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2006.09.02

「一期一会 キミにききたい!…都会と田舎の話@秋田」(NHK教育)

Image8643 「秋田の和楽器奏者」って番組表にあったので、なんとなく録画して観てみたのですが、予想以上に面白かった。ホントNHKって地味にいい番組作りますね。若者向け番組も面白いものが多い。
 秋田出身のカミさんと観ながら、二人で感動して涙ボロボロ。若者にいろいろ学びました。
 企画としては、憧れの東京に出てきた田舎(秋田)大嫌いな女性が、田舎の人に会って都会の素晴らしさを伝えよう、というのが本来の趣旨です。番組ホームページにはこのようにあります。
「私は田舎が大嫌い。田舎に住む多くの人は、保守的で活気がないように見える。その点、都会に住む人は皆、仕事も遊びもエネルギッシュに取り組んで、活気に満ちているように見える。田舎でしか暮らしたことのない同世代に言いたい。閉鎖的な田舎に住んで満足していないで、刺激に満ちた街、都会に住んで視野を広げるべきだ」
 彼女に会って話す相手としてNHKが選んだ田舎人は、秋田から出て暮らしたことのないある青年でした…再び番組ホームページから借用します。
「イチゴさんが向かうことになったのは、なんと出身地の秋田。そこで、秋田の田舎をこよなく愛するイチエくんと出会い、見慣れた退屈な風景へ。そこで田舎の魅力を力説されるが、ピンと来ない。やっぱり田舎よりも都会?展開はどうなる?!」
 その彼が素晴らしかったんですよ。吉村陽介くん。若いのに偉いねえ。彼は地元で「安藤兄弟」として活動する笛奏者だったのです。彼の朴訥な(いかにも秋田の男らしい)語りと、それと対照的な熱い演奏姿が、彼女の、そして私たち視聴者の心を少しずつ動かしていきます。そして最後は…はっきり言って吉村くんの完勝ですね。ある意味彼女返り討ちにあいます。ちょっとしたドラマよりもずっと説得力のあるドラマが展開されました。
 彼の言葉、一つ一つが私の心にも強く響きました。特に「田舎=モノ」「都会=コト」として考えている私にとって、まあある意味言い古されているのかもしれませんが、彼の「(田舎では)遊びを自分で作る」という言葉はドスンと来ました。たしかにカミさんも子ども時代を思い出してよくそう言っていますが、こうして番組の中でコントラストを強くして語られると、再びドスンと来るんですね。
 この前ちょうど書いたばかりですけど、多義的で、つまり何でもなく、何にでもなりうる「モノ」的な世界に、どうやって自分で意味付けしていくかという体験が、「都会(脳化社会・コト化社会)」では希薄になっているんです。何でも提供される、それも商業的な思惑によって作られた大量の「騙り」ばかり。そこに魅力を感じるのもわかりますよ。そういう部分も人間にはあると思いますからね。
 私はほとんど生まれから14年間ほど高度成長期の東京で育ちました。その後縁あって山梨に来ることになり、そこで「田舎=モノ」の魅力にとりつかれました。ある意味、自分のベースに「都会=コト」しかなかったからかもしれませんね。そしてまた、縁あって秋田の山奥の女と結婚することになり、さらなるモノ的世界を体験させられました。はっきり言って革命的なパラダイム・シフトが起きましたよ、自分の中で。
 そして今、富士山に住んでいます。その意味はまた多重的です。ここは別荘地ですから、田舎と都会の微妙な狭間なんですね。環境としてはけっこうモノですけれど、例えば人付き合いはコト的な部分も多い。また、田舎と言っても、東京まで90分というロケーションです。正直東京まで180分だったら住まなかったかもしれません。
 そんなふうな来歴を持つ私ですから、この番組での二人の若者の対話は、実によくわかりました。双方の気持ちとも理解できたわけです。そして、やはり最後は「モノ」が勝利したという結末にも、なんとなく安心したのでした。
 それにしても、吉村(安藤)陽介くん、素晴らしかった。彼の演奏も素晴らしかったし(いや、まじでかなりうまい)、彼の信念というか、感性というか、人間性でしょうかね、そこに心動かされました。今度、ぜひ生で彼の笛を聴いてみたいと思いました。
 まさに、私にとっても「一期一会」と言える番組でした。感謝。

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コメント

 こんばんわ。初めて、このブログを見ました。安藤兄弟のファンなのですが、この番組は見逃してしまいました。すごく、感動できる番組だと思います。もし、よければ、そのビデオをネットに動画として出していただけないでしょうか?それか、ビデオを譲っていただけないでしょうか?誠に勝手なお願いですが・・・。よろしくお願いします。

投稿: miki | 2007.09.20 21:58

mikiさん、こんばんは。
この番組、とっても良かったですよ。
安藤くんもかっこよかった。
ええと、著作権などいろいろと問題がありますので、
のちほど確認の上、メールにて連絡申し上げます。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.09.20 22:15

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