『「論理エンジン」が学力を劇的に伸ばす』 出口汪 (PHP研究所)
「論理」こそ唯一の国際共通語である。この筆者の言葉にはなるほどと思いました。
以前紹介した天命の暗号の出口光さんと同じく、あの出口王仁三郎の曾孫である出口汪さん。お二人にオニ魂が活き活きと引き継がれているのを感じずにはいられません。教団としての大本は、今やかつてのエネルギーを失ってしまいましたが、具体的に名前を挙げるまでもないでしょう、非常に多くの新宗教教団にその思想や行動の影響が残っています。また、経済界や科学や芸術の世界においても、意外なところで彼の命が生き続けています。そして、本当の遺伝子もまたしっかりと息づいている。
出口汪さんの名前を知ったのは、今からもう20年近く前のことでしょうか。代ゼミの講師として、現代文の学習に革命を起こした人としてでした。当時すでに王仁三郎に興味を持っていた私は、本当にびっくりしました。参考書の著者紹介の写真で、汪さんは十曜の描かれた紋付きをお召しだったので(笑)。作家であり、優れた宗教家でもあった和明氏のご子息であったと知ったのは、ずっとのちのことですが。
騙られた「コト」を徹底的に破壊するために、霊界物語などで新たな「モノ」を語ったのが王仁三郎なら、「モノ」どうしの無理解、排斥、隠蔽を避けるために「コト」を利用しようとしたのが汪さんなのかもしれませんね。たいへんに面白い対照でありながら、実はグローバルな平和を目指すという点では一致している。不思議です。
もちろん、汪さんのことです。「論理」が全てだとは言いません。そんな野暮なことは言うわけないし、原理主義になろうはずがない。ただ、国際化の現代においては、特に論理が必要とされると。論理とは「他者意識」のあるところに立ち現れるからです。
ちょっと話がそれますが、今日読んだ評論の問題文に、「オリエンタリズム」の話題が出ておりました。ワタクシ的に解釈しますと、西洋は、「モノ」であった東洋を、つまり自分たちに理解できない外見や文化や言語を持っていた東洋人たちを、ただひたすら自分たちの理解できる「コト」にしようとした。それが植民地化であり、言語の強制であり、支配であり、虐殺であったと。そうして、鏡の裏側を意識することによって、自分たちのアイデンティティーをさらに強固な「コト」にしていったと。なるほど。
で、そんなことにならないようにするために、まずはお互いが論理的に話し合おう、感情的になるのではなく、じっくりお互いに対峙できる訓練をしようと汪さんは言うわけですね。そのための具体的な方法が彼の開発した「論理エンジン」です。
論理力の習得は、日本語を通じてすべきだというのが、出口さんの強調するところです。日本語は論理的でないという妄説を排し、独自の(今までずっと力説してきた)日本語のドリルを続けることで、自然と「論理力」が身につくとします。そして、その力は現代文だけでなく、古文や英語や、あるいは数学まで、いやビジネスや人生のあり方まで、劇的に変えてしまうというのです。
実は、私の学校では来年度に全く新しいタイプのクラスを立ち上げます。その全般的な企画を任されているのですが、国語はこの出口さんの「論理エンジン」を導入しようかと考えているところです。実際、私も一部のドリルをやってみましたが、たしかによくできていますし、私のような国語を専門とする者にとっても、なんというか頭の使い方が変る快感といいましょうか、ある意味劇的な変化を感じることができました。
こういう「論理」の教育というのは、今まで本当にないがしろにされてきたと思います。それを、感覚的、情緒的、あるいは持って生まれたセンスなどで片付けられていた「国語」という教科で実現したところが、出口汪さんの革命的なところであったと思いますし、ドラマチックなところであるとも思います。
いずれにせよ、私は、光さんや汪さんにどうしても王仁三郎を見てしまいます。形はそれぞれ違いはしますが、オニ魂が世の大人や子どもたちに浸透していくのは決して悪いことではないと思いますね。これをもって「宗教的で危ない臭いがする」とおっしゃる方は、まだまだ世の中のお勉強が足りないのでは。
私もその魂を少しでも継承できればと思っています。私の得意なことを通してね。
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