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2006.10.11

『リストランテ・パラディーゾ』 オノ・ナツメ (太田出版)

477832014x01_scmzzzzzzz_v51794956_ 腐女子生徒が貸してくれました。とは言え、これは全然BLではありません。あっBLってボーイズ・ラブってことです。私は知らなかったんですが、オノ・ナツメさんは同人系出身。Bassoという別名でBL系もしっかり書いていらっしゃるとのこと。はい、勉強になりました。
 これは「レストラン・パラダイス」ということですね。この前紹介した諸星大二郎さんの生命の木に出てくる「みんなぱらいそさいくだ!」の「ぱらいそ」はポルトガル語でしょうか。「天国」ということです。「天国食堂」というか、「食堂『天国』」なのかな。イタリア語よくわかりません。
 というわけで、これはイタリアのあるレストランを舞台としたマンガでした。パラパラっとめくってみて、まず独特の絵に惹かれましたね。好き嫌いははっきりするかもしれませんが、非常に個性的な絵であります。力強い線描とコントラストの強い明暗、私には版画チックに見えました。そういうこともあるでしょうし、舞台がイタリアという異世界であるのも要因でしょうが、本当に「天国」って感じですね。
 まあ、男の私にはまたーく理解できませんが、老眼鏡初老紳士萌え(?)の女子の皆さんには、それこそ「天国」なんでしょうねえ。イタリア紳士っていうだけで萌えなんでしょうか。異様に細身でね。指が長いし。
 やっぱり女性がこれを見て萌えるのは、ほとんど清少納言の「をかし」と同じ感覚ですね。いや、「をかし」よりより具体的な「なまめかし」かな。ちょっと枕草子のこの部分を読んでみましょう。こういうジェントルマンというのは、日本の文化で言えば貴族です。
 「なまめかしきもの ほそやかにきよげなる君達の直衣姿」
 「なまめかし」と言うのは、辞書的には色っぽいという意味ではなく、物静かで上品な感じだと言われていますが、「艶めかし」と書くように、イタリア紳士に感じられる「セクシーさ」に通じる部分があると思います。つまり、女性の目から見ての男の色気。やっぱり色っぽいってことか。「ほそやかに」はそのまま細みな感じ。スマート。「きよげなる」は端正ですっきりしている感じですかね。「君達」は「公達」と同じで若い貴族をさす言葉です。「直衣」は貴族の平服です。あんまりかしこまってない服。それでも貴族ですからね、いいものでしょうし、こだわりもあったでしょう。こんな感じですから、清少納言の嗜好は、イタリア紳士のコック姿に萌えるのとかなり似たものがあるんじゃないでしょうか。
 さて、私は女ではありません。だからこのイタリア紳士に残念ながら萌えませんでした。こういう男にはなれないな、とは思いましたけど。で、私は男ですので、どちらかというと主人公の女の子であるニコレッタが可愛いなと思いました。まあ典型的なマンガ的女の子キャラ…一生懸命で、恋に恋してて、ちょっと素直になれなくて、嫉妬心もちゃんとあって、積極的なところもある、親との微妙な関係…。男ってこういう女の子キャラにちょっと惚れるんですね。つまり女性の作家さんが考えて提供する女の子像、たぶんそれは女性にとっても理想的な(現実的でない)女の子なんでしょうね。
 というわけで、やはりフィクションの男とフィクションの女が繰り広げる物語を、リアルな男女が楽しんでいるわけですね。当たり前ですけど。やっぱり物語って現実逃避の手段なんですね(笑)。

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コメント

>腐女子

il||li _| ̄|○ il||li

もぅだめです・・・

勘弁してください・・・

投稿: ふる | 2006.10.13 02:47

ふる○んさん、おはようございます。
次の記事はさらにリアル腐女子系です。
ごめんなさい(笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.10.13 06:53

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