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2006.11.24

『金曜山梨 真打ち競演』 (NHK甲府放送局)

Open 最近、お笑い芸人がやたらと美女をゲットしてますよね。基本的にはいいことです。やっとそういう時代が来たってことでしょう。決してイケメンとは言えない私としてはうれしいことです。顔より芸。できれば、25年くらい早くそういう時代が来ればよかったのに。あと、安倍さんね、どうもいかん。何度も書いてますが、政治家には演劇性が要求されます。お笑いでなくともいいから、とにかくお客さんを満足させられなくてはならない。はっきり言って芸がない。残念。予想以上に予想以下でしたね。
 さて、そういう意味で興味深いのはNHKであります。いろいろと問題を指摘されたりして、まあそれは「公」の宿命ですからまあ仕方ないんですが、そういった逆境から脱却するための方策が面白い。全く両極にある二つの路線をとっているように思われるんですよね。硬と軟というか、そうですねえ、思いっきり誠意を見せるのと、なんか壊れちゃってるのと。前者はフツーな対応です。後者はちょっと意外でした。今まで目くじら立ててた人も、なんとなく心配になる。私は性格上そういうものにワクワクしちゃう人であり、そう、教師としても真面目な生徒を壊して楽しむみたいなところがあってですねえ(ひどいよな)、行け行け〜!って感じなんですけど。
 今お休みしてますがサラリーマンNEOやポポラッチなんかは、そういうNHKの象徴的実験作でありましょう。マニアックなところで言いますと、「おはよう日本」5時台の真下貴アナなんか地味に最高っすね。
 さあ、それで今日のおススメはこれ!「金曜山梨」です。そう、私が出演した番組ですね。ふだんから硬軟とりまぜたなかなか面白い番組なんですが、今日のは非常にシュールだった。私もお世話になった佐川ディレクター担当だそうです。今日のタイトルは「真打ち競演」。基本は、先月公開録画された演芸舞台を放映したもので、江戸家小猫、晴乃ピーチク、東京ボーイズ、昭和のいる・こいる、といったそうそうたるベテラン芸人さんが登場。もうそれだけでもすごいですよね。
Usimaru で、ですねえ、びっくりしたのは、まずは番組の導入部分、甲府放送局の加藤成史アナウンサーによる謎のコントが…NEO的とも言えますが、またミスター・ビーン的とも言えます。この導入は秀逸でありました。そして、真打ちさんたちの至芸(いや、ホントにすごかった)の幕間にもですねえ、加藤アナによる寸劇が挟まってたんですよ。それも、ちゃんとその前の至芸からの流れに沿った内容のギャグなんですけど、なんともこれがシュールでして…。ベタと言えばベタ、意外に(失礼)作り込んであると言えば作り込んである。そのう、なんというか、至芸と寸劇のバロック的コントラストというか、まあ能と狂言の関係みたいなもんですかね、とにかくテレビとしてNHKとして金曜8時として非常に新しかった。反面、よく考えると古典的手法だったりして。いすれにせよ、正直ギリギリのところを行ってるなと。私はバカ受けしちゃいましたけど。
 こうした実験はいいことです。地方には地方なりの実験があるべきです。それにしても、か、加藤アナ…あなたは次期「おはよう日本」5時台担当ですわ。てか、あなたが正規のニュース番組で真面目にニュース読んでるの観ると、NEOの報道男を観てるのと同じで、つい笑っちゃうんですよ。
 ま、考えてみれば、この「金曜山梨」、いわゆる金八(金曜8時)という超ゴールデンに、微妙な30分枠で放送されていることもさることながら、とてもF1F2層を狙ったとは思えない内容で異彩を放っていますよね。NHKだからできる荒技です。民放で言えば深夜枠で展開されそうな、若手による実験的作品が堂々と金8に放送されているわけです。シュールだ。
 というわけで、私は最近のNHKが好きなんです。教育テレビも相変わらずすごいですしね。いろいろと文句を言う人も多い昨今ですが、そういう人は細部まで観ていない。私は楽しみにしていますからね。ぜひとも適度に壊れてください。壊れるのが当たり前となってしまった民放とは違い、ツンデレ萌え狙えますんで(笑)。

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