『一期一会 キミにききたい!』まとめてドン!(NHK)
今日の「一期一会」も良かったなあ。また泣いちゃった。今日のは「自分の居場所の話@まじめ大学生×ロックボーカリスト」でした。う〜ん、なるほど〜、という集大成的な内容でしたよ。それについてはのちほど。
で、昼間は、冬休みに再放送されたものの録画をクラスのギャルどもと観ました。ギャル軍団も、同世代の女の子たちが主役ということで、いつも以上の集中力で観ていましたね。
私がいろいろ説教するより、こういうものを観ていろいろ感じたり考えたりしてくれたほうがずっといいんですよ。今、彼女たちもちょうど大人になるかならないかという時期ですので。
なんて、そんなこと言ってる私の方が、かなり勉強しちゃいました。なんかいろいろ学んだし、感動しちゃったなあ。また泣いちゃった。どうも最近涙腺が…。特に自分や世の中と格闘し苦悩する若者を見るとねえ…。
「一期一会」と言えば、今までも2回ここでおススメしました。こちら都会と田舎の話@秋田とオタクと偏見の話@池袋.乙女ロードです。ホント面白いだけでなく、大人が妥協してしまった、あるいはうやむやにしてしまった何かを思い出させてくれるんですよね。
今日生徒に見せたのは、私も見逃してしまった3作。「頑張らない生き方の話@宮崎.18歳無職の日常」「平凡な人生はあり?の話@新人萌え系アイドル × 純朴女子高生」「着たい服を着る話@栃木.ロリータファッション物語」です。違う言い方をしますと、次のような対戦になっていました。
18歳無職×努力の男
夢を追うアイドル×一流大学めざす受験生
憧れの服を着る勇気がない中学生×ロリータファッション命の高校生
考えの違う二人の若者の出会いをプロデュースするこの番組。対極とも言える二人の若者が意見をぶつけあい、次第に互いを理解するようになり、何かを得て変化していく。若者ならではの頑なさと柔軟性が共存する、実に魅力的な出会いに毎回立ち合うことができるんですね。それが心にしみる。
まさに「一期一会」、仏教の思想そのものです。昨夜で「五木寛之 21世紀・仏教への旅」が終わりましたね。そこでも繰り返されていました。「無我」「縁起」…自分というものは実は存在しない、他者との関係性の中に自己が立ち上がってくるわけです。この若者の番組でも、それを強く感じることができるんですよ。
パターンとしては、問題意識をもって相手の考えを変えようとする「イチゴ」さんが、相対する「イチエ」さんに返り討ちにあうというケースが多いようにも思えます。「イチゴ」の方がだいたい世間での多数派や主流派であることが多いんですね。で、「イチエ」の方はけっこうアウトローだったり、時流に乗っていなかったり、少数派であることが多い。それに、「イチゴ」は自ら世直ししてやろうみたいな気負いがある。それが、どうも番組後半では旗色が悪くなるんです。
今日特にワタクシ的に面白かったのは、ニート対努力家ですね。世間的にはどう考えても努力家であるイチゴくんの勝ちですよね。しかし、結果は違う。引き分けと言えば引き分けだけれど、私がレフェリーなら115対113でニートの勝ちですね(笑)。なんか、とっても説得力のあるイチエさんだった。最後、ふとんの上でケータイいじってる彼女の姿が座禅する達磨大師に見えたのは私だけでしょうか(笑)。
彼女の生活や思想は、ある意味まんま仏陀ですよ。前も書いたように、「老病死の苦から解放されるために、全ての生産活動をやめ、余り物だけをもらって生活し、ある特殊な集団の一員となって、肉体的な難行苦行ではなくひたすら脳内で瞑想をすべし」というのが仏陀の教えです。そして、自分にとらわれないこと。ある意味イチエさんは悟りを開いていました(マジで)。
象徴的だったのは、努力家イチゴくんは最後の最後まで「夢を持ってほしい、努力しよう」という論調だったのに対し、イチエ大師(!)は「○○くんはこれからもそのままで…」っておっしゃってました。はたして、どちらの方が自由なのでしょう。どちらの方が我執から解き放たれているのでしょう。
世のため人のためという大義名分のもと、自分の考えを押しつけ、世直ししよう、教育しようとしている「淋しがりや」が多い中で、世間の目や常識を気にせず、結果として自我よりも縁を、未来よりもこの刹那を大切にするイチエさんたちの生き方は、なぜか輝いて見えるのでした。
さて、もう一つのパターンっていうのがありまして、それは、悩めるイチゴが自分を変えてくれるイチエを求めるというもの。ロリータの回や今日放送のものはそちらでした。これはもう最初からイチエの勝ちですよね。でも、それだけで終わらないところがまたいいっす。今日の放送での、イチゴさんイチエさんの結論、つまりまじめ大学生とロックボーカリストの彼女らが出した結論。これが世の全てのあり方の真理を物語っています。もしかして、五木さんより分かってる?(笑)
自分の居場所とは…
イチゴ「人との繋がりから生まれる大切な場所」
イチエ「濃ゆい人間関係」
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コメント
先生おはようございます。
一期一会、魅力的な番組なのですね。。
半年前に引っ越してから、配線を繋げてないもので、全然テレビを見ていませんが、以前より生活が楽になりました。
でもこの記事を読むと、とても見てみたくなりました。
うん、見てみます!
投稿: カズ | 2007.01.13 07:57
カズさん、おはようございます。
この番組、ホント好きです。
テレビもたまにはいいですよ。特にNHK。
昨日のやつは今日のお昼11時15分から再放送ありますよ!
ぜひ見てみてください。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.13 08:13
追伸
この番組を観ての結論
人の目は必要以上に気にするな!
人の意見は必要以上に聞け!
これだと思いますね。
そして、NHKさんがやってるような、出会いのプロデュース、コーディネイト役も大切だということ。
全ての経験には意味があるということ。
では。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.13 08:24
ありがとうございます。
さっそく実家に、ビデオの録画をお願いしました。
今から私は久々に、善通寺にお参りに行きます!
この8年くらい、1年に1~2度、ぼーっとしたまま行ってましたが、今日はなぜだかちょっと、わくわくしています。
不二草紙のおかげのような気がします。
宗教やお坊さんに対するイメージは、私の周りではとても悪く(あたり前の結果だとは思います、部分的に。)、そういう友達の中にいると、自分を否定するようになり、さらには仏教自体を毛嫌いするようになっていました。
でも最近それが、だいぶ和らいできました。
ありがとうございます(^^)
投稿: カズ | 2007.01.13 10:11
いえいえ、私もみなさんとの一期一会によって成長させてもらってますよ。
仏教に限らす、形式や言葉にこだわることなく、生活の中に真理を見出せばいいんじゃないでしょうかね。
心を開いていれば、誰かや何かが教えてくれますよ。
わくわくしてるってことは、まさに心が開いているんだと思います。
だから,今日は善通寺さんでいいことあるでしょう!
そして、一度嫌いになるのもいいことだと思います。
次に好きになったとき、得るものが全然違いますから。
嫌いになるくらい、ケンカするくらいドップリっていうのは幸せなことですよ。
家族とかもそうじゃないですか。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.13 10:59