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2006.08.13

「イッセー尾形の たった二人の人生ドラマ」 NHK福岡放送局

 旅先の車中で観ました。楽しみにしていた番組です。一人芝居の世界的権威イッセー尾形さんが、3人の役者さん一人ずつと、博多の屋台を舞台に完全なアドリブで二人芝居を演ずるものです。
 これはプロレスですね。リングとルールのあるアドリブです。リングは屋台です。そして、ルールは芝居のルール。
 プロレスは勝敗だけでははかれない深い世界ですけれども、いちおう今回の試合も勝敗を書くなら、次のようになるでしょう。
 ○イッセー尾形(ゴー・トゥ・スリープから体固め)大泉洋×
  イッセー尾形(時間切れ引き分け)小松政夫
 ×イッセー尾形(反則)石田ゆり子○
 こんな感じで、1勝1敗1引き分けというところが、すでにイッセーさんの天才レスラーたるところです。
Rr1 第1試合は完全にイッセーさんペース。大泉さんもなかなか器用な役者さんだと認識していますが、今回はちょっときつかった。イッセーさんが繰り出す意外な技の連続に、それをケガをしないように受けるの精一杯で、自らの技を出すのを忘れている。つまりセリフを考えるのに汲々としていて、演技に至っていない。特にイッセーさんの「あえて私は娘をほめてやりたい」という超ド級必殺技には、そうとう面食らったか、受け身を取るのも忘れて、リング外に逃げてしまいました。最後もすごかったっすね。英語のアドリブ?から、KENTA選手の得意技「ゴー・トゥ・スリープ」を自分に放って寝てしまった。こりゃあ、大泉さん勝ち目ないっすよ。
Rr2 2試合目。これは壮絶な闘いでした。さすが普段もお二人で二人芝居をやっているだけのことはあって、ものすごいハイレベルな攻防でした。ベテランレスラー同士の好試合。一進一退とはこういうことを言うのでしょう。そして、プロレス同様、相手への信用と尊敬が、思い切った技と展開を呼ぶ。この相手ならこういう技をしかけても、ちゃんと受けてくれて、そこから新しい展開を生んでくれるだろうって。もう、この二人の芝居ならぬ試合は、解説不要でしょう。ずっと観ていたいですね。この二人で24時間アドリブ芝居やってくれないかなあ。愛は地球を救うとかいいからさあ。
Rr3 3試合目。これはもう、イッセーさん一流の優しさの表現ですね。緊張気味の石田さんを究極の方法で救った。この試合は負けなきゃいけなかったんですよ。でも、なかなか石田さんがうまく攻撃に転じられない。そこで、イッセーさん、凶器?を持ち出します。普通プロレスでは相手のマスクをはいだりして反則負けになるんですけど、イッセーさんは自分にマスクをかぶせて反則負けに持っていきました。優しいなあ。
 こんな感じで、結局、イッセーさんの名レスラーぶりが存分に発揮された番組になっておりました。
 それにしても、役者にとってのアドリブって、とても面白いですね。経験に裏打ちされた臨機応変。これは芝居に限らず、とても大切なことです。音楽でもね。ジャズに限らず、そういう一期一会的な緊張感。でも、全体としては過去の集積から生まれたルールに則っている。もちろん人生そのものも、そういう性質のものですし、そこのところのバランスをうまく演出していくと、毎日が楽しくなっていくことでしょう。自分の思い通りになる「コト」と、思い通りにならない「モノ」の共存ですよ。

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