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2006.08.22

『美しい国へ』 安倍晋三 (文春新書)

416660524001_scmzzzzzzz_v60919848_ いいんじゃないですか。わかりやすくて。賛否両論出るのは食いつきやすいからで、なんとなく玉虫色でとらえどころがないよりも、演劇的な方がいいと思うんです。だから、小泉さんも基本的には好きですし、安倍さんも、ちょっと個性派とは言えませんが、まあお子ちゃま向けのわかりやすい芝居で楽しませてくれそうです。
 この本なんか、ホントお子ちゃま向けで、よってワタクシも簡単に理解できました。理解できましたので、ここは賛成だけどここは反対だよなって思えるんですね。
 政治というのは、ある種の演劇性を帯びたものです。当たり前ですよね。国民全員がお客さんですからね。それも、自分のファンだけでなく敵も常に客席にいるわけです。それで、民主主義ですから、いちおう多数決なわけです。そうすると、いかにみんなにこっちを向いてもらえるか、そして最後には「楽しかった」と思わせなきゃいけない。
 不謹慎だと言われるのを承知であえて「楽しい」と書きます。「楽しい」という感情というのはとても崇高なものだと思うからです。だから「楽しい○○」というのは、どんな分野においてもとても重要なことだといつも考えています。
 「楽しい音楽」「楽しい学校」「楽しい人生」「楽しい生活」「楽しい人間関係」「楽しい国」…これは究極だと思うんですよ。たとえば「貧しくとも楽しい生活」とか、「大変だったけど今となっては楽しい思い出」とか、そういうのもありです。政治家もそこを目指すべきだと私は思ってるんです。教師もね。
 だから、政治家にもそういう方向に全体を持っていく能力が必要だと思うんです。私はそういう意味で小泉さんを評価しています。靖国も郵政も女系天皇も、とにかく彼のおかげで大激論になった。で、終わってみれば、まあなんとなくみんな納得だったりするわけで、つまり「祭」なんですね。お祭りでワッショイワッショイしたい。なんだかいろいろケンカみたいなこともあったけど、ワッショイしたらすっきりした。政治家って、そういう方向に持っていくディレクター的な存在であるべきだと思うんです。だって政治って「まつりごと」ですから。
 ディテールの問題は絶対に解決しない。100%の国民が納得する政策なんてありやしない。それが100%保証されているのが政治の本質です。そういうファクトとしては絶対無理なことを、いかに演出して「楽しい」結果に導いていくか、効果的なフィクションを創出していくか、それこそが政治家に必要な能力です。
 まさに、混沌として解決不可能な「モノ」を「マツリ」によって「コト」化していく。「マツリゴト」とは、やはり「モノガタリ」的性質をもっているのでした。だから劇場でけっこうです。
 と、なんか話しがそれちゃいましたけど、え〜と、この本ですね。ま、これから始まるであろう「安倍劇場」の前宣伝としては、なかなかよく出来ていると思います。ちょっと観てみたいな、と思わせるに十分な「軽さ」があると思いました。どうせじゃ、「美しい国へ」じゃなくて「楽しい国へ」っていうタイトルにすりゃあいいのに。「美しい」だと「美しくない」モノは排除でしょ。それはダメです。「楽しくない」は「楽しい」に転換できますんで安心ですよ。
 てか、私が書きましょうか?「楽しい国へ」

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