『猫は』
今日は軽いネタでいきましょう。
ウチの家族もそうとうの猫狂いです。なんか統計によると、猫好きにはひきこもり傾向があるらしい。なに〜?!そんなこと…ありまつ。そのとおりでつ。
で、究極のひきこもり、最古のひきこもりは、平安時代の宮中です。オタク発祥の地ですね。貴族文化。完全にひきこもってます。帝中心にね。ニートです(失礼)。たま〜に、御幸とかありましたけど。
そんな帝の中でも、一条天皇の猫好きはちょっと有名です。あの枕草子にも「うへに候ふ御猫は」という段がありますね。話としては、翁丸という犬が主人公になっちゃうんですけど、「命婦のおとど」という猫ちゃんに対する帝の猫かわいがりっぷりは、なかなかのものがあります。翁丸に追っかけられた「ミョーブちゃん」を懐に入れてかくまい、「翁丸を犬島に流刑にせよ!」って言っちゃうくらいですから、これはもう狂ってます。
当時の表記では「命婦」は「みゃう・ぶ」ですから、シャレでしょうね。だいたい命婦っていう官位を与えてるところがすでにオタク的シャレ。実際この猫が生まれた時盛大に誕生パーティーやったことが「小右記」に出てますし。職権濫用ですよ。「いみじうをかしければ、かしづかせ給ふ」…超萌え〜なので、溺愛なさっている、と。「をかし=萌え」です。
で、その記事を書いた清少納言もけっこう猫好きだったのかもしれません。「猫は」という段がシンプルですがなかなか面白い。
「猫は、うへの限り黒くて、腹いと白き」
猫は、全体が黒くて、おなかが真っ白なの、ってことですね。「うへ」というのは、よく背中と解釈されてますけど、なんか違うような気がします。表面ということでしょう。ま、普通に歩いているような状態で見える範囲が全部黒いということだと思います。それで、ふだんは見えにくいおなかを見ると、そこがきれいな真っ白。いますよね、そういう猫。たしかに萌えるわ、そりゃ。
というわけで、どういう猫かと言いますと、そう、このブログの左上に鎮座しておられる御猫Maukieちゃんですよ〜!ね?こんな感じでしょ?清少納言さん。もしかすると、ミョーブちゃんもこういう猫だったのかもしれませんね。清少納言のことですから、当然帝の御猫様をほめるでしょうし。たぶんそういうことなんでしょう。
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