« 『社会的ジレンマ「環境破壊」から「いじめ」まで』 山岸俊男 (PHP新書) | トップページ | 『昼は雲の柱』 石黒耀 (講談社) »

2007.01.06

村の成人式

20070106 今日は合宿の合間に村の成人式に出席してまいりました。もちろん、私が成人したんじゃないですよ。もう2回成人している計算になりますから(笑)。なんかいちおうゲストということで、壇上でちょいとパフォーマンスなど披露いたしました。いやあ、私に声がかかるなんてね、本当に田舎の小さな村ですよ。のどかでいいですねえ。
 ここのところ少し下火になってますけど、成人式というと暴れ出す連中がいますね。それに眉をひそめるのは簡単ですけれど、そういうふうに育てたのは私たち先輩の成人たちでしょ。あいつらだけを責めても始まりませんよね。
 で、ウチの村の成人式は毎年平和そのものだそうです。今日もいたってお行儀がよかった。都会じゃあ、私が登場した時点で擾乱勃発でしょう(笑)。舞台上が主役たる成人の皆さんっていうのがいいじゃないですか。普通は逆でしょ。つまらん来賓やらが並んでますよね。成人はお客さんで。うちは壇上が成人で客席が来賓だから、そりゃあ暴れるのには勇気がいりますよ(笑)。
 というか、そういう雰囲気じゃないわけです。今日壇上には約30名の新成人がいらっしゃいました。その一人一人がどこのウチのせがれや娘か、会場にいる人はみんなわかってるわけですよ。それこそ赤ん坊の時からみんな知ってる。壇上の諸君もみんな保育所からずっと一緒なわけで、やはりそうした「世間」がしっかりしていると、妙な状況にはなりえないわけですね。昔は日本中がこういう「村」だったわけです。
 さてワタクシは、具体的には知りあいのピアノ伴奏でヴァイオリンを弾いたのであります。去年までは村の駐在さん(!)がフルートを吹いていたのですが、ちょっとしたアクシデントで今年は駐在さんが出られなくなった。それで私に声がかかったというわけです。
 だいたい、その共演者の方はウチの上の娘の副担任の先生ですし、彼女の妹は私の教え子で、私の下の娘の保育所の先生。てな具合でして、非常に複雑というか単純というか、そういう相互依存の形で「世間」が成り立っているのです。新成人にも当然私の学校の卒業生もいますし、その父兄には私が私的にお世話になっている方もたくさんいらっしゃる。これはやっぱりいいですよ。都会育ちの私には特に魅力的に感じられます。
 で、演奏した曲は…なかなか渋いですねえ。まずは、のだめでもかかっていたベートーベンのソナタ「春」第1楽章。ちょっと短くしました。飽きちゃうんで。続きまして、村内にただ一つある小学校の校歌(!)。全員が知ってる曲と言えばこれでしょう。そして最後が私の定番、レミオロメンの「3月9日」。1月6日に3月9日っていうのもなんですが、まあ春を迎える旅立ちの曲ということで。これはホントにいい曲なんで。もう今まで何回弾きましたかね。予餞会、講演会、結婚式、成人式…。
 今日成人した諸君には、この村で育ったことをぜひとも誇りに思っていただきたい。ホントいい村なんで。私がこの村に住もうと思ったのは、自分が教えたこの村の生徒たちが本当に例外なくいい子たちばかりだったんで。いったいどういう環境で育つとこんなに純粋で素直で素朴な人間になるんだろう、っていつも思っていました。自分の子どもはこの村で育てたいなと真剣に考えたのです。その判断は間違っていませんでした。日本一の富士山の、そのまた頂上もうちの村なんですが、そういう意味でなくとも、本当に日本一の村だと思います。なんか合併のウワサもありますけれど、できればずっと「村」のままでいてほしいなあ。

不二草紙に戻る

|

« 『社会的ジレンマ「環境破壊」から「いじめ」まで』 山岸俊男 (PHP新書) | トップページ | 『昼は雲の柱』 石黒耀 (講談社) »

育児」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

コメント

山口さんの頭に黒ものがついているのですが?

オルガン使ってアンサンブルしましょう。日を決めて下さいね。

投稿: 渡辺敏晴 | 2007.01.07 19:15

いやいや、雪が降ってあんまり寒いんでニット帽かぶってたんですよ。
というか、スーツに坊主頭って似合わないんですよね。
今日、実はスーツにネクタイに坊主頭で全国放送に映っちゃったんです。
実に妖しかったっす(笑)
それから、ちょうど教会から連絡をいただいところです。
のちほどメールでご連絡します。
ぜひよろしくとのことでした。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.07 20:21

今年もよろしくお願いします。

成人式での演奏素敵だったでしょうね。写真小さいですが格好よさそう!!
20年前ある地方の教育委員会に勤務していた時のことを思い出しました。
成人式担当の課に所属してました。毎年催しや講演者を決めるのに四苦八苦していましたよ。
騒ぎはなかったですが、私自信成人式には参加しなかったため(興味なかったな~)
着飾って来る新成人をみて驚いていました。
当時は何か体制にはのるまいといきまいていました。(笑)

壇上が新成人はいいですね。
胸にリボンをつけた方々を上に上げることないですよね(笑)

そしてとても素晴らしい村に私も行ってみたくなりましたよ~。

投稿: あんりまー | 2007.01.07 22:33

あんりまーさん、あけましておめでとうございます!

いやあ、ウチの村はのどかでいいですよ〜。
ぜひぜひ遊びに来てください。
このブログで知り合った方、もう何人もいらしてますんで。
なんにもおもてなしできませんが、ドカーンと富士山がお待ちしております。
私も自分の成人式には出ませんでした。
全く同じく体制に反発?しておりました(笑)。同志ですね。
ですから、今回成人式というのを初めて経験しました。
最初新成人に間違われたりして、ちょっと嬉しかった!(大人げないってことです)

では、本年もよろしくお願いいたします。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.08 05:46

先生こんにちは。
私もその村で暮らしてみたいです。
でも『昼は雲の柱』を読むと、気が変わるのでしょうかね?
先生は坊主頭なんですね。。
私も寺で、つるつるの時がありました。
なんとなく親近感を覚えます。
頭から風邪をひきやすいから、帽子は手放せませんね!

投稿: かず | 2007.01.08 12:42

ほんと鳴沢村はいいですよ〜。
噴火もいきなりはこないでしょうから、なんとかなりますよ。
それ以上に富士山の霊的パワーがすごいですからね。
それを毎日坊主頭から吸収してます(笑)。
かずさんも坊主だったんですか。高野山ですか?
なんかかっこいいなあ。
しっかし、ここも寒いんで寝る時も帽子かぶらなきゃです。
去年の今ごろ丸めたんですが、冬は寒いし夏は意外に暑い。
でも、気持ちはすがすがしくてグーです。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.08 13:09

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 村の成人式:

« 『社会的ジレンマ「環境破壊」から「いじめ」まで』 山岸俊男 (PHP新書) | トップページ | 『昼は雲の柱』 石黒耀 (講談社) »