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2006.10.19

エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO) 『フェイス・ザ・ミュージック』

Electric Light Orchestra 『FACE THE MUSIC』
B000glkn5k01_scmzzzzzzz_v39440701_ 私の音楽的基礎の40%くらいを占めるELO。なのにこのアルバムなんてもう10年くらいまともに聴いていませんでした。理由は単純でLPしか持っていないからです。そして、先日も書きましたようにレコードプレイヤーを直したり、買い替えたりする根性がなかったからですね(ってホントにファンなのか?)。そういう感じで聴いてない名盤がごっそりありまして、そろそろうずうずしてきたので何とかしようと思ってます(あと何年かかるか…)。
 ELOで、このアルバムだけCDを持っていなかったのには理由があります。以前CD化された時に、イントロやインタールードがどういうわけかカットされてしまっていたからです。ELOにとってそれらはとても重要な表現なのに…。どういうわけでそういうことが起きてしまったのか、詳しくはわかりませんが、とにかく先に買った友人が泣いていた(怒っていた)のを見て、買うのを控えていたのでした(その後クレームがあったのか修正されていたようですが)。
 で、最近、紙ジャケット仕様のCDシリーズがリリースされましたので、今度はどうだろうと様子をうかがっていたところ(最近はネットがありますからね)、しっかり入っているというので(当然と言えば当然)遅ればせながら購入いたしました。さあ、10年ぶりに聴くFTMは…。
 まず、音質の良さにびっくり。リマスターなわけですが、ここまで鮮明だと、10年前まで聞こえていなかった(聴いていなかった)音がわんさか聞こえてきます。特に職業柄(?)ついつい聴いてしまうストリングスの中音域ですね。ヴィオラ・パートとか(マニアックすぎ)。ありゃりゃ、こんなアレンジだったのかあ。うまい!って感じの箇所がいくつもありました。特にボーナス・トラックの一つWaterfallはヴォーカルがないおかげで、本当にいろいろな発見がありました。
 これは単純に音が良くなったというだけでなく、たぶん私の音楽演奏経験にも関係することなんでしょう。ま、年の功ってことでしょうか。10年間聴いてなかったおかげで、そこんとこが明確になったのかな。自分にとって作品が成長するということは、こういうことなんでしょうか。ある部分が聞こえると全体が全く違ったものに感じられる。面白いですね。
 バロックなんてやってると、ホントそういう感じなんですね。とにかく演奏することによって作品への理解が数倍にもなる。歌謡曲バンドでもそうでしたね。ELOは演奏したことはありませんが、作り手の立場に立てるようになると、魅力は倍増です。特に彼らはよく作り込まれてますからね。いろいろ発見があります。その点、ある意味一番有名なEvil Womanは、6分で作ったというだけのことはあって、何度聴いてもそれなりの楽曲であります。
 それにしてもこのアルバム、あらためて聴いてみますと、本当にヴァラエティーに富んでますね。そういう意味では全体としてはやはりプログレなのかなって思いました。いろいろな系譜の上にある音楽ではありますが、結果としてものすごく個性的。実際、似た音楽というのは当時(も今も)ないと思います。このアルバムの後しばらくは、唯一の存在でありながら商業的という、とっても難しいことを彼らは成し遂げたんですね。
 そういう彼ららしさというのは、もちろんジェフ・リンのソング・ライティングの能力による部分が大きいのでしょうが、こうして少し距離をおいて冷静に聴いてみますと、ルイス・クラークとリチャード・タンディーのアレンジ力というのがいかに重要だったか分かる気がします。三者のコラボレーションこそがELOの音楽そのものだったのかもしれませんね。
 長くなりますがついでに。改めて感じたこと。ベヴ・ベヴァンのドラムス。なんでこんなにどら息子なんでしょう。いや、ほめてるんですよ。これもまた唯一無二の音ですよ。和太鼓みたいじゃないですか。たしかに彼特製のスティックは太かった。しかし、だからと言ってここまでドタバタしなくてもいいんじゃないですか(笑)。とにかくリズムが後のめりです。普通ロックのドラムは前のめりになりがちなんですけどね。ここまで後ろ髪引かれると逆に快感ですね。個性的です。音もリズムも絶対に打ち込みでは再現できません!それから、なんかアナログ・シンセの美しい音に涙が出そうになりました。いいなあ、アナログ。
 ところでこの限定盤紙ジャケット仕様いいですねえ。中袋までリアルに付いてますし、とにかく日本人大好きなリアル・ミニチュアでして、かなり萌えです。ほかも全部買いたくなっちゃいました。いい音でいろいろ再発見したいですしね。しかし、こうして何十年も聴き続けれる音楽があるってことは幸せですね。ありがとうELO!

Amazon フェイス・ザ・ミュージック(紙ジャケット仕様)

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音楽」カテゴリの記事

コメント

こんにちは
いつも楽しく拝見しています。

今、ELOを聴きながら書き込みをしています。10月19日の記事に触発されて、さっそくアマゾンで購入した次第です。
私は楽器をやらないので、何も情報がなくこれを聴いたなら、ELOの本当の良さをわかっていなかったと思います。

こうして思い入れたっぷりに(笑)書いていただくと、少しは私もその思いを共有できたかなと、一人にんまりしております。

ところで、そのELOと一緒にリチャード・ボナというベーシストのCDを買ったのですが、これってどこかで紹介されてましたっけ?どうして自分がこれを買ったのか、自分でもよくわかっていないのです(笑)

もちろん、もうこのアーティスト、ご存知でしたら言うまでもないことですが、すごくいいです!ジャコ・パストリアスを敬愛しているようですね。

いつもすばらしいアーティストを紹介していただいて感謝しております。

ではまた。

投稿: toshi | 2006.10.27 10:32

toshiさん、おひさしぶりです。
コメントありがとうございました。

ELOもやっぱりすごいですね。ものすごいクオリティーの高さですよね。
こうして自分も、みなさんに紹介するためにいろいろな音楽を改めて聴いてます。
レビュー書かなきゃって思えば、一生懸命聴きますしね。
とっても楽しくやってますよ。

あれ?ボナは紹介してないと思います。
CD持ってないしなあ。
どこかのジャズフェスかなんかの映像を観たことがありますが。
その時はものすごいグルーヴ感で、うまいなあ!って思った記憶があります。
今度アルバムも聴いてみますね。

ではでは。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.10.27 13:15

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» Face The Music by The Electric Light Orchestra [Junk In The Box / Paradise Garden]
このWaterfall (inst)は美しすぎます  今月発売のリマスター盤2枚目です。やはり日本盤は未入手なので、EU盤についてです。 Buy From Amazon:フェイス・ザ・ミュージック(紙ジャケット仕様) (CD; 日本盤) Buy From Amazon:Face the Music (US盤)  やはり細かいことは省略します。オリジナルアルバムに入っていた8曲に加え、ボーナストラックが4曲です。もしもLPをお持ちでなく、日本盤でしかこのアルバムを聴いたことがない人にご注意いたしま... [続きを読む]

受信: 2006.10.20 23:07

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