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2006.10.24

『さらい屋五葉』 オノ ナツメ (小学館)

409188326501_scmzzzzzzz_v60923301_ マンガネタ連投。生徒が貸してくれるのを一生懸命消費します。なにしろマンガ慣れしてないから、読むのに時間がかかるんで。フツーの本は速読できるのにね。謎です。たぶん、絵とかじっくり観ちゃうからだろうな。絵はじっくり観るものだという、ま、クセみたいなもんでしょう。
 で、先日はリストランテ・パラディーゾでイタリア紳士眼鏡萌え、クマとインテリではガチンコのBLを見せてくれたオノナツメさん(bassoさん)の江戸物です。
 それこそ各コマに見入ってしまいましたなあ。一見静的な絵柄ですしストーリーも平坦、情報量もそれほど豊富ではないんですけどね、たとえば同じ江戸物の安野モヨコのさくらんと比べると、視線というか視点がものすごく振れるんですね。それが奇妙なダイナミクスを生んでいます。つまり、超俯瞰かと思うと次のコマでは超小津になったり。これをして映画的とは言えないでしょう。これを映画でやったらやばいです。静止画だからこそできる手法でしょうかね。その点、松本大洋はまだつじつまがあります。
 だからちょっと、一瞬自分がどこから彼らを見てるか分からなくなる時があるんですよね。それでそのまますっ飛ばすのは気持ち悪いんで納得するまで凝視しちゃう。そんなわけで、読破に妙に時間がかかってしまいました。はたしてそれが作者の意図なのか、単なる私のトロさによるものなのか判然としません。なんとなくストーリーや登場人物に入り込めないんですが、でも、別にそれが不快ではありませんでしたね。そういう表現というのもありなのでしょうか。
 あと、クマテリを読んだ後だからでしょうかねえ、困ったことに私、いつになったらこの男二人はそういう関係になるんだろう、なんて期待しながらページを進めちゃったんですね。だから違うって。こっちはオノナツメさんだって。何回も自分に言い聞かせるんだけど、どうも政之助と弥一のキャラからして、えっとどっちが攻めでどっちが受けかなあ、なんてつい考えてしまっている。おいおい、もう完全に腐女子の発想じゃねえか!!しっかりしろ、オレ…。
 というわけで、ちょっと脳内脱線しましたが、誘拐のプロ集団に誘い込まれる気弱な浪人ということで言えば、昨日の根岸くんみたいな感じもありますね。自分のキャラとは違うことをやらざるをえなくなって、しかしそれでなくは喰っていけない。こうして、今も昔も日常の憂鬱の中で本当の自分が固成していくんだなあ。「自分探し(宝探し)の旅」に出なくて正解ってことでしょう。. 
 まだ1巻しか読んでいませんから、政之助くん、全然成長してません。頑張れ政之助くん!今後どう変っていくのか楽しみです。
 ああ、そうそう、江戸語を専門に勉強した私としては、あまりにお粗末な言葉遣いにあきれてしまいましたが、まあ、それもまたマンガという世界のマンガ性の一部として許しちゃうことにしましょう。なにしろマンガの為には架空の穴まで作っちゃうんですからね。そういうところにツッコミを入れる(笑)のはそれこそ野暮ってもんだぜ。

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