『若返りの秘訣は「腹七分」』 橋本浩明 (日経P企画)
カロリー制限の科学と知恵
カロリー制限が唯一の老化防止法であることは、もう世界の常識です。カロリー制限が、ガンや心臓疾患、脳梗塞、その他の成人病を予防する、アルツハイマーの発症率を下げる、骨粗鬆症の進行を遅らせる…世界中からいろいろな研究報告がなされています。
この本は、そうした内外の研究成果をまとめたもので、「腹七分」とはつまり30%のカロリー制限を意味するものです。ま、厳密に言えば「若返り」はないとしても、老化の進行が緩やかになることで、結果として「若い」期間が長くなり、健康寿命も伸びるというわけですね。
私はもう2年以上一日一食生活を送っています。その効果については、以前書いた通りでして、現在も非常に健康的かつ活動的な毎日を送っております。体が健康で身軽ですので、心も自然アクティヴになっているような気がします。家族はもちろん、いろいろな人に「楽しそうだね」って言われますよ。本当に人生がガラッと変わりました。
考えてみれば、現代の日本人が苦しむ疾病のほとんどは、戦後我々が豊かになり、食べたいものを食べたい時に食べるようになってから急増しています。1日3食しっかり食べなければ不健康だという、なかば脅しのような神話がまことしやかに語られるようになって、そろそろ60年です。
そろそろそういった根拠のない「騙り」に疑問を持たねばならない時期なんじゃないでしょうか。戦後寿命が延びてきた原因は、食べたいものが食べられるようになったからというよりも、医療の発達によって、乳幼児の死亡率が下がり、また「生かされる」老人が増えたからじゃないでしょうか。
この本には、いろいろなデータが列挙されています。それらがほとんど同じような内容で、さらには結果のみで、その科学的根拠があまり示されていません。そのあたりは、まあ「神話」とおんなじ感じなんですけれど、私の場合は現在身をもって体験していることなので、その「神話」にも実感が伴います。逆に、自分以外の自分と同様の事例を示されることによって、その実感に対する自信というか、信頼のようなものが増してきますね。
人間の本能にはいろいろとありますが、そのうち、現在明らかに過剰に満たされているのは「食欲」でしょう。その状態を他の本能にあてはめてみれば、なんとなくその不健康性がわかるというものです。しかし、一度満たされすぎてしまったものを、再び本来のレベルまで下げるのは至難の業です。特に社会がそうしたものを過剰提供している現代日本においては。
だから、私も一日一食にしたのです。こういう状況の中においては、最も手っ取り早く、最も効果的な「腹七分」ですので。決してそれが正しいあり方ではないということは分かっています。しかし、そこから始めるしかないのが現状ですし、一日三食以上を食べざるを得ない普通の生活よりは、ずっと健康的だと思っています。実際、超健康になりましたしね。
というわけでして、私のようにドラスティックに、またドラマティックに人生の転換を図りたい方は、まずは食生活から変えてみましょう。難しいカロリー計算とか、栄養バランスとか、あんまり考えなくていいみたいですよ。最初の2週間だけ我慢しましょう。この本にも書かれていますけれど、転換期には不定愁訴の症状が現れます(私はありませんでしたけど)。そこで、「やっぱり不健康だ」と思って元に戻すか、それとも「おっ、体が悲鳴を上げて変わりつつある」と思うか、そこが運命の分かれ道です。
どちらの「神話」を信じるか、それは皆さんの自由です。ま、どっちの宗教を信じるか、みたいなもんでしょうかね。私は2年前に宗旨替えしたわけです。
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