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2007.01.07

『昼は雲の柱』 石黒耀 (講談社)

Hiruwa まず、全然関係ありませんが、今日全国テレビデビューしちゃいました。例のNHKふれあいミーティングです。お昼にやっていた「永井多恵子のあなたとNHK」という超地味な番組にその模様が流れまして、私が「NHKさんには(文化的)インフラのような存在になってほしい」と言った部分が採用されてました。妖しい坊主頭が全国のお茶の間を照らしたわけです!!ま、たぶん視聴率0.01%くらいでしょうけど(笑)。県内では27日に1時間枠で放送するとのことですのでお楽しみに。
 というわけで、最近なぜか露出の多いワタクシであります。昨日は村の成人式に乱入?という記事でした。そう、鳴沢村最高!というお話でしたね。特に私の住む所は字名がもろ「富士山」ですから。ちょっといいでしょ。しかし…一度コトが起きればそこは地獄よりも怖いところに豹変します。今日はそういうお話を読みました。
 正直、この小説にはやられましたなあ。富士山在住にして富士山の地学と伝説にはけっこう強い方だ自認していたんですけどね、もちろん世の中には上がいるわけでして、こうして、お医者さんにして小説家、そして学者もうなる博識及び発想の持ち主。すごい人です、石黒さん。
 小説が滅法苦手な国語教師の私が、この500ページの大作をあっという間に読みきってしまった。おそるべしこの富士山噴火シミュレーションノベル!!
 地学的な内容の正確さは、本書の解説をお書きになり、また新聞に本書の推薦文をしたためた静岡大学の小山真人教授のお墨付き。たしかに超マニアックというか超アカデミックだわ。私、この本で最新の研究成果をかなり勉強させていただきました。ありがたや。
 そして、いちおう私の専門でもある「宮下文書(富士古文献)」がストーリーの鍵を握っていまして、それだけでももう興奮状態。う〜ん、こういうトンデモ系に関する自説を発表するには「小説」という手しかないよな、と思っていた私にとっては、まさにやられた!という感じなんですが、それ以上に、私が全く発想しなかったような石黒さんのアイデアの豊かさに完敗です。もちろん、その全てに賛意を示すことはできませんが、目からウロコの「読み」と「つなぎ」の連続には、密かに同じ道を目指す者として理屈抜きに兜を脱ぎます。素晴らしい。
 純粋なパニック小説としての評価は、正直門外漢の私には不可能です。文体や構成に難癖つけるのは専門家には簡単かもしれません。しかし、そういう外見上のことはどうでもよくなるほど、内容が充実していたと思います。
 多少、いろいろ詰め込み過ぎの感もありましたが、読み進むほどにそれらが一つのタペストリーに織りなされてゆきまして、その感覚もまた快感でありました。地学的なこと、宮下文書の内容、徐福伝説、記紀や旧約聖書の内容、また富士山麓の地理など、私はそこそこ詳しい方ですからすんなり読めましたけれど、どうなんでしょうか、そういうもののイメージングが困難な一般の方々には、やや微に入り細を穿ち過ぎに感じられるやも。
 こういう小説の性格上、特にネタバレには注意しなくてはなりませんので、これ以上内容には踏み込みません。しかし、地学、歴史以外にも、男と女ネタあり、政治ネタあり、ジャーナリズムネタありと、本当にさまざま楽しめます。特に我々富士山麓に住む者どもにとって、これは最悪を想定したケースとは言え、実際にありうるシナリオであり、防災意識を高めるという意味においても、非常に価値のある小説だと言えましょう。必読です。これは映画化決定でしょう!!

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