『The Miracle Sword 市丸利之助の奇跡の刀』
一昨日の、サン・テグジュペリとコンスエロの奇跡も感動的でしたが、今日偶然知った市丸少将にまつわる奇跡もすごかった!!やはりあり得ないことが起きていました。
この写真の中で、市丸さんが左手に持っている刀に関する奇跡のお話です。サン・テグジュペリのブレスレットと同様、何十年も経って奇跡的に祖国に帰ってきたのです。
とにかくこちらの素晴らしい文章をお読み下さい。佐賀県唐津にある老舗の旅館「洋々閣」のホームページにある文章です。この旅館の女将大河内はるみさんがお書きになりました。できればリンクから他の文章もお読み下さい。美しく豊かな文が並んでいます。
サン・テグジュペリの時に、「この世の唯一の摂理である無常性を乗り越えるために、『愛』や『芸術』があるのだと。人間の意思の力は、この世の避けられない運命に懸命に逆らっているのでした」と書きました。今日も「愛」の力、「愛」の奇跡を実感しました。普段「愛」という言葉をあまり好まず、また「永遠性」を否定して「もののあはれ」ばかり語っているワタクシでありますが、このたびは完全に「愛」にKOされてしまいました。
このブログにいつもおいでの方々には繰り返しとなってしまいますが、私は「モノ」と「コト」を対照的にとらえています。変化し思い通りにならないのが「モノ」、固定され思い通りになるのが「コト」です。自己の外部と内部とも言えます。未知と既知とも、また実在と認識とも言えます。「もやもや」と「かちかち」とも、助動詞の「む」と「き」とも。とにかく今そういうことを考えていて、そして近代化は「コト化」であると言ってきました。そのシステムが「科学」であり「経済」であり「デジタル化」であると。で、そちらに傾き過ぎた現代を省みて、「モノ」の復権を!と言ってきたわけです。
ところが、ここ数週間で大切なことに気づかされました。「コト」は「コト」でも近代的なシステムによらないものが存在したことを。すなわち「言の葉」と「魂」による「もののあはれ」への挑戦です。市丸さんやサン・テグジュペリが成した奇跡は、まさに不可避で不随意な運命を乗り越えた永遠性ではないでしょうか。その言葉は語り継がれ、また遺品は大切に保存されます。
まさにそれこそが「ことたま」ですね。古くは「言霊」は「事霊」とも書かれます。これもいつも言っているように、「ことたま」は単に「言葉の持っている不思議な力」ではなくて、「コト化」つまり修理固成、永遠化、現実化、随意化、内部化のエネルギーです。そう考えるとまさに日本は「事霊幸はふ国」であったと。それを為す象徴が「御事・美言(みこと=命)」であり、その完成形が「真事・真言(まこと)」であるのでした。
今日はこんなことを改めて考えさせられました。「もの」の復権も結構ですし、「もの」を「あわれ」むことも大切ですが、そこでため息をついて終わるのではなく、それを乗り越える努力も怠ってはいけない。その手段である「愛」と「芸術」がある限り、どんな時代であれ…。それが市丸少将のおっしゃっていた「命を無駄にするな」という意味ではないでしょうか。
ps そう考えると、お釈迦様も偉いけれど、もうすぐお誕生日のお二人は、実はもっと…(笑)。それはまた後日検証します。
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コメント
いろいろ考えて素敵ですね。
投稿: 母里 | 2007.08.22 00:11
母里さん、コメントありがとうございます。
そうですね。本当に感動的な話でした。
ちょうどサンテグジュペリの話も重なり、心に響いた次第です。
しかし、私たち、こうして戦争という最悪な状況で命をかける段にならないと本当の「愛」の力を発揮できない、というのもなんか寂しいですね。
愛と平和が両立しないものだとしたら…
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.08.22 13:43