『クマムシ?! 小さな怪物』 鈴木忠 (岩波科学ライブラリー)
これは超おススメです!身内びいきじゃなくて、ホントに面白いから。とにかく読んでみましょう!
クマムシ、皆さんご存知ですか?この本の表紙にはこうあります。
「乾燥すると樽型に変身!真空、高温、高圧、放射線にも耐え、レンジでチンしても平気。120年間水なしでも生き続ける生物がいる−? それは体長1mm以下の微小な生物・クマムシ」
私はこちらへんないきもので知りました。その後、鈴木さんがクマムシの研究をされていることを御本人からうかがいました。てっきりコオロギの研究してるんだと思ってた。
そう、鈴木忠さんと私のつきあいはとっても長いんですよ。ぼちぼち20年くらいになるんじゃないですか?もちろん「虫」関係ではありません。「音楽」関係です。それもバロック音楽ですね。まあ、お互い「バロックの虫」とも言えますが。鈴木さん…というかチュウさん(あっ、本当は「あつし」さんです)は、バロック・ファゴットの名手でもあるのでした。同じ音楽院に通っていたこともあって、本当に何度も共演してきました。そうそう、この秋にも一緒にやります。
で、話を戻します。クマムシです。ほとんど伝説の虫として語られてきたクマムシについて、初めて一般向けに解説してくれたのがこの本です。学術的、歴史的なことをふまえながら、実際に採集し飼育して、伝説が事実なのかを確認し、また新しい発見をしていく過程が生き生きと描かれているので、本当に楽しい。そして、なんといっても、クマムシちゃんたちがカワイイ。萌えます。最強のくせにカワイイ。ん?もしかしてクマムシはツンデレか!?(笑)
あとですねえ、この本が楽しいのは、チュウさんの文章ですよ。これは絶品です。へたすると小難しい学術書に陥る可能性もあったのに、なんですかこの面白さは。1ページごと大笑いです。向かいに座っている理科の先生も、笑いすぎて呼吸困難になってましたよ。いつも言っている通り、本当の教養とは、こうして表現されるべきものなのです。さすがチュウさん!
実はですえ、この本、クマムシの最強かつカワイイ姿を紹介しつつ、鈴木虫…ではなくて鈴木忠の生態をも表現してしまっているのでした。伝説のヒト、鈴木忠です。いやいや、本当にそういうヒトなんです。私が彼の生態をよく知っているからというのもありますが、そうでない方が読んでも、鈴木忠の最強ぶりや可愛さがわかっちゃうと思いますよ。そうしてみると、なんかチュウさんがクマムシに似てるような気もしてきます。
チュウさん、クマムシに恋してるんですね。あのくらい愛情がないと研究というのはできないのかもしれません。ある意味科学は常に客観性を求められていると思っていましたが、どうもそうではないようです。たしかにこれまでの科学の大発見は、対象へのとんでもない愛情が生んだとも言えますね。こちらの主観の強さに、相手がついつい気圧されて、正体を現すものなのかもしれません。ああ、それは科学に限らずか…。
とにかく久しぶりに楽しい本を読んだ。ドキドキ、ワクワク、ガハハハ、う〜む、なるほど〜、へぇ〜。ますますクマムシとチュウさんが好きになりましたよ。チュウさん、あさって練習で会いましょう。楽しみにしてます。
こちら岩波書店の特設ページでクマムシちゃんの動画が見られますよ!(あのクマムシぬいぐるみほしい!)
Amazon クマムシ?!
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