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2007.03.09

レミオロメン 『パラダイム』

494 今日は3月9日。私の大好きなレミオロメンの「3月9日」の日ですね。この曲、昨年から今年にかけて、私は3年生を送る会やら講演会やら結婚式やら成人式やらレミオロメンファンの集い(?)やらで、何回もヴァイオリンで演奏してきました。来月もある結婚式で演奏することになっています。何度聴いても弾いてもいい曲ですなあ。
 いちおう世間でも春の定番曲になっているようでして、今年もこの曲が再発売されました。今までも175Rや木村カエラで評判になった「キットカット」とのコラボ企画ですね。キットカットと言えば「きっと勝つ(と)」ということで、これまた春というか春直前受験シーズンの定番アイテムになってます。まったく企業もいろいろ考えますな。そして、日本人もそういうのに乗るのが好きですね。kitkat本家では、命名した時、将来日本でこんなことになるとは夢にも思わなかったでしょうね。しかし、こういう「かけことば」文化や「げん(縁起の倒語ぎえん)かつぎ」文化は古来の伝統であり、まあいいんじゃないでしょうかね。江戸時代なんか今以上に盛んでしたよ。
 でも、どうなんでしょう。このCD付きキットカット、3月5日発売でした。大学入試では、もう国立前期試験も終わってるし、まあ、公立の高校入試とかは多少残ってるかもしれませんけど、ちょっと遅くないですか?2月の初めくらいに出せば、入試シーズンにもバレンタインにもうまく乗れると思うんですけどね。
 で、なぜか今日カミさんが、3月5日に発売でとっくに売り切れたはずのレミオロメン「キットカットCDパック」を三つ買ってきました。なんだかスーパーのレジ前特設コーナーに大量に積み上がっていたとか。おいおい、地元山梨でこんなに売れ残ってていいのか(笑)。
 ということで、私は生徒が買ってきたのを、6日に聴かせてもらっていたのですが、あらためてキットカットを食しながら聴いてみました。
 収録されているのは「3月9日」と新曲の「パラダイム」です。3月9日については何度も書いてきましたので、今日は新曲の「パラダイム」について書きましょうか。
 CMでちょっと聴いていたのはサビの部分だけでして、その時はなんとなくつかみどころがないなあ、という感じでした。改めて聴いてもやっぱりサビが弱いかな。でも、それはポップすぎないという意味でもあるわけでして、私としてはこういう方がちょっと安心したりするんですね。最近彼らのインディーズ時代の曲を聴きこんでいるせいもありますが、あんまりコビコビした作りをしてほしくないというか、ま、はっきり言っちゃうとコバタケ色が強くなってほしくないというかね。
 もちろん今回もKTがアレンジを担当しているわけで、ああまた出たよ、この音はいらんだろ、という部分もあるんですけどね、たとえばイントロで掻き鳴らされる藤巻くんのギターや、Aメロにおける不思議な和音進行、どこへ行くかわからないメロディーライン、治くんのワケのわからんドラム(ほめ言葉です)、前田くんのここでこう動くかよというベースラインなどの、ある種俗っぽさ素人っぽさみたいなのは、本来の彼ららしさが出ていて好もしいと思いました。いろいろ悩みもあったけれど、ようやく本来の自分たちを取り戻したのかな。春らしく前向きな歌詞もまあまあよろしいですな。
 今思えば粉爺…いやいや、粉雪が、本人たちの意図とは別のところで独り歩きしちゃったんですね。そう、レミオロメンじゃなくて「粉雪」が爆発的に売れたんですよ。そういうことってよくあることですし、それを上手に乗り越えた人たちもいるし、逆にそれで死んだ人たちもたくさんいます。そういう時はですねえ、本人たちとともに、周囲の関係者、そしてファンも一緒にいろいろ考え、我慢し、歩んでいかなければならないんです。それをせず、いろいろ言いたいことだけ言ったり、もうダメだとか言って離れていったりするのは正直どうかと思いますね。
 こういうことは、たとえば私の仕事なんかでも常に意識すべきことです。また、自分に対しても同じことが言えるんですよ。私は常にいろんな意味でのプロデューサーでありたいと思ってるんですが(自分に対してもね)、「いいことがあった時、いかに冷静になれるか(調子に乗るな)」「悪いことがあった時、いかに前向きになれるか(落ち込んでばかりいるな)」、これはほとんど座右の銘になってますね。
 あれれ、なんか真面目な話になっちゃったな。今日の話、ネッスル…じゃなくてネスレ社やレミオロメンには大きなお世話たったでしょうねえ。

ps カミさんにとっては「サク(桜庭和志)」の日でもあるようでして、「3月9日!サンキュー!サク!」とか言って、さらに盛り上がっています(痛)。

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コメント

パラダイムって、結構難しい言葉だったと思うのですが、いまや歌の題名にもなって、提唱者のトーマス・クーンも草葉の陰で喜んでいるでしょう。村上陽一郎なんかが流行っていた時期に「科学革命の構造」を読みましたが、内容は忘れました。そういえば、ホラー映画もあったかな。

投稿: 貧乏伯爵 | 2007.03.10 10:12

伯爵さま、こんにちは。
そうですねえ、どうも最近この言葉はやりですよね。
もちろんクーンの真意から外れてるところでですけどね。
レミオくんたちも、たぶんわかってませんねww
某メンバーは、何?パラダイス?って感じだとか。
実際歌詞にパラダイスも出てきますし。
そう言えば彼らには「シフト」という曲もありました。
続けて聴けば「パラダイム・シフト」ですな(笑)
まあ、外来語の未消化というか、咀嚼せずに嚥下するというか、カタカナ語の日本語化というのもまた,日本人の得意とするところでして。
漢語も含めるとそれが今の日本語の大部分になってますよね。
彼らのこの前のアルバム、「HORIZON」っていうんですけど、某メンバーはそれを「限界」という意味だと思っていたフシもありまして(笑)
まあ比喩的にはそうかもしれませんが…。
そんなところが、またカワイイのでありました。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.10 10:26

過去の記事へと再び旅してきました(結果=泣)
国立の医学部へ合格した生徒さん、その後お元気でしょうか?彼女が努力されたこと、また見守ってくださった先生との出会いは本当に人生で意味深いことであったでしょうね。

受けた恩を別の人へ返していく、という話で思い出したのですが、以前外国旅行中に見ず知らずの方に大変親切にしていただき、どうしてそこまでできるのですか?と尋ねるとこう言われました。「私があなたによくするのは私もそうされてきたから。あなたもいつか誰かにしてあげられるわよ」と彼女は言ってのけました。果たして私にできるだろうか、と感じたものです。今でも忘れられない一言です。
受けた恩や感謝はその人自身を育くみ、何らかの形で誰かに返せるようになってゆくのでしょうか。私も「そうでありたい~♪」と思っています。
庵主さんの『3月9日』の演奏を拝聴したくなりました。

投稿: くぅた | 2007.03.10 13:02

くぅたさん、どうもです。
報恩という意味は実に難しいですね。
でも、実は単純で、恩を感じることができた人は、もうすでに恩に報いているのかもしれません。
実際、私たちはくぅたさんからいろいろな恩恵をいただいてますよ。
3月9日の歌詞は本当に本質をついていると思います。
禅の心そのものですよ。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.10 18:47

昨日スーパーで買ってきました!そこでも山積みでしたよ(涙)
『パラダイム』まだちゃんと歌詞を読んでないのですが、
あたしも昔のレミオの雰囲気がすきだったので、
ちょっと安心=3 って感じでした。
コバタケ色は、ちょっと、引いてほしいですね~。。
3月9日は名曲です。。

投稿: ユキ | 2007.03.13 15:31

ねえ、いちおう地元なのに…。
明日用(わかるよね)に大量購入するかな。
3月9日の啓蒙のためにも。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.13 15:44

あのー、水を差すようで悪いのですが、
horisonには、私の持っている辞書2冊を引いてみた限りでは、
限界という意味もあるかと思いますが。
私は彼らは賢いと思っています。
パラダイスと言ったのも、ジョークからで、完全にとは言わないまでも
(私もですが)、パラダイムという言葉をある程度は理解していると受け止めています。
その上で言葉遊びをしているものと、私には思われます。

投稿: りんご | 2007.03.15 12:08

りんごさん、こんにちは。
ああ、それは失礼いたしました。
私は彼らを愚かだと言おうとしたわけではありませんので…あしからず。
horizon…彼の使った文脈はもともとジョークです。
いくら限界という意味があっても、ああいうふうには使えませんからね(笑)。
そこに私もジョークで返しただけですから。
お気に障ったようでしたら、すみません。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.15 12:42

そうでしたか。すみません。
ちょっと、大人気なかったでしょうか。
え?藤巻さん、horizenをジョークで使っているのですか?
うん、でも庵主さん、運動が苦手なのでは?
確かどこかに書かれていた気がしますが・・
読んでいて、そう思いました。
ちなみに、私は、一応水泳部に所属していました。笑

投稿: りんご | 2007.03.15 14:12

りんごさん、どうもです。
私が聞いたところでは、藤巻くんじゃなくて、神宮司くんが「体力のhorizon」って書いてたとか…(笑)
私は一見運動音痴に見えますが、実はなんでもそつなくこなすのでした。
ただ、サッカーとバスケはダメですねえ。
将来はプロレスラーっす。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.15 14:35

あー、そうですか。
神宮司さんがそんなこと言ってたんですか。
それだったら、納得です(^_^)
それから、失礼!
器用な方とは・・
私もボールや道具使うものより、
体一貫?でやる方が得意です(^_^)

実はあさっての武道館、私は当たらなかったんですが、くぅたさんのお陰で行けることになりました!
初武道館ライブです!楽しみ~♪

投稿: りんご | 2007.03.15 23:38

りんご様、こんにちは☆
明後日は武道館ですかあ〜いいですね!!
お土産話楽しみにしてます♪
あの、、実は、HORIZONの件ですが、エキサイトの治君のブログで
見つけたコメントがあまりにかわいかったもので、私が夫に話したの
でありました。確かアルバムが発売された後だったか、治君が
忙しすぎてかな、疲れちゃってて、その日のタイトルが
もう体力のHORIZON!というものだったもので。
他にも、キットカットの映像で、前田君が、笑いをとるために
パラダイス、と言っていたのもとてもおちゃめでしたし。
藤巻君が学術的な用語を使ったりして、それに二人がナイスな
反応を返したりするやりとりはとても味があって
かわいいなあ、と思ってしまいます。でもこれらの捉え方を
書くと誤解が生じやすいですよね、、すみませんでしたヾ(;´▽`A``
はっ!ついつい長くなってしまいました、ごめんなさい!
では☆武道館、思いっきり楽しんできてくださいね〜(*^^*)/!!

投稿: 庵主セコンド | 2007.03.16 06:20

庵主セコンドさま!
気づくのが遅くなりまして。
なにしろ、くぅたさんのところで見ていただけたかと思いますが、
すごいことが起こっちゃいまして。
もう、ほんとに!
信じられませんよね!あんな奇跡!!
あるんですね~、そんなこと。
私もいろいろあったんで(苦笑)、父が助けてくれて、
ご褒美いただけたんでしょうかねぇ。
そうとしか、思えません。
あのタイミングで会わせてもらえたのは、
父のマフラーのお陰なんだから、ちゃんとお礼言っときなさいよ、
と母に言われまして、今日お墓の前でちゃんとお礼しときました。笑

春旅、何もかもそちらにお任せしてしまってよいのでしょうか?
私たちにできることがあったら、なんなりとおっしゃってくださいね!

投稿: りんご | 2007.03.21 23:12

りんご様、どうも〜、いやーよかったですねえ〜!!
詳しいお話はご来訪の際にて。
春旅ですが、めぐるところは大体場所等チェック済
ですし、お天気などもあるでしょうから、お会いして
動き方をささっとミーティングしてもいいですよね。
お弁当はこちらにお任せを。行きたいスポット、ご希望
くださいませねφ(。_。)メモメモ

投稿: 庵主セコンド | 2007.03.22 13:45

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