« 『第14回蔵開き』 (井出醸造店) | トップページ | 『リンゴの唄』 並木路子 »

2007.02.12

『ジャンボ鶴田の受験は格闘技だ』 ジャンボ鶴田 (ごま書房)

志望校を突破する"七つの必殺ワザ"を伝授しよう
Jumbo22 うん、これは素晴らしい本だ。生徒に読ませなければ。
 ちょうど昨年の今日、家族でジャンボの墓参りをしてたんですね。
 最強・伝説のプロレスラーであり、かつオレゴン州ポートランド大学教授、慶應大学、中央大学、桐蔭学園横浜大学講師の肩書きを持っていたジャンボ鶴田。心から尊敬する彼が亡くなってそろそろ7年が経とうとしています。
 ちょうど昨日の記事でもAHさんがコメントしてくれましたが、ジャンボ鶴田は強すぎて苦労したレスラーでした。相手を引き立てるためには、どうしても自分の強さを隠さなければならない時があるわけで、それがオーバーアクションと取られたり、もっと攻めろと言われたり、今彼の試合の録画を見ると、そのあたりの涙ぐましい?努力がうかがわれて、なんか辛くなってしまいます。
 そんな彼、42歳の時に「B型肝炎です。このままプロレスを続けたら死にます」と宣告されます。世界を極め、最強の名をほしいままにしていた、まさに絶頂期のことだっただけに、本人はもちろん、私たちファンも大きな衝撃を受けました。42歳と言えば、今の私と同じ年齢です。自分の仕事のことを考えても、その「死刑宣告」がどれほど彼の体のみならず心にダメージを与えたか、想像を絶するところです。
 しかし、「人生はチャレンジだ!」を標榜する彼は、すぐに新たな目標を掲げ、それを困難の中で実行し、そして夢を叶えていきました。その夢とは、筑波大学大学院に入学し、教授レスラーになるというものでした。結果としてアメリカの大学の客員教授として招かれたその1年後亡くなってしまうのですが、そのまさに男らしい生き様は、リング上の彼以上に、私たちに感動を与えてくれました。もともと、山梨の牧丘出身ということもあり、身近に感じていたのですが、こうした生き様を見せつけられた私は、いつからか本気で彼を心の師と仰ぐようになっていたのでした。
049jturuta1 日川高校のバスケットボール部で活躍し、オリンピックを目指して中央大学に自力合格を果たします。その後、レスリングに転向、たった3年でミュンヘンオリンピックに出場します。神の子KIDのお父さん、これまた私の大好きな「神の子の父=神」山本郁榮さんと一緒にミュンヘンに行ったってことですね。郁榮さんは7位でしたから、もしかして「神」>「怪物」?なんてね。そう言えば、郁榮さんも高校時代はバスケの選手だったんだっけ。鶴田はその後、全日本プロレスに「就職」。どんどん新しいことに挑戦して、そして結果を残していきます。
 そんな彼が残した名著がこの本です。そのへんに転がっているレスラー本やタレント本とは違いましたね。本当に学ぶべき点がたくさんありました。何しろいろいろなことに挑戦し、苦難と戦い、挫折も経験しつつそれを乗り越えてきた男です。一つ一つの言葉に非常に重みがありました。内容的には、筑波大学大学院を受験した際のことが中心で、あくまで受験生のための本という感じですが、実際には人生全てに通用する「ワザ」が余すことなく開陳されています。
 この本を読んで、同じ男として、職業人として、父親として、彼と自分の違いがいったいどこにあるのか、正直痛いほど知ることができました。先を読む力、発想の転換、堅固な意志、計画性、不言実行力、そしてなんと言っても「チャレンジ精神」…当たり前ですが、私には全て不足しています…orz。
 もちろん、世界一になるくらいの人ですから、たぐいまれな素質を持って生まれてきたのだと思います。私にはもちろんないものを持っています。しかし、彼の生き様から学び、まねぶべき点は本当にたくさんあると感じました。
 特に、彼の言う「プラス思考」は素晴らしい。単なる楽天的思考とは違います。それは、「失敗の分析」であり「反骨精神」であり「発想の転換」なのです。どんな境遇であれ自分の糧にしていく、一般にはマイナスでしかないことの中にこそ光明を見出していくその姿勢には、正直感動しましたね。
 その他にも、情報収集、体力、友人、家族の重要性や、スランプの脱し方を説いたりと、受験のみならず仕事でも役立つ内容満載でした。また、挿入されている彼自身の体験談、ちょっとしたエピソードなんかも面白いものが多く、プロレス好きならずとも充分に楽しめる内容になっていると思いますよ。私は、しょっちゅう出てくるラッシャー木村さんのお言葉に、すっかり癒されてしまいました(笑)。
 さ〜て、この本を読み、さらに昔の全日のビデオを見まくり、家族で「つ〜る〜た、オーッ」をやって気合いが入ったぞ〜!連休は終わったぜ!明日から頑張るぞ!!人生はチャレンジだ!!

Amazon ジャンボ鶴田の受験は格闘技だ

ps そう言えば「受験は格闘技だ」っていう本、もう一種類あるんですよね。佐藤忠志の受験は格闘技だ—大学合格のための“必殺ワザ”一挙公開というやつです。金ピカ先生ですよ。今何してるのかな。しかしタイトルが似てますねえ。こっちの方が古いんですけどね。金ピカ先生も武道か何かやってたと思いますけど、どう考えても「ジャンボの勝ち」でしょうね(笑)。

不二草紙に戻る

|

« 『第14回蔵開き』 (井出醸造店) | トップページ | 『リンゴの唄』 並木路子 »

スポーツ」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55913/13890427

この記事へのトラックバック一覧です: 『ジャンボ鶴田の受験は格闘技だ』 ジャンボ鶴田 (ごま書房):

« 『第14回蔵開き』 (井出醸造店) | トップページ | 『リンゴの唄』 並木路子 »