追悼 植木等
ああ、また昭和の天才が…。昨年、映画のロケでのお元気な姿を見ていただけに、まさかこんなことになるとは。クレージーキャッツの皆さんや青島幸男さんのところへ往かれたんでしょうか。
本当に頭のいい方だったようです。そして人格的にもものすごい紳士だったとか。その方が無責任男を演じ続けたというのは、実に象徴的なことでした。
皆さんご存知のように、植木等さんはお寺の息子さんです。浄土真宗のお寺さんだったと思います。「わかっちゃいるけどやめられない」は、まさに当時としては破格であった妻帯・肉食を憚らなかった親鸞につながりますね。ただただ禁欲的になるのではなく、そうした人間の本質をしっかり見つめた上での信仰、修行ということでは、植木さんもまた、現代の親鸞であったのかもしれません。大袈裟ではなく。
私には残念ながらクレージーキャッツの思い出はあまりありません。私にとっては、石井聰互監督の「逆噴射家族」と、ドラマ「オヨビでない奴!」の植木さんが、最も強いイメージを残しています。「逆噴射家族」でもメチャクチャなおじいさん役でした。彼の登場によって、家族それぞれの欲望や煩悩が逆噴射しはじめるわけで、考えようによっては、これまた親鸞的なのかもしれません。「オヨビでない奴!」と言えば、伝説の美少女磯崎亜紀子と、バイク事故で夭逝したアイドル高橋良明が主演した人気作です。植木さんは、ここでもまた、ハチャメチャなおじいさん役でした(ちなみに父親は所ジョージ)。なんとなくの記憶しか残っていませんが、植木さん扮するおじいさんの無責任さが、結局はいろいろな問題を解決して行ったような気がします。このドラマ、タイトルからわかりますように、実は植木等さんが主役だったのかもしれません。第1回のタイトルも「コリャマタ失礼しました」でしたし、毎度一回は植木さんの持ちネタが出ていたと思います。
「無責任」というのも、ある意味では我執を捨てている境地とも言えます。人任せというのは、結局のところ「縁」にまかせるということであり、これもまた、お釈迦さまの教えの通りなのかもしれません。今、「自己責任」ということが盛んに言われていますが、実は今こそ「無責任」ということの大切さについて考えるべき時なのかもしれませんね。
とりあえず今から、ウチにある「逆噴射家族」を見直してみます。ご冥福をお祈りいたします。
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コメント
家にスーダラ節のEP?盤があり、子供のころ好きで聞いてばかりいました。今も好きな曲ですよ。
親鸞の思想と関係があるとは、気がつきませんでした。
「わかっちゃいるけどやめられない」、深いです。
投稿: 貧乏伯爵 | 2007.03.28 22:12
伯爵さま、今度スーダラ節やりましょうか(笑)。
いや、まじでコラールみたいなものかもしれませんね。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.29 05:42