マイメロと竹取物語(かぐや姫の罪とは?)
昨日につづき、またトンデモないことを書きます。世間的にはトンデモないでしょうが、私は大まじめでして、こういうところが、私の変なところであります。
昨日マイメロの録画を観ながら、まずは仏陀のことを思い出しました(笑)。続いて思い出しましたのが、日本最古の物語である「竹取物語」です(笑…でしょうね)。
最新の「物語」と最古の「物語」は見事にリンクしているということです。まず、設定も少し似ています。かぐや姫は月の世界で何らかの罪を犯し、地球という低級世界で謹慎処分になります。マイメロも天上界マリーランドでの罪(結局は冤罪なのですが)によって人間界に遣わされたのでした。
竹取におけるかぐや姫の罪がいったいなんだったのか、これは実はよくわかっていません。本文にもはっきりとは書かれていないんですね。ただ、月の世界で罪を犯したことによって、その運命によって罰を受けていると。それだけしか書かれていません。
マイメロの方は、クロミとバクの悪事の現場にたまたまいただけで、疑われてしまったんです。それで、その疑いを晴らすために、人間界でクロミとバクをやっつける約束をしたと。そういうことらしい。ですから、正確にはクロミとかぐや姫を比較する方が正しいかもしれません。
しかし、かぐや姫の言動を見ると、「嫉妬」がないという意味では、どちらかというとマイメロに近いんですね。そして、姫の我欲や嫉妬のなさに、人間界の人々、特に男どもは振り回され、「嫉妬心」 を鼓舞されている、と竹取物語は読めるわけです。それはちょうど、マイメロの邪気の無さに他の登場人物の嫉妬が照射されて顕在化しているのと同じです。
かぐや姫をとりまく男たちの感情には、はっきりとした「嫉妬」が読み取れます。結局男同士のライバル意識や、かぐや姫(月の人)の優位性に対する屈折した羨望が、嫉妬を生んでいるわけです。
そうすると、古今謎だとされてきたかぐや姫の罪とは、まさに「嫉妬」の罪ではなかったのか、という気がしてきます。よく「姦通」とか「不倫」とか「性的タブーを破った」とか、各学会でまじめに論議されていますけれど、私にはどこからそういう説が生まれてくるのか、よくわかりませんでした。ちょっと行きすぎのような気がするんですよね。「嫉妬」だったら、もう少しすんなり理解することができるように思うんですよ。
月の世界では許されない「嫉妬」の罪を犯したかぐや姫。「嫉妬」渦巻く地球に島流しになった。自分をとりまく醜い「嫉妬」の数々と、それが引き起こすそれぞれの顛末のアホらしさを直視して来い!と。で、もうぼちぼちいいだろう、もうわかっただろう、というところで月の王がUFOに乗って迎えに来た。最後の最後にまた、竹取の翁はメチャクチャな言動に走る。宇宙人にまでやきもち焼いて。もういい歳なのにねえ、じいさん。
で、最後はマイメロのハリネズミくんが「忘れちゃいましょうコロリ」って言ってみんなの記憶を消しちゃうのと同様、天の羽衣をハラリとまとったかぐや姫は、地球での記憶を失うのでした。ハハハ。ほら、そっくりでしょ。
こんな感じで、日本最古の物語と日本最新の物語はつながっているんです。こうして語り継がれるのが「物語」の本質ですし。いやあ、面白いなあ。自分で書いててワクワクしてきます(オレだけか…)。
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コメント
嫉妬。
というのは人間にとって至って普通の感情なんでしょうね。
と思って考えてみました。
キリスト教なお話。
7つの大罪。
envyを嫉妬と訳しちゃうと話が変わってきますが、ここでは羨望と訳してくだされ。
(嫉妬はjealousyで。。)
嫉妬と羨望、どっちが罪深いのか?
嫉妬は失う可能性があるものに対する執着心。
羨望は無いものねだり。
とでも言えばいいのでしょうか?
7つの大罪からすると、元々持っているものには寛大なのですな。
無いものねだりはイケマセンよと。
羨望と嫉妬と言うと、言葉のイメージからすれば、嫉妬は悪で、羨望が善(なのか?)な感じは受けますが。。。
姦通とか不倫とかは基本羨望から入るものでしょう。
羨望から入った結果、やられた方が嫉妬する。
羨望が罪ではなく、嫉妬が罪だとするならば、
日本に姦通とか不倫な文学が生まれないのは、
そのせいなのかしら?(笑)
嫉妬ばかり書いても面白みもなんともない。。
投稿: たこたよ | 2006.07.25 12:26
昔必要に迫られて英語でしゃべってた時、
うらやましい〜というつもりでenvyを使ったら、
ちょっといやな顔されたことがあったっけなあ。
ほめたつもりだったんだけど。
ちょっと屈折した羨望なんですね。
足るを知るという発想からすると、羨望も罪なのかなあ。
まあ結局、「いいなあ」と思った時のこちらの心の色が問題なんでしょうね。
そうそう、フェミニストのステキなおばさんたちに怒られちゃうかもしれませんが、嫉妬は「女偏」ですね。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.07.26 20:43