ヒッチハイク
昨日から今日にかけては、ものすごく厳しいスケジュールでした。まず昨日はレミオロメンの興奮と疲れが残る中、午前中八王子へ移動。所属するカメラータ・ムジカーレの秋のコンサートへ向けての練習です。クマムシ?!の忠さんとも一緒にテレマンやらラモーやらを練習。
その後、カミさんと子どもを連れて秋田へ…の予定だったんですが、私は急遽仕事が入ってしまい、今日の午後には山梨に戻らねばならなくなってしまいました。で、せっかく八王子に来てるんだから、ということで(?)、新潟までは彼女たちを送っていくことにしました。今日の朝8時33分発の「いなほ1号」に乗せるためです。いいなあ、いなほ。日本海沿いを走る、いい特急です。
で、ほとんど徹夜で(家族は熟睡ですが)トロトロと下の道を走りまして、7時ごろ新潟市内に入りました。で、国道を走っていたら、ある所で、「のせて」と書いてあるボードを持った外人さんが立ってたんですよ。ああ、ヒッチハイクか、と思いましたが、残念ながらウチの車は満席でしたので、とりあえずやりすごしちゃったんですね。
その後、無事新潟駅で家族をリリースしまして、さて山梨に帰ろうかと車を走らせ始めましたが、どうも眠いんです。ほとんど寝てないんで。疲れてるし。これはまずい。絶対高速で寝る。つまり死ぬかもしれない。どうしよう。眠れない状況を作るしかない。そうだ、あの外人さんを乗せよう!
まったく妙な発想ですが、「のせて JOETSU方面」って書いてあったのを思い出しまして、まあそっち方面に行くわけだし、もし戻ってみてまだ立っていたら乗せてあげようって思ったんです。そういう自分にとって苦手な状況を作れば眠くならないだろうって。
半分いることを、そして半分いないことを願いつつ、来た道を戻ってみましたところ、見事にいらっしゃいました。さっそくUターンして近くに車を止め、交渉成立。彼を助手席に乗せることになりました。
聞いてみると、実は松本に行きたいとのこと。まさに今から通るところじゃないですか!ますますラッキー(お互い)ということで、レッツゴーということになりました。彼はオーストラリアのニューキャッスルから来た21歳の青年で、なんでも長野の果樹農家に農業の勉強に来ているとのこと。そういうエクスチェンジ・システムがあるそうで、今年5月に日本に初めて来て、1年ほど滞在の予定だそうです。
ありがたいことに(今回はね)、ほとんど日本語はできません。これはもう眠くなってる場合じゃないっす。私はそれほど英語が得意ではありませんけど、英語で話すのは好きな方です。結局まるまる4時間、いろいろと語り合いました。
日豪の農業事情やら、地名の名づけ、音楽のことなど、いろいろと面白かった。彼も非常に日本語や日本の文化について興味を持っており、周囲の標識やナビに現れる地名などについて、いろいろと質問してきます。あらためて地名の語源について説明しようとすると、けっこう難しいものです。特に漢字が当て字である可能性が高いものについての説明には苦労しましたね。でも、面白かった。英語に変換することによって、私の頭も活性化するのか、自分でも新しい発見がありましたよ。
特に興味深かったのは、日本の地名や人名が自然の要素を基に名づけられているということ。一方、オーストラリアは、イギリスの地名にちなんだり(ニューキャッスルもそうですな)、人名は職業と聖書だったり、まあそんなことは当たり前と言えば当たり前で、たとえばこちらにも書かれていたことですけど、実際英語圏の方とそういう話をする機会を得られたのは幸運なことでした。サンクス。
で、彼の名前は…ありゃあ、忘れちゃった。なんでも珍しいファミリーネームで、ご自分でも語源がわからないとか。英語じゃないんじゃないかなあって言ってました。スペルも教わったのに不覚にも忘れてしまった!なんということだ。だいたい松本駅で別れる時に、記念写真を撮ろうとデジカメを取り出したら、なんとカードが入ってないじゃないですかあ!ダメダメだ。ま、妖しい名刺を渡しときましたので、もしかすると今後も縁があるかもしれません。
ああ、そうだ面白かったのは、あのMACH PELICANを知っていたんです!彼はパンクが好きだそうで、曲は思い出せないが、名前は知っていると言っていました。う〜む、やるなマッペリ。というか、不思議な縁ですねえ。
昨日も書きましたけど、こういう想定外、つまり「コト」に混入する「モノ」っていうのは実に面白い。やっぱり「もののあはれ」ですね。今後もたくさんの想定外を求めて、積極的に生きていこうと思いました。一期一会を大切にね。
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コメント
どもども初めてコメントさせてもらってます。
いやー、いつも覗かせてはもらってるんですが
なかなか内容が高度、そしてどれも深く掘って
あって、気軽に一言が今まで出来ませんでした。
ともあれドライブお疲れ様でした。
4時間の異文化交流はなかなか大変でしょう。
オレもここメルボルンでいまだに英語の壁に
よじ登ってますよ。日本語でもそうだけど
言葉の選び方って難しいっすね。
来週に控えてる30分間の英語のプレゼン、
これが今の悩みの種です、、
来月から始まる楽団のツアーでニューキャッスル
行きますよ。他の都市と比べて小っちゃな町だけど
歴史が興味深い趣のある良い街です。
何だか毎日無理してるみたいだけど、
体壊さないようにして下さいねー。
投稿: アツシ | 2006.08.15 13:20
ワ〜オ、マッペリのアツシくんから直々にコメントが。
30分のプレゼンin Englishかあ。
考えられんな。
でも、たまに英語でしゃべると違う自分に出会えて、なんか楽しいね。
メチャクチャな英語だけどさあ。
ツアーこそ体力勝負だよな。
頑張れよ!
いや、オレなんか、たまにライヴとかコンサートやるだけで、もうグッタリだもん。
学園祭の出し物とかでも(笑)。
プロのミュージシャンってエライよなあ。
まじで、やってみてわかるね。
特にパンクは体力いるもんなあ。
本場で生で聞いてみたいなあ。
いつか実現させるぞ〜!
では,みなさんによろしく。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.08.15 13:36
松本ですと??
そういうことは早く言ってもらわなきゃ。。
某理科教師から話が出てるであろう受験生にハッタリかましてもらえたのに。。(マテコラ
投稿: たこたよ | 2006.08.16 03:19
ああ、そう言えばそうか!
地元も地元ですな。
全然関係ないけど、松本と言えば、
某理科教師と研修に行ったっけ。
そこで発表したんだけど、それがまた歴史に残るハッタリだった。
私にとって松本はハッタリの聖地ですぞ。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.08.16 05:45