« 『ブリスコ兄弟vs鈴木鼓太郎・リッキー・マルビン』(プロレスリングノア) | トップページ | 今朝の富士山〜放射冷却に思う »

2007.01.30

『グーグル革命の衝撃 〜あなたの人生を“検索”が変える〜』(NHKスペシャル)

070121_a ちょっと古いネタです。先週の日曜日に放送されたものですが、あらためて観てみました。以前書きましたように、Googleは私のライバルですので(笑)、放映された内容はだいたい知ってる事実でした。
 今日は私の得意分野的にGoogleを切ってみたいと思います。得意分野と言えばいつものやつです(すみません、毎日読んでいただいてる方にはしつこく感じられるでしょうね)。でも、ちょっと面白い切り口だと思います。たぶん世界で一つのグーグル論(笑)。
 さて、Googleが目指すのは「世界中の情報をインデックス化する」ことです。これはまさに私の言う「コト」化にあたります。
 基本的に「コト」は、「モノ」が人間の内部で処理された状態のことを言います。ここで確認しておきますが、我々が日常使っている「物」「事」という単語が示す対象と、私が言っている「モノ」と「コト」ととは一致しません。たとえば、我々が「物」と言っているものは、たいがい我々が作り出したものか認識しているものです。これは、ワタクシ流に言いますと、処理済みの「コト」になるわけです。私の言う「モノ」は未処理、あるいは不可処理な存在です。簡単に言えば、自分たちの知らないもの、コントロールできないものです。Google流に言えば、インデックス化されていないものでしょうか。
 さて、私たちが脳内で処理するとは具体的にどういうことなのでしょう。今までも書いてきましたけど、「コト」というのはレッテルを貼られ、ネーミングされ、固定化された(元)「モノ」であります。それらは我々の脳ミソの中で、インデックス化されていきます。それは、全て「情報」になるということでもありまして、すなわち、それは変化することがないということになります。過去の情報自体は絶対に変化しないのです。つまり、死んでいるわけです。
 そういった脳内の情報は、様々なメディア(霊媒・媒体)によって形作られます。人間の五感で捉えられる形に再構成されるんですね。私はそれを「カタル(語る・騙る)」という言葉の原義としています。かたられた「(自分にとっての)コト」は、他者にとっては最初は「モノ」ですが、それもまた脳内で処理された瞬間に「(その人にとっても)コト」となっていきます。それが、「物語(モノガタリ)」であり、「語り継ぐ」という行為です。
 で、Googleはその「コト」たちを収集・整理しているわけですね。どんどん「モノ」が処理されることによって生まれてくる、そして語り継がれて増殖する「コト」たちをインデックス化していこうというのですから、そりゃあ大変です。そういう面倒なことは、そういうことが得意なコンピュータにやらせましょ、と。クロール・ロボットですね。何しろ、インターネットという網は、世界中の脳ミソと…いや、正確に言うと脳ミソ自身ではなくメディアとですね…つながってるんで、そういう馬鹿げた「コト」も可能になるわけです。
 ついでに脱線しますと(私にとっては完全につながってますが)、いつも出てくる「萌え=をかし」はそうした「コト」を対象とした人間本来の感情です。「招きたい」でしたね。現代ではオタク的な心理と捉えられています。だから、私にしてみれば、Googleは究極のオタクなんです。だいたい、検索する私たちも、まさにGoogleを使って「招く」わけですよね。「萌え=をかし論」のところにも書きましたけれど、自分の前に処理されない(よくわからない、手に入らない)「モノ」が出現すると、「コト」化の願望がわくんです。で、昔はインターネットもグーグルもなかったから、行ってみるしかなかった。「ゆ(行)きたい」、それが古語の「ゆかし」です。でもですねえ、昔でも冷静さを失ったりすると(つまりミーハーになるってことなんですけど)、もうガマンできなくて、「こっちに来い!」「今すぐ所有したい!」って思っちゃうんですよ。それが「を(招)きたい」つまり「をかし」なんです(って私だけが信じている珍説ですけど)。
 としますと、Googleはまさにその「萌え=をかし」の感情を実現してしまうツールなのですね。検索すると、ほら… キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!…となる。招いたら来ちゃうんですからね。平安人にとっては夢のようなことでしょう。
 てなわけで、Googleは人間古来の夢を実現しようとしているわけです。すごいですね。実際かなりのレベルでそれを成し遂げつつある。素晴らしいかどうかわかりませんが、すごいことです。こうして、人類のオタク化が進んでいくわけですか。そして、オタク人類の脳ミソ代表であるGoogleでインデックス化されていないものは、全て「モノノケ」とされるんでしょうね。で、「物の怪」の運命は…。それは歴史が語ってくれています。言うまでもないでしょう。
 でも面白いのは、彼らがいかにもオタクっぽく集めて陳列しているのが、しょせんフィギュアに過ぎないということです。語弊はありましょうが、ズバッ!と言ってしまうと、彼らは死体(死骸)収集業者なのでして、生きたモノに関わることはできないのです。「生きた情報」という言い方がありますが、それは実際にはありません。「コト」を生かすことは可能ですが、「コト」だけでは何も変化せず、何も動かず、何も生まれません。
 なんか、こう考えますとですねえ、オタクでありながら、しかし思い通りにならない「もののあはれ」にも未練のあるワタクシといたしましては、やっぱりGoogleを敵に回して、世界の「コト」化されてしまったものを再び解体したくなってしまうのであります。こうなったら、グーグルのライバル「ルグーグ」とか「Elgoog」とか開発しちゃおうかな…って、結局自分の願望を実現(コト化)しようとしている。ああ、人間とは因果な生き物ですなあ…orz

Google

不二草紙に戻る

|

« 『ブリスコ兄弟vs鈴木鼓太郎・リッキー・マルビン』(プロレスリングノア) | トップページ | 今朝の富士山〜放射冷却に思う »

パソコン・インターネット」カテゴリの記事

モノ・コト論」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

 グーグル八分というのもあるそうです。出てこないサイト。蒐集すれど展示せずということかなあ?

投稿: 貧乏伯爵 | 2007.01.31 10:46

伯爵さま、そうらしいですね。
あんまりGoogleの悪口言うとウチも八分されちゃうかも。
実際とってもお世話になってますんで。
今日の記事は愛情の裏返しです!Googleさんlove!!
…ってもう遅いか。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.31 11:10

 私もグーグル無しの生活は考えられません。
 悪意はありません。誤解しないでくださいね。グーさま。
 

投稿: 貧乏伯爵 | 2007.01.31 16:05

私もです。
ちょっとやばいですね。
だって、利用してるつもりでこちらの情報も収集されてるわけですからね。
ところで、蒐集しても陳列しないって、もしかしてとっても大切なものなのかもしれませんね。
人に見せないレアアイテムだったりして。
それはそれですごいですね。
ま、そうでないにしても、この膨大な情報量の中で特別八分にされるってことは、Googleさまに意識されたってことじゃないですか。
やっぱりすごいのかも。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.01.31 16:28

こんにちは!
私も同じような事(ほんまかっ!)を考えました。
まさにキターーです。
できないだろう事を検索することが増えてきて、ますます閉じこもった疑似体験だけで満足してしまいがちです。

コンピューターを使い始めた頃は自分に言い聞かせていました。
はまるな!と。
おっしゃるように行って見るしかなかった昔は行ってました。行って見て知って感じる、体育会系おたくでした。
近頃はほんと行けない・出来ないをこれで招いてキターーですね。
そしてイッター・ヤッターことになっちゃってます。(>_<)

何か自分の人生に大袈裟に言えば嘘をついてるような気もします。
だんだん実体験との差がわからなくなり、相当人生捏造してる気も。トホホ

ほどほどにお付き合いですよね。毎回ちょっとずれたコメントですいませんです。
いつも拝読させていただいて感動しております。

投稿: あんりまー | 2007.02.03 09:24

あんりまーさん、こんにちは。
そうですねえ。ほんとヴァーチャルな人生になってます。
でも、こういうひきこもり系って地球に優しかったりしますからね。
一概に悪いとは言えないかもしれません。
実体験にこだわると無駄なエネルギー使うことも多いんです。
ケンカの実体験なんて戦争になっちゃうし。
適度な妄想は人に迷惑かけませんしね。
みんなでコンピュータに向かってググってるのって、案外健康的かも。
物質的な所有欲って厄介ですから。
というわけで、私はこれからもこうして妄想を発信しますので、よろしくお願いします(笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.02.03 12:37

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/55913/13626140

この記事へのトラックバック一覧です: 『グーグル革命の衝撃 〜あなたの人生を“検索”が変える〜』(NHKスペシャル):

« 『ブリスコ兄弟vs鈴木鼓太郎・リッキー・マルビン』(プロレスリングノア) | トップページ | 今朝の富士山〜放射冷却に思う »