美空ひばり 『ジャズ&スタンダード』
もういっちょ音楽ネタ行きます!おとといの記事で、エラ・フィッツジェラルドがビートルズを歌ってた!と書きましたけれど、そのエラをひばりが歌っているのがこちら。昨日のELOのDVDと一緒に届きました。
率直に申しまして、完全にやられました!音楽的衝撃度で言いますと、人生のベスト3に入りますね。ウワサには聞いていました。そしてそれなりに心の準備をして聴いてみたのですが、まさかこれほど想定外とは…。鳥肌立ちまくりです。
やっぱり彼女のうまさって、あのリズム感ですね。スウィングしすぎです。あれは天性のものだろうなあ。いわゆる歌謡曲でも演歌でも彼女はそうなんですが、本当に絶妙の揺らぎなんですね。あれはコピーしようにもコピーできません。それがほとんど全ての場合において完璧だったんですよ。音楽の神が宿っているとしか考えられません。これって15か16の時の録音でしょ!?
あとよく言われることで、ある意味伝説化していますけど、彼女の英語が非常に美しい。ネイティヴと比べてどうだこうだなんて、そんなことはどうでもいいのです。日本語の場合もそうですが、とにかく音として美しいんです。彼女は英語にせよ、フランス語にせよ、ポルトガル語にせよ、意味はよくわからずとも音で覚えてしまった。音を聞いて、その音と文脈だけ理解して、そしてそれらを彼女なりに消化して自分の表現にしてしまっている。ほとんど奇跡でしょう。
とにかく、これを聴かずして死ねない、というレベルなんです。降参です。どの歌も素晴らしいのですが、やはり世間様の言う通り、まず「上海」と「A列車で行こう」でぶっ飛びましょう。こんなジャズ歌手が日本にいますか?そして、世界的に見ても、それこそエラやサラやカーメン、さらにはビリーと同レベルでしょう。こうして聴いてみますと、本当に彼女はジャンルを超えた「ソウル・シンガー」であったことがわかりますね。
演奏のシャープス&フラッツも最高のパフォーマンスを聴かせてくれます。若かりし前田憲男さんのアレンジもいいですね。まあ、とにかく昔の日本のポピュラー音楽シーンはすごかった!
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