『デトロイト・メタル・シティ』 若杉公徳 (白泉社)
もえたんの教え子、すなわちウチのバンドのギタリストくんが貸してくれました。
これは大いに笑えるけれど、けっこう辛いマンガですねえ。なんかリアルに哀しくなってしまいました。しかし…。
本当は親思いでスウェディッシュ・ポップをやりたい根岸崇一くんが、ひょんなことからデス・メタルの「デトロイト・メタル・シティ」のヴォーカルを担当することになり、「昨日は母さん犯したぜ 明日は父さんほってやる!」と歌わなければならない状況になります。本来の自分との乖離は進むばかり。路上でやりたい音楽をやっても、誰も振り向いてくれず、本来やりたくないデスメでは大人気に…。
マンガですんで、癒し系の方もファック系の方も、かなり極端な歌詞やアクションになっており、そのコントラストがかなり笑えてしまいます。また、基本的にヘタウマというか脱力系の画風なので、そちらの面でのミスマッチも面白い。
最初のうちは腹を抱えて笑ってたんですけど、これってある意味リアルだと思った途端、なんか哀しくなっちゃったんですよね。どれほどのミュージシャンが少なからずこうした矛盾を抱えていることか。もちろん、これほどのギャップを抱えている人はそうそういないと思いますけど、かなり象徴的なのではないかと…。
「やりたい」と「売れる」の関係というのは、古今東西あらゆる職種において、案外に残酷なものです。そこに悩み、自分探しの旅に出ちゃう人も多い(笑)。
でもですねえ、やはり、人間って「想定外」なことに直面している時こそ成長するんですよ!だから、クラウザーⅡ世、いや、大分県は鮎の町犬飼町出身の根岸崇一くんよ!現状に甘んじて(?)そのまま頑張ってくれ!!だいいち、結構スイッチが入るとノリノリじゃん?!つまり、君の中に、実はクラウザーが存在してるんだよ。人間は天使ではありません。悪魔の自分もいるんです。私はあなたにプロ根性すら感じますよ。立派です。きっと、あなたは本当のミュージシャンになれる素質があるんです。今はまさに修行の時。癒しだけでは世界は救えません!世界を、自分を壊すくらいの愛情を持って、人々を感化していってください!本当のいい人は悪魔にさえも魂を売ります。
そういう私は、音楽に関しても仕事に関しても、ホント好きなことばっかりやらせてもらって、いやなことはテキトーにこなして、こんなんじゃ世界は救えませんね。なんて、オレに救ってもらいたいヤツはいないか(笑)。
てなわけで、今後の展開、根岸くんの成長ぶりにも期待しましょう。2巻がもうすぐ発売です。あっ、私はドラムのカミュ、いや西田照道の人生が気になる…。
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