『自衛隊制服組の叛乱 ソビエト軍を撃滅せよ!』 (NNN ドキュメント’06)
昨夜というか今日の未明に放送されたものの録画を観ました。かなりの衝撃を受けましたねえ。え〜!?と同時にやっぱり…という感じ。
ミグ25が函館空港に強行着陸したというニュースは、記憶に鮮明に残っていました。30年前ですから、私は小学校6年生でしょうか。ただ、当時の私はもちろん、大人たちも、あるいは当時の政治家たちも、また函館以外の自衛隊員も、これほどの事態であったとは、きっと知らなかったでしょう。私は今日初めて知りました。番組中では海部元首相も「知らなかった」と言っていました。
軍事機密満載のミグをソ連軍が必ず奪還しに来る、あるいは破壊に来ると判断した函館の駐屯地では、連隊長の判断の下、独自の作戦が進行します。実際に武装し実質的な出動命令も出ていました。
その時の様子を語る当時の関係者の口からは、「突進」「阻止」「運命」「撃滅」「命をかけて戦う」「命令にこだわらない」「俺が先頭に立つ。俺たちが戦わずして誰が戦うのか」「ソビエト軍破砕」「日本のため」「生きて帰ってくるなんて思っていない」「国を守る使命」「命なんてどうでもいい」「任務達成」、こういった言葉が…。
もう現場では完全に戦争だったわけです。当時のニュースなどでは、このようなことは全く報道されていませんでしたね。なんか、自分の記憶にも鮮明である比較的近い過去に、こういう緊張感を持った瞬間があったんだということに、いまさらながらそれこそ緊張しました。
シビリアンコントロールって何なのでしょう。現場では文民の命令を待つ余裕はありません。安倍政権の考える防衛構想なんてものも、実際の有事にはほとんど意味をなさないでしょう。北朝鮮のミサイル攻撃のみならず、各種テロの危険も想定しなければならない現状で、いったい私たちはどのような覚悟をすべきなんでしょうね。いろいろ複雑な気持ちになってしまいました。
「叛乱」というのはちょっと語弊があるかもしれませんね。彼らは国を守るために戦おうとしたわけですから。アメリカに亡命を果たしたベレンコ中尉がやったことは「叛乱」ですけど。アメリカで幸せそうに暮らしているベレンコ中尉もインタビューに応じてました。彼こそ命がけで自由を勝ち取ったわけですが、その後のソ連崩壊、冷戦の終焉を、彼はどんな気持ちで見ていたのでしょう。
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