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2007.03.06

『危ない大学 消える大学 '08』 島野清志 (エール出版社)

56weju 昨年、私と不二草紙を気持ちよいほどに罵倒しつくした2007年版、そしてその火種になった2006年版に比べますと、ずいぶんとおとなしくなってしまいましたね。今年も自分が登場してるかと思って予約までして買ったのに、ちょっとガッカリです。
 昨年10月でしたか、島野さんご本人(ですよねえ)が「名誉棄損だ」みたいなコメントくれましたしね、2008年版でもなんらかの続きがあると期待しちゃったんですが。だって、07年版でも06年版の記事そのまま使ってたし。
 私は、記事の削除依頼が正式にあったならいつでも削除、場合によってはそれなりの謝罪もするつもりで、先方にはちゃんとその旨伝えたつもりだったんですが、なんの返答もないので放置しておいたんです。ま、私の記事はこのシリーズの売り上げに結構貢献してますし、右の人気記事の欄を見てもお分かりのように、私も島野さんのご著書の恩恵を受けてますからね。お互い実は…なんてね。格闘技もそうですが、敵あって自ら初めて輝くということでしょうか。
 そういう意味では、昨日の記事におけるお馬鹿ワザじゃないけれど、私のフニャフニャな態度が相手の戦意を喪失させたとも言えますね。このブログ全般における私の文章、私を知る人はこれが決して演技でも演出でもないということ、つまり「ス」であるということを理解するでしょうが、全然知らない人は正直気持ち悪いでしょうね。立腹のち戦意喪失、というのも分かるような気がします。
 さて、そんなわけで戦意喪失してしまったのか、このシリーズの目玉であり個性でもあった冒頭の罵倒コーナーが、08年版はずいぶんとおとなしい。それこそ大人になってしまったのか、昨年までの「売られたケンカは買う」という過激な論調はすっかり影をひそめてしまいました。
 第1章は「13年目の独白・本書のトーンが変った理由」とあります。ああ、おとなしくなった理由かあと思いきやさにあらず、実際の内容は「昔は穏やかだったのに、最近過激になった理由」でした。で、その論調が実に穏やかなので、なんとも不思議な状況になっているわけですね。う〜ん、なんか哀愁すら感じるぞ。「後に渋いサックスの音色が流れるようだった」とかあるし。そして、ちょっと(勝手に)罪の意識を感じる私…。どうしちゃったの、島野さん。編集さんになんか言われたんすか?大学批判(学長批判)ならともかく、個人批判(庵主批判)はまずかったよ、とか。
 で、その内容は冷静に読みますと、まあある視点からは実にまっとうなことが書いてある。それは今までもそうでした。ある一方的な視点からなら、なにごとも正しくなりますからね(もちろん私の記事もそれにあてはまります)。実際ここのところ消える大学も出てきているし、危ないなあと思わせる大学もたしかにあります。そういうことに早くから警鐘を鳴らしてきたというのは、事実島野さんの誇るべき部分だと思いますね。
 ただ、繰り返しになりますが、私の立場、つまり進学を担当する私立高校の教員という立場からしますとね、偏差値の高低でほとんど全てを判断してしまうという、そういうまさに一面的な見方には反発せざるを得ないんですよ。そこに関しては譲れません。まあ、私も島野さん同様、ちょっと大人になって、2年前の若気の至りを恥じてますが(笑)。
 まあ、この本、なんだかんだいってウチの学校の先生にも生徒にも人気ありますし、勉強にもなるんですよ。私自身も担当しているクラスの性質上、島野さんと同じようなことを言う時もあるわけだし。だから、今回、ちょっとトーンダウンしちゃったこの本を見て、みんななんとなくガッカリしちゃった部分もあるんです。ライバルが元気ないというかなんというかね。
 なんとなく肩透かしをくらったような感じで、私もトーンダウンですねえ。なので最後につまらぬツッコミを入れときましょうか。冒頭で学生の国語力の低下を憂えているんですが、その直後に「耳障りは良い」なんて書いちゃだめですよ。私も国語の先生のクセしてこんな文書いてるから偉そうなこと言えませんし、スーパー権威の大野晋センセイもこの本でやらかしてますし、ひろさちやセンセイの本にいたっては弱肉朝食ですからねえ。いずれも出版側の問題なんでしょうけど…気になるなあ。

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コメント

 題名を見て、過激な内容ではとの期待に胸を膨らませて(弾ませて?どっちも正しい?)いたのですが、残念です。

 さて、国語力の低下といいますが、今の学生さん、私たちが学生だった30年くらい前より、圧倒的に読みやすい答案を書きますよ。今、期末試験採点中ですが、きれいな字と読みやすい答案の構成に感動しつつ(また、昔を反省しつつ)、点をつけております。
ああ、みんないい点になってしまった・・・・。問題も易しすぎたかな。

投稿: 貧乏伯爵 | 2007.03.07 10:51

伯爵さま、期末試験お疲れさまです。
そうですね。ウチの学校の生徒も決して学力低下していませんね。
我々の頃より努力家が多いような…。
今ちょうど模擬試験の結果見ながら、先生たちで「すげぇなあ〜」と感心していたところです。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.07 11:22

国語力の低下。。。
って言うよりは、行間読める人間が少なくなってきたような。。
言葉尻だけ捕らえて。
意図するところを考えない。。
ネットでも、マスコミでも。。。
ってところではなかろうかと。。

投稿: たこたよ | 2007.03.08 16:50

そうですね。
空気嫁!って感じだね。
若者に限らず、というか、どっちかっていうといい大人がその点ダメダメかも。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.08 17:07

 非常にご無沙汰しております。庵主様もお元気そうで何より。
 私事ですが、突然、心の旅に出てから早、二年弱。そろそろまたブログを再開しようかなと思っているところでございます。(おそらく、直ぐに心が勝手に旅立ってしまうと思いますが。笑)それでもその間、時々こちらのページを拝見させていただきました。いやぁ、こんなに面白いことになっていたとは! いいなぁ! ディベート好きの私には羨ましい限りでございますよ。
 えっと、恐縮ですが、私個人の大学観はですね、研究者(当然学生も含む。)を“養う”機関が大学なのだと、純真(笑)な理想で大学をとらえております。教授達に研究の場を与え、経済的にも“養う”。学生達も叡智を“養う”。これは私が大学に行った経験がないから言えていることなのでしょうかね? 心の底から象牙の塔であって欲しいですね。でもって、大学側からしてみれば、そんな酔狂な場の維持に協力してくれた学生さん達に対し、「多少の“就職先や資格取得のための(引用)”お役に立てば幸いです。」ってなもんですよ。

 手段と目的は時々その主従が逆転することがあります。研究の場、教育の場を維持するという目的を差し置いて、経営に重きを置いたところで、間違ったニーズを掴むだけでしょう。

 例の著者は、お若い方なのでしょうかね。最近どうも、自分で導いた三段論法から逃れられない窮屈なというか、融通の利かないというかね、.......多いですね。もっとディベートした方が良いと思うなぁ。

PS.すみません。メアドは捨てアドです。メアドがないと投稿できなくなっちゃったのね。(^_^;)

投稿: LUKE | 2007.03.14 04:10

うわぁ、LUKEさん!どこに行ってたんですか!?
ホント、お久しぶりです。旅はいかがでしたか?w
旅はいいですよ〜。私なんかそういう勇気がないんで、ちょっとうらやましかったりして。

大学についてのお考え、私も賛成します。
もちろん、教育に携わるものとして、理想だけでは片付けられないことも承知してますけどね。
ま、私は本気でケンカするつもりは最初からなかったし、かと言ってディベートというレベルの攻防でもなかった。
肩透かしをくらったのは、このブログの読者の方々だったかもしれませんね。
すみません、フニャフニャで(笑)。
本当はこういう論議、ディベートは、ちゃんとした場でちゃんとした人たちがやればいいと思うんです。
高校や大学という現場でもそういうことありませんしね。
わからんまま、みんな我が身のために今日を生きてる。
たしかにそんな感じもします。
そういう中に一石を投じるという意味では、著者の過激さというのは価値あることだったかもしれませんね。
でも、ある大学関係者から聞いた話では、もうみんなこの本には関わるな、だそうです。

LUKEさん、ブログ再開楽しみにしてますよ。
ちゃんと相互リンク第一号として残ってますからね!

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.14 07:59

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