『永平寺 修行の四季』(NHKハイビジョンスペシャル)
久々に10時間以上寝てしまいました。普段は4時には起床するのに(昨日は3時でした)、今日は6時過ぎまでぐーたら寝てました。いかんいかん。
懐石料理というのは、元々禅の文化であります。空腹をしのぐために石を抱いたとも言われております。日常から禅に興味を持ち、頭も丸めて一日一食を実践している私としては、なんとも煩悩にまみれた為体な時間を送ってしまいました…なんてね。
ま、そんな反省に基づいたのかどうか知りませんが、小田原で家族と別れ、足柄山で鴬の初音を聴きつつ帰宅した私は、先日録画しておいた「永平寺 修行の四季」を観ました。
以前、こちらで永平寺の104歳の宮崎禅師の番組について書きましたね。そこにもあるように、教え子が永平寺に修行に行ったんですが、さて彼はもう帰ってきたのでしょうか。それとも何かにめざめて、まだお山にいるんでしょうか。
この前、お寺でコラールを弾いた時、そこの御住職(6年修行)と、もう一人教え子(8年修行)から修行中のエピソードやら何やらをお聞きしたんですが、私にはとてもとても耐えられない世界ですね。しかし、彼らは別に1、2年で帰ってきてもいいのに、そうやって何年もお山を下りなかった。なんで?と聞くと、「いろいろあるんですよ」ということなんですが、きっとやはり何かあるんでしょうなあ。それを体験してみたいような気もしますが…やっぱり無理だ。
というわけで、この番組、再放送で私も観るのは2回目なんですけど、う〜ん、こちらの気持ちも引きしまりましたね。入山の春から、下山の春まで、永平寺の雲水の生活を1年間にわたって追ったドキュメント。毎日坐禅と作務と読経に明け暮れる日々。全ての作法を覚えるだけでも大変そうです。
しかし、ある意味作法というのは、縛りであるとともに守りでもあるのではと思いましたね。作法の通りやっていればいいという意味でもそうですが、それ以上に「型」に自分をはめこむことによって、自分を捨てることができるのではないかと改めて感じたのです。番組の中でも何度も語られていました道元の心…本来の自分(仏性)に出会うためには、自分を捨てなければならない。身心脱落…自分を知るためには自分を忘れなければならない。型にはまり同じことをすればするほど、外から見るとその人その人の個性が表れるというのは、修行に限らずいろいろな分野で見られる真実です。
本来の自由というのはなんなのか。教育現場にいる私も常に考えるテーマです。教え子の和尚が、茶碗に注いだお茶を指さして言ってました。「これです」って。なるほど、時間が経つと茶葉は底に沈んでゆき、うわずみの透明度は増してきます。心が静かになれば、その底の本質が見えてくるわけです。もしかすると、その状態が自由なのかもしれない。解放されているかもしれない。心がざわついている内は、結局何かにとらわれているということでしょう。
出口光さんの言う「魂」というのもそのことでしょう。出口さんの語る「魂」もまた、コロコロと変る「心」の奥の不動のものです。そして、それは結局他人との関係性の中に見えてくるものです。なるほど、彼の哲学も禅の思想に近い。というか、なんでもつきつめれば一緒ということでしょうね。
というわけで、いろいろと考えながら番組を観ていまして、やはり自分にはこの生活はきついなと。こうしてヴァーチャル修行するのが精一杯だなと。私とってもずるくてですねえ、「座るだけが修行ではない、生活の全てが悟りへの道である」という禅宗の教えに甘えて、日常から抜け出そうとしないんですよ(笑)。まさに野狐禅そのもの。いや、野狐に失礼かもしれないなあ。
そんなことを思っていたら、いつのまにか夜になってしまって、テレビを再びつけましたらね、「にんげんドキュメント」の最終回が始まりました。最終回の「にんげん」はあの「ノッポさん」高見映さんでした。これがまた魂にしみた。いろいろな苦労や苦悩を経て、人間、動物、植物だけでなく、石ころや砂や土にまで愛着を感じるようになったノッポさんのその姿に、私は一つのヒントを得ました。ああそうか、やはり「天命」を全うすべく、自分のやるべきこと、やれることに「なりきる」。それをとにかく続けることなんだな。人との縁を大切にして自分を忘れることも重要ですが、最後の最後は、自分の魂の声に従うべきなんだ。そこは譲ってはいけないのかあ。なるほど。
ふぅ、明日から頑張ろうかな。いや、4月1日からにしようか…そんなこと言ってるうちは、やっぱりダメですね…orz。
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