『詩のボクシング12 世界にはばたけ!声の力・言葉の力』(NHK)
あ〜、声がガラガラだあ。教え子たちとの忘年会で喋りすぎた。ほとんど即興漫談の世界。
で、帰ってきてこの番組の録画を観ました。感動!!涙、涙…。すごいわ。私のお馬鹿な即興劇とは違いすぎる(笑)。
昨日ちょうどモーツァルトの即興について書き、そのついでに「どちらかというと言葉の即興は得意なんですけどね」なんて不用意に書いてしまった自分を恥じます。
香川大会から勝ち上がり優勝した木村恵美さん、ものすごいレベルの高さでありました。詩もよかったしパフォーマンスも完璧。最後の即興詩の奇跡的な完成度の高さ、涙が止まりませんでした。
実は彼女、大学の後輩なんです。私もほんの少しかかわった演劇同好会のOGなんですね。だから当時、彼女の舞台を観てるはずです。なんか、自分の後輩にあたる人が、こうして今でも言葉と格闘し、生きた言葉を生み出しているということに感激ですし、おいおい自分は何やってんだ!っていう…う〜む、すごい刺激されちゃいました。
最近再会した大学時代の友人がいるんですが、彼女は木村さんの劇同での先輩で、この決勝の日の翌日、優勝した木村さんといっしょにライヴやってるんですよね。いいなあ。すごいなあ。まあ、ある意味まだ大学生のノリとも言えましょう。世間に呑まれて妙に大人になってしまう人が多い中、彼女たちの生き方というのは実に魅力的です。ちゃんと家庭も持って大人としての生活をしつつ、創造的な活動も続けている。かっこいいと思います。
私の出た大学って、ちょっと怪しい雰囲気がありまして、まあ文学部しかない単科大学ですから、そりゃあやばいですよね。それも山の中に隔離されてるし。で、私みたいな勘違い野郎もたくさん輩出(?)しているんですが、中にはこうして歴史に残るような偉業をやってのける人もいたということで、ちょっと感動です。
しかし、本当にすごいわ。最初のうちは「オレも出てみるかな」なんて言いながら観てたんですけど、今はもう戦意喪失です。あれを見せられたら無理だ。
彼女が言ってました。ひねり出した言葉はダメだと。衝動的に生まれる言葉にこそ力がある。なるほど、そのとおりですね。私のように無責任に言葉をひねり出してばかりいるだけじゃあダメということで。反省いたします。
他の選手の皆さんもそれぞれ素晴らしかった。いろいろ書きたいけれど、しかし、生きた言葉の前に、私の死んだ言葉は出る幕なし。
ちなみにゲストで会場を盛り上げた浪曲師国本武春さんは、私の姉の芝居仲間だった方です。この方もすごいんですよね。いつか紹介してもらいたいな。
木村さんのブログ
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コメント
先生、こんばんは。
久しぶりに、また、随分前の記事にお邪魔します。
以前にこの記事を読み、私と同じ香川にこんなすごい人がいらっしゃったのかと関心をもっていたところ、3月末に『詩のボクシング香川大会』が行われるとのこと。出かけてみようかとHPを検索すると、大会スタッフに知人の名前を見つけたのです! その上、彼女も香川大会の優勝者であったことがわかりました。彼女からは全くそういった話を聞いた事がなかったので、本当に驚き、鳥肌が立ちました! これはもう、ご縁だと!!(勝手に...)
大会当日、木村さんにお会いすることができました。
木村さんは大会委員長であり、選手でもあったのでお忙しく、少ししかお話できなかったのですが、いきなり押し掛けて行った私にも丁寧に応対して下さいました。本当に素敵な女性でした。そして、この日は「言葉の力」についても、いろいろと考えることができました。
そうそう、その日、更新されたばかりの先生のブログを読んでから出掛けたのですが、その日の記事はフジファブリック『ペダル』でした...。
先生には本当に感謝しております。ありがとうございます。
投稿: 松原恵子 | 2011.03.28 19:50