馬刺し&雪月花(純米吟醸)
馬肉を食する習慣は、どちらかという縄文のものではないでしょうか。騎馬民族を主とする弥生人は馬を食料にしようなどと思いません。犬は食べますが。
それで、ここ富士北麓地方はですねえ、面白いことに馬も犬も食べるんですよ。縄文と弥生が混在してるんですね。それは食文化のみならず他の面でもいろいろと確認できます。あっ、ちなみに犬食は昭和40年代までで、今はほとんどないと思います。たぶん。
一方馬食は今でもさかんです。このあたりの名物の一つとも言えましょう。で、このへんではおいしい馬刺しが手に入るんです。村に一件ある肉屋さんで売っている馬刺し、もうこれを食べたら他は食べられません。全国のスーパーで売ってるようなのは、あれは全然ホンモノじゃない。どうせモンゴルか東欧かどっかのお馬さんの肉を冷凍して運んできたものでしょう。色も風味も食感も全然ダメダメですね。
この肉屋さん、馬肉以外にもいい肉を常時取りそろえており、この季節は、別荘に来ている芸能人たちも好んで通っているとのウワサです。で、今日は両親が来ていることもあって、カミさんが馬刺しの赤身を買ってきました。これがうまいのなんのって。まずは色が美しい。輝くような赤です。写真では全然再現されてませんが、ほんときれいですよ。そして食感。なんすか、これ。プリプリしてます。歯触りも柔らかく、スーパーものにありがちな硬さや噛み切りにくさとは無縁です。味もなんというか、ほんのりした甘みすら感じるまろやかさ。魚の刺し身よりもさらにさっぱりした上品な味わい。おろしにんにくと醤油でいただきましたが、何もつけないのもよろしい。口の中でゆっくりかみしめて、舌の上でとかしながら食すと絶品です。
さて、こういう食材には、おいしい日本酒が合いますね。今日はカミさんの実家からいただいてきた、両関の純米吟醸「雪月花」です。これがまた、うまかったのなんのって。吟醸ですが、比較的香りは抑えられており、そのかわりと言ってはなんですが、ほんのりとした甘みが口から鼻の奥にひろがります。秋田のお酒は全体に昔の日本酒の味を残していると思います。比較的フルーティーなさっぱりした日本酒が好まれる現代において、あの「米汁」の味は、ある意味貴重になってしまいましたね。お米をかんでいて生じるあの甘さに似た感じです。
ちょっと余談になりますが、日本酒というのは弥生がもたらした稲作が産んだものと考えられていますよね。ただ、東北地方では稲作は、いわゆる弥生時代以前にも行われていたことがわかっています。ここ富士北麓に伝わる(トンデモ系)古文書にも、太古に酒を醸した記述が残っています。もしかすると、縄文人たちも馬刺しを食べながら米の酒を呑んだかもしれないな、なんて考えながらいただきました。ああ、うまかった。
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