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2007.01.24

『ダーリンの頭ン中 英語と語学』 小栗左多里、トニー・ラズロ (メディアファクトリー)

Darling さて、昨日に続いて異文化交流のお話。生徒が貸してくれたんですが、とっても面白かった。このダンナさん、言語マニアのトニー・ラズロさんとお友達になりたいですね。きっと、ヘヴィーでディープな話、弾みますよ…てか重くて深くちゃ弾まないか。
 目からウロコっていう話が満載でしたねえ。日本で教えられている英語(外国語)が、ネイティヴには変だったり、あるいはネイティヴ以上に厳格だったり、また、私たち日本語のネイティヴ・スピーカーが日本語についてよくわかっていないのと同様に、英語やその他の外国語のネイティヴ・スピーカーも自国語のことをよくわかっていなかったりと、なかなか楽しいエピソードが満載であります。
 外からある言語を見ると、当然その言語のネイティヴとは違う風景が広がるわけですね。そのせいで、外国語学習者は苦労するわけですけれど、逆に、そういう学習者の話がネイティヴにとって新鮮であるケースもあるわけですね。言われてみるとそうだとか、いや、言われてみてもやっぱりそんなことないとか。
 theは母音の前では本当に「ジ」と読むのか?
 vの音は本当に下唇をかんでいるか?
 本当のところはどうなんでしょうね。気になる方はこの本を読むか、ネイティヴさんに訊いてみて下さい。
 こういう異文化交流っていいですね。外国語を学ぶと自国語に対する意識も変るように、たとえば音楽なんかも異国の音楽を学ぶということが自国の音楽を改めて知るきっかけになりますし、また反対の作用として、向こうの音楽をこちらがやることによって、向こうに新たな発見を与える場合もあるわけです。つまり、お互いにとってメリットがあるわけでして、損することは(たぶん)ない。
 私も西洋の古楽なんぞをやってまして、ある時期はなんでこんなことやってるんだ?ネイティヴにかなうわきゃないし…なんて自虐的になった時もあったんですけど、まあ、まじめすぎたというか、勘違いしてたというか、向こうと同じことをしようとすること自体、おかしかったんですよね。そうじゃなくて、新たなる可能性として、新たなる縁起として、新たなる融合として、現代日本人が17世紀のヨーロッパ音楽をやったっていいわけです。やったっていいどころか、やるべきなんです。
 実際、一般的な現代ヨーロッパ人よりも、私、バロック音楽についてよく知っているかもしれません。逆に私なんかより歌舞伎や能や浮世絵に詳しい外国人もたくさんいる。この前書いたグールドなんか、間違いなく私より漱石をよく知っている。そして、彼のゴールドベルクを聴くことによって、私の漱石の理解が豊かになったりするわけです。ああ、そう言えば、若冲についてはジョー・プライスさんに教わりましたよ。格闘家(プロレスラー)ジョシュ・バーネットのオタク知識には全くついていけませんしね(笑)。
 最近ですね、時間的、空間的、文化的境界線を引かないでいろいろなことを発想できるようになったのは。私も多少は大人になったんでしょうか。でも、それによって、いかに私の人生が豊かになったことか。このブログなんてめちゃくちゃでしょ?でも、私の中ではけっこう全部つながっていて整合性があるんですよ。
 外国語としての英語学習については、ここなんかに書いている通りです。勉強したい人、勉強しなくちゃいけない人はすればよい。英語のみならず、いろいろな外国語を学習するとすれば、やはり今述べてきたようなスタンスでやりたい。音楽にせよ語学にせよ、ネイティヴと肩を並べようとするのは間違い。いや、別にそれでもいいんですけど、だったら相手にも同じことを要求しましょう。そうしないと、相撲取りがリングに上がって蛙みたいになるのがオチです。どうせなら、あんたたちが気付いてないことを、こっちが教えてやる!くらいの気持ちがいいですよ。実際そういうものだし。決して卑屈になる必要はない。でも、ちゃんとそれなりの視点を持たなきゃね。オリジナルな。そして、相手からも同様に学んでやる!という姿勢も大切です。
 なんか、話がそれちゃいましたけど、この本の夫婦はそういう意味でなかなか理想的な攻防を繰り広げております。語学のトリビアとしてよりも、そういう人と人の関係を学ぶ良い教材かもしれません。マンガですのでとっつきやすいし、笑いながら大いに感心できますよ。おススメします。

Amazon ダーリンの頭ン中

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コメント

 ハンガリー系の姓をお持ちのトニーさん。ハンガリー人というと語学の天才の国のようです。数学者でジャグラーのピーター・フランクルは10ヶ国語、「わたしの外国語学習法」を書いたカトー・ロンブは16ヶ国語を話すそうです。「悪童日記」三部作のアゴタ・クリストフはフランス語で小説を書いている。
 ハンガリー語はフィンランド語と並んで、日本語や韓国語、モンゴル語に似たアジア系の文法構造を持っていてヨーロッパでは孤立した言語です。言語的に外部にあるというわけです。それが返って語学の天才を生んでいる理由なのかもしれません。
 ということは、日本人にもチャンスあり?ま、日本語で読めるものの方が簡単だし、おもしろいから、どうかなあ。

投稿: 貧乏伯爵 | 2007.01.25 16:43

伯爵さま。どうもです。
そう、マジャール人はすごいっすね。
バッハ家の元もマジャールだとか。
ハンガリー語、昔少し勉強したんですけど、たしかに文法は似てましたね。
今では全く覚えていませんが。
なんか、ハンガリーでは日本人は兄弟だって教えてるらしいですよ。
ウラル山脈を西に行ったのと東に行ったのと…。
一度行ってみたいところですね。
ジプシーヴァイオリンも興味あるし。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.25 18:40

 ラカトシュ+津軽三味線という妙なコンサートに行ったことがあります。ジプシーバイオリンいいですねえ。ミラノオリンピックのスケートリンクで弾いていたおにいさんもなかなかでした。
 バッハもマジャールとは!いいことを聴きました。
 そういえば、トニーさんアーウィン(エルヴィーン?)・ラズロと関係あるのかなあ。

投稿: 貧乏伯爵 | 2007.01.26 19:07

伯爵さま、こんばんは。
そう、ジプシーすごいですね。
ウチの近くのレストランに出稼ぎに来てたバンドがいて、
それがメチャクチャな弾き方だったけど、メチャクチャうまかったっす。
ラズロってたくさんいるみたいですね。
アーウィンも多芸な人でよね、たしか。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.26 19:43

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