05)
- 女性配偶者を人前でなんと呼ぶか(2022.12.06)
コメント
まだ迷ってるんですか!
こんなお宝めったに無いよ!
もし買わないんだったら、そのお金、
新しく出来た"K.SAKU" ジャージ(12600円也)
に変わっちゃうよ!!
アクショーン?
動け?!
アクショーン?!
投稿: 庵主セコンド | 2007.04.30 15:41
動けねーよ!!
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.04.30 19:35
小学校のころ、近所に馬場の団体があり、よく前を通っていました。ブラッシー、ザ・デストロイヤー、ボボ・ブラジルとかかなりキツいポスターが掲示してありました。
しかし、そのようにかなりプロレスに慣れていたはずの私にも、「国際プロレス」と聞いただけで、なにか禁断の領域という感じが致しました。まったく庵主様と同じです。
まったく根拠がありませんが、国際>国際劇場>浅草>見世物>怖い、という小学生なりの連想があったような記憶があります。しかし、こっそりテレビ中継を見ると場末の見世物風な感じもどことなく漂ってたように感じたのも確かです。
今となっては、そここそが大事なのですけれど。
話は変わりますが、選手たるものセコンドの指示に従うのが原則なのでは?寝ぼけているとアンモニアをかがされますよ!(ボクシングだけかな?)
投稿: 貧乏伯爵 | 2007.04.30 20:22
伯爵さまが背中を押してくれるのを待っていました。
さっそくポチしますた。
ありがとうございました!!
ところで、国際という言葉、なんか胡散臭いですよね。
国際秘宝館とか(笑)
子どもの頃の見世物的体験ってとっても大切なような気がします。
なんとなく後ろめたい、罪の意識みたいなものと、
それに打ち勝っちゃうほどの好奇心や勇気みたいなものですね。
今はそんなたいそうな心掛けなくても、なんでも手に入りますからね。
寂しいです。
あっそうそう、明日、現代の見世物パンシャーヌですよwww
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.04.30 20:39
伯爵さま!
凄技ですよ、あれだけ渋っていたのに、
伯爵さまのコメントのたった30秒後ー
ポチッとな
ーですもの!!我が家にお越しの際は、
上映会ということで!
投稿: 庵主セコンド | 2007.04.30 22:32
こんにちは~!トップ記事よりもこちらが気になっちゃいました!(私にしては珍現象)
だって、ここでのやりとりが夫婦漫才か!
そこへ伯爵様(勝手にお名前お書きしてすみません)のひとこと。
もう、トリニティー三位一体技でございましたm(_ _)m
私も幼少の頃(って書いとこう)母が出張場所で琴の稽古があったため、姉がご飯を作ってくれ(多分若干小4くらい?)それを食べながらなぜか必ずプロレスを見ていた記憶が、遠~い記憶が。(シツコイッ)
猪木さんとかサーベル持ったタイガージェットシンとか。目を塞ぎながら怖いよーとか言って見てましたよ(笑)そういう対戦も入ってるのかな?見たいな~
投稿: くぅた | 2007.05.01 12:10
くぅたさん、こんにちは。
いやあ、RUNをさしおいてこちらにコメントされるとは…。
どうしたんですか?ww
伯爵さまはさておき、ワタクシどものくだらない攻防…
(実は深い意味がありまして、わかる人にはわかるんですが、あのやりとり)
…にツッコミを入れて下さいまして、すみません。
残念ながら猪木やシンは入ってません。
猪木やシンはずっと高尚ですよ。
国際プロレスはホント浅草の見世物よりこわいっす。
浅草人ならば必ずわかってしまう世界ですよ、あれは。
今度はこちらもぜひ。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.05.01 16:57
くぅた様、コメントありがとうございます。
ブッチャーはどうでしたか?
ところで、もうすぐ一歳の娘ですが、いろいろプロレス技を決めて
くれます。一番効くのが寝返りラリアットです。目に入ります。
反則技では鼻に噛み付き攻撃。で、威嚇に唇をブルブルとさせる
のはアブドゥーラ・ザ・ブッチャーさながらでございます。あ、
全日でしたね。
ヤッターマンの悪役まで登場しました!ドロンボーで
したっけ?このシリーズ好きなんです。
パンシャーヌは火曜日が連休の谷間で見られませんでしたが、
なにやら相通ずるものがありますね。
セコンド様、ぜひDVDを鑑賞にお伺いさせていただきたいと
存じます。
投稿: 貧乏伯爵 | 2007.05.04 15:45
こんにちは!伯爵さまの一押しで注文し、二日後には手もとに届きました
このDVD。インドア派の私たちは一日の半分はこれを観賞してます。
見世物的な側面を予想してましたが・・・な・なんと奥深いことでしょう!
昨日は、ビル・ロビンソンやルー・テーズの試合と語りに涙!でした。
今まだそれでも4分の一くらいです、じっくり堪能したいと思います。
投稿: 庵主セコンド | 2007.05.04 16:03
いや...濃すぎてやはりよくわからぬ世界です(汗)伯爵様ご丁寧にレスありがとうございます~。名前呼ばれて嬉しいです(照)ブッチャーはわかります!デストロイヤーは違いますか。あれはコメディアンか?娘さんのラリアート、ウケました。
見世物小屋はわかりませんが(多分6区あたりすか?)浅草は小さい頃住んでいた曳舟から京成に乗ってよく家族と行きました。花やしき→アンヂェラス(ケーキ屋)→ナゴヤという名のスマートボール(激懐かすー)→最後は『リスボン』という洋食屋さんでシメというのが定番でした。
投稿: くぅた | 2007.05.04 21:11