追悼(ショック!)実相寺昭雄さん
ああ、とうとうこの日が来てしまいました。敬愛する実相寺昭雄さんが昨夜お亡くなりになられました。69歳。若すぎます!
思えばウルトラQを観ていたころからですから、もうかれこれ40年も憧れの存在であったわけですね、私にとって。いや、ウルトラQの実相寺脚本は全部ボツだったような。たしかそう。いずれにせよ、ウルトラマン、ウルトラセブン世代としてもですねえ、特に印象に残っている作品と言えば、まっさきに実相寺さんのあれとかあれとかあれとかが思い出されます。子供心にも、そして大人心にも、しっかりと刻まれる作品を残される作家さんでした。ああ、もう彼の新作が観られないのか…残念すぎます。
昨年の今ごろでしたね、久々にウルトラマンシリーズを撮られたのは。私もこちらやこちらに記事を書きました。まるで子どものように喜んでいる自分がそこにいるではないですか。私の実相寺さんへの想いはそこに全て書き込まれています。ですから、ここでは繰り返しません。
御自分のスタイルというものを完全に持ち、どんなモチーフであろうと「実相寺カラー」に染めてしまう。その技法は対照的ですが、ある意味小津安二郎に似ているのかもしれない。小津が豆腐屋なら実相寺は…なんだろう、高級駄菓子屋ってところでしょうかね(?)。小津のパロディーはこちらやこちらのようにいくらでもできそうです。では、実相寺のパロディーはどうなんでしょう。影響を受けた後輩クリエーターたちはたくさんいますが、ただマネをしてもパロディーにさえなりにくいのではないでしょうか。あそこまで徹底してデフォルメする、フォルムもストーリーもキャラクターも変形するのは、案外難しいのではないでしょうか。実際、私もビデオ・カメラを初めて入手したころ、小津と実相寺をパロって勉強しようとしましたが、偽小津はできても偽実相寺はできなかった記憶があります。
ああ、それにしても、哀しい。もっともっと変なものを作ってほしかった。そう、彼の作るものは「モノ」であったのです。作品(コト)を制作する(カタル)という行為の結果が、なんと「モノ」であった。「モノ」を語って「コト」にするのが一般的な「物語」でありますが、彼は「モノ」という素材を語って、さらなる「モノ」を作り上げてしまった。そういう意味では、実相寺さんは特異な語り部であったのかもしれません。特に現代メディアという「コト」的性質の強い土俵の上で、それを成し遂げた。やはりとんでもない怪物、物の怪だったのです。
私はあなたを一生尊敬し続けます。あの世というあなたにふさわしいフィールドでの、さらなるご活躍をお祈り申し上げます。合掌。
今、「京都買います」を観ながら呑んでます。これが終わったら「無常」、そして「アリエッタ」…ぐすん。
追伸 さらに訃報が。ウルトラQやウルトラマンの音楽を担当された宮内国郎さんが、27日にお亡くなりになっていました…なんということでしょう。本当に私の中の「昭和」が終わったような気がします。いかん、今日は呑みます。
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