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2006.07.31

『子供たちの心が見えない…教師、17年目の苦悩』 NNNドキュメント06

20060730 昨日の深夜というか、今日の未明に放映されたこのドキュメント。私は録画したものを朝4時から2回観てしまいました。あまりにも重かったので、6時に起きてきたカミさんにも見せてしまったのでした。朝っぱらからこれを2回観たら、そりゃ頭も痛くなるでしょう。ましてやブルー・マンデーです。
 簡単に言えば、学級崩壊状態の小学校のある教室の1年間を追った内容でした。拡大版55分枠。先生や生徒や親に、いっさいモザイクなどかからない、非常にリアルなもので、ふだん教育現場にいる私には、ちょっと直視に堪えられないほど衝撃的でした。
 6年生。先生の言うことも聞かない。整列もできない。「死ね」「うざい」「むかつく」「キモい」「ブス」…担任のT先生には、そういった言葉が無造作に投げつけられます。親も非協力的。T先生は、もがけばもがくほど、自分を追い込んでしまいます。実は、T先生の前には、教師歴20年の先生がこのクラスをまとめきれず、学校を休むはめになっていたのでした。
 特に女子の集団との確執。これは正直修復困難な状況だと見ました。こりゃあ大変だ、というよりも、自分の過去の記憶がよみがえってきて、本当に辛かった。
 私なんか、誰が見てもお気楽教師ですよねえ。たしかに今は毎日楽しいばかりです。しかし、私も若い頃、全く同じような状況を経験してきました。当時はやはり、そういうのは高校生だったんですよ。その後中学生が、そして今は小学生だと。そういうことでしょう。若年化ですね。
 私も当時、全くT先生と同じ状況でした。親も集団で乗り込んできたりして。それはもう毎日片頭痛との闘い。登校拒否寸前ですよ。
 現場を知らない人は、そんなに甘やかすな!とか、もっと話を聞いてやれ!とか、いろいろ言えますよね。事態はそんなに単純ではありません。語弊があることを承知で本当のことを言うとですねえ、教師業の中で最も注意すべきは、女子の集団です。ああ、言っちゃった(笑)。
 で、今はほとんどそういう問題は起きなくなった。それは、その時の経験が自分にいろいろなことを教えてくれたからです。そういう意味では、本当にあいつらには感謝しています。また、これは本当に面白いことですけれど、そういう奴らこそ、5年後、10年後なついてくるんですよ。優等生とは疎遠になってますが、彼女たちは今でもよく遊びにくるし。不思議なものですね。
 どのようなことを学んだのか、そしてどうすればよいのか、私はそれなりに言葉にすることもできますけれど、それは企業秘密(?)なのでここには書きません。ここに書くべきことではありませんしね。ただ、それはテクニックとか、演技とかではなく、単純にこちらの心の持ち方の問題です。それに気づくのにずいぶんと苦労をした。でも、若い時にそれを学ぶことができて、本当に良かったと思っています。
 T先生の状況は、ある意味、まだいい方かもしれません。もっと大変な状況もあるでしょう。また、私自身、いつそういう状況に置かれてもおかしくありません。もちろん、そういう覚悟で毎日を過ごしています。T先生のようなまじめな先生ほど、自分がなんとかしなくちゃと思う。自分の理想の生徒像がある。そして、理想の先生像もある。
 でも、一つ言えることは、生徒たちの人生において、私のような一人の教師が与える影響などそれほど大きくないということです。いい意味でも悪い意味でも。彼ら彼女ら、卒業後の何十年かの間に、いろいろなタイミングで、いろいろな人に、いろいろなことを教えてもらうんでしょう。ここで教えておかなくちゃってことは、実はそんなにないんです。学びたいやつは勝手に私から学ぶでしょう。その逆もあり。自分の役割はそれほど重大ではないのかもしれません。
 あと、これは学校に限らず、人間関係全てにあてはまることでしょうが、私がいつも頭に置いているのは、「人間関係は鏡」、「待つのが仕事」、「困ったら人任せ」です。まあ、そんな程度の教師だということですよ。カミングアウトしちゃいます。それと、教師も一般企業なみにクライアントのニーズを知り、それに対応すべきだと思いますよ。あまりに保守的では、そりゃあ子どもたちとの溝はひろがります。親御さんとの関係も、結局「=生徒との関係」ですからね、話はいっしょです。
 というわけで、今朝はホントにブルーでしたが、ウチの(ある意味)崩壊女子軍団に会ったら、なんか安心して元気が出ました。あんがとな。

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コメント

人を教えるってそんな簡単な事じゃあないですよね。ましてや子供だとさらに大変。会社の若い子にも仕事を教えますが、それとは全然違いますもんね。先生、私の持論はこうです。教師って大半が大学を出たら先生になってクラスを持ちますよね。いきなり責任のある立場になってします。まだ23歳くらいの若い人が・・・。社会経験は学校のみ、それは不安です。社会経験が数年ある人だと視野も広くどうでしょうって思うんです。だって23歳の若い子がいきなりお山の大将ですよ?
私は口が悪いからこんな書き方しかできませんが失礼しました。

投稿: もりやま | 2006.07.31 21:48

もりやまさん、そうそのとおりなんですよ。
生徒にもよく言ってるんですが、私なんかも幼稚園から今まで学校しか知らないんですよ。
だから、ホントに特殊な世界で生きてきたんです。
めちゃくちゃ偏ってますし、危険です。
そのことに気づかないお馬鹿教師が多すぎるんですよ。
非常にみっともないですね。
私は少しでもと思って、いろいろな社会の方と趣味などを通じて知り合いを作り、それこそ貪欲に学ぼうとしているつもりです。
教員免許の更新なんてどうでもいいから、最低5年くらいの社会人経験を課すべきですよ!
なんて、私が言える立場ではありませんけど。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.07.31 21:55

これは単純に学校教育だけの問題ではないと思います。単純に教育ではなく、躾の問題になるんじゃないかなぁと思います。『三つ子の魂百まで』ではないですが、親にも問題はあると思います。生まれてから、学校に通うまでは親が先生ですからね。いろんな角度から、言いたいことはあるけど、やめときます。(長くなるから・・・)

投稿: hw | 2006.08.01 00:49

hwさん、おはようございます。
そう、究極はそこです。
あともちろん他人としての大人も。
親になってみてわかりましたが、
親だけは先生と違って先送りしてはいけないんですよ。
でもそれが難しい。
人任せにしちゃいけないんだけど、ついつい甘くなる。
そのくせ、子どもの言うことをうのみにして、学校や先生批判はするんですよね。
幼稚園や保育園で働く教え子たちもぼやいてますよ。
子どもより親の方がたちが悪いって(笑)。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.08.01 05:09

基本、変な子でした(笑
で、おそらく、ウチの親も変な親でした(笑
だからこんなのが育ってます(爆笑

結局のところ、今の親御さんたちって
割と自分が優秀だと思っている方が多いのでしょうな。
ぶっちゃけ大して優秀ではないのに・・・(火暴)

そして自分の子が優秀だと思っている。
優秀だから、間違ったことはしないと思っている。
で、問題になったときに、自分と自分の子供は悪くないと。だって優秀ですもの。。

子供はまだ何とかなりますが、
大人になっちゃうと、もう矯正効かないから性質が悪い。。

っていうことでしょうかね。

先生って、昔は周りより確実に優秀だったので、
尊敬されてましたが、最近は周りが中途半端に優秀だから・・・

ってここまで書いて思いました。
先生もですが、親も小さな社会でしか生きてないのではなかろうかと。。。。

社会に出ても、何も見てこなかったから、子育てができないのかなと。

それは環境が問題なのではなく、
視野の問題であって、
先生だからとか社会を知らないからとかってのは、嘘です。
ほかの業種についたって、自分が全てだと思っていたら、それと同じですから。

結局、皆自分のフィールド以外のことは知らないわけで。

それをわかった上で子供を育てなきゃいけないってことでしょうかね。。

より多くの人と接すること。
そしてそこから何かを学んできている人が、教師には向いているのではなかろうかと。。
あとはハッタリも時には必要かな(笑

大人はいつも自信を持っていればいいのですよ。
お山の大将で、それがバレるようでは困りますが。


と偉そうなことを言ってみました(笑

子育てしたことありませんから(爆死


投稿: たこたよ | 2006.08.01 18:13

たこたさん、いいこと言いますねえ。
いい先生になれますよ!マジで。
変、特に学校では変が勝ちですよ。
変じゃないヤツはつまらん!

やっぱりどれだけ人と接して、謙虚に学んでいくかでしょう。
縁ですよ、縁。
そういう縁をどうやってプラスにしていくか。
私は自分ができないことをできる人とか、知らないことを知っている人なんかを、全部尊敬することにしてます。
そうすると、生徒も子どもも含めて、人類全員を尊敬することになっちゃうんですけど、それでものすごく得をしているような気がします。
まあ、そんな姿や、人生楽しんでる姿を、生徒が見てくれればと思ってます。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.08.01 18:31

録画したテープは、まだ残しておられますか?
実は、ここに出てきた小学校に子供を通わせている、保護者なのですが、人づてにこの番組を知り、見過ごしてしまったことを悔やんでいます。
ぜひ、事実を知るため見せていただけないでしょうか?

投稿: 未成年 | 2006.08.31 21:43

未成年さん、コメントありがとうございます。
のちほどメールにて連絡申し上げます。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.09.01 05:14

突然ですが、昨夏7月31日放送のNNNドキュメント「子供たちの顔が見えない…教師17年目の苦悩」のビデオを貸していただけないでしょうか。今小6女児の母をしております。先日学校に行き、娘のクラスを見て愕然としてしまいました。先生が全く授業できない状態でした。子供達は先生の授業のつまらなさを訴え、不平不満を口にします。先日はとうとう子供たち数人がクラス担任を替えてもらうように校長室に直談判に行く次第です。担任が替わってもきっと状況は同じです。やはり、先生が授業を出来る環境を作るのは親の責任だと私も思います。ただ、保護者間にはかなりの温度差があり、現状を認識してもらえません。今後の活動の参考にもしたく、よろしくおねがいいたします。

投稿: kumiko | 2007.03.18 12:37

kumikoさん、コメントありがとうございました。
のちほどメールにてご連絡差し上げますね。
しばしお待ちを。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2007.03.18 22:59

学級崩壊に関する事例や解決方法を調べ進め、こちらへ辿り着きました。
3年も前の内容ですが、現在の我が子のクラスの現状に当てはまることだらけで、この番組を見逃したことが悔やまれてなりません。
もし、現時点でもビデオを保管されていらっしゃいましたらお借りできないでしょうか。
図々しいお願いで申し訳ございません。
どうぞよろしくお願い致します。

投稿: sakura | 2009.11.13 10:55

sakuraさん、こんばんは。
のちほどメールにて連絡します。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2009.11.13 17:57

教員をやっており、同僚からこの特集について聞き、調べていたらこちらへたどりつきました。
自分のためにも、子どもたちのためにもぜひとも見て勉強したいと思っています。
大変図々しく、しかも、今ごろ、なのですが、映像はお持ちでしょうか?コピーをお借りできないでしょうか?お返事いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

投稿: yamashi | 2010.03.29 12:07

yamashiさん、コメントありがとうございます。
ぜひご覧になっていただきたいと思います。
のちほどメールにて連絡さしあげます。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2010.03.29 12:21

小学校で非常勤講師をしております。この映像をみたいのですがまわりでもっている人がおりません。ずうずうしいとは思いますが、映像をお借りできないでしょうか?よろしくお願いいたします。

投稿: yuu | 2012.12.20 01:33

yuuさん、のちほどメールいたします。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2012.12.20 14:39

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昨日の深夜(厳密には今日だが)の放送。内容は小学校の学級崩壊。小学校の学級崩壊は聞いたことがあるが、実際放送を観て衝撃的でした。(先生・児童・親など、モザイクがかかっていないこともあったので)... [続きを読む]

受信: 2006.07.31 23:56

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