Electric Light Orchestra 『Out of the Blue Live at Wembley』(DVD)
昨日のビートルズに続きまして、私の音楽人生に大きな影響を与えたELOのDVDが届きました。本当に待ちに待ったDVDです。
この78年のライヴ・アット・ウェンブリーは、すでにDVD化されておりました。テレビでも何回か放映されたりもしていて、まあ比較的よく知られたパフォーマンスです。しかし!今回発売になったこのヴァージョンは、今まで知られていたものとはあまりに違います。本当にようやく出たという感じなのですよ。正直あきらめていましたから、私はうれしいなんてものではありません。
TKJさんのブログでも詳しく説明されていますが、とにかくこのライヴを収録した今までのあらゆるソフトが異常な状態であり、今回出たものが純正であるということです。音的にはようやくネイキッドになった(映像は…)。余計なオーバーダビング(ホントに余計なお世話)から解放された本当の音が四半世紀以上の時を経てよみがえりました。
このパフォーマンスを初めて観たのは、たぶん中学3年の時、清水市で行われた旧ファンクラブのフィルム・コンサートだったと記憶しています。その前年の春には、ELOは来日して全国ツアーを行いました。私は武道館で彼らを観る予定だったのですが、ちょうど東京から静岡への引越しの日に重なってしまい涙をのんだのでした。ですから、このフィルム・コンサートは私にとって非常に興奮するものでした。なにしろ、動くELOを観るのは初めて…いや、2度目かな。それ以前にNHKのヤングミュージックショーで75年のライヴを放映しましたっけ。それを私はご多分にもれず、テレビからラジカセで録音しました。今も探せばあると思います…まあ2度目にしても、その当時最新の動くELOが観れるとあっては、もう居ても立ってもいられませんでした。特に、ELOの影響でヴァイオリンを買った頃のことです。ミック・カミンスキーが果たしてどのようにあのバーカスベリーのブルー・ヴァイオリンを操るのか、それだけでもメチャクチャ興味があったのです。
それで、実際観てみたわけですが、どうも音がよくなかった。特にヴァイオリンやチェロは、一生懸命弾いてる(かなり激しい)のに、なんだか音が全然聞こえない。で、半分肩透かしをくらったような気がした記憶があります。その後大人になって、VHSやDVDを買って観てみたところ、それは興奮した私が映像に目を奪われて耳をおろそかにしたからではなく、実際にそういう音であったことがわかりました。実際のライヴ会場でもこんな感じだったのだろうか。いや、75年のライヴではギュリギュリ聞こえてきてたよなあ、ストリングス。
今回発売されたこのDVDは、当時会場で鳴り響いていたであろう音にかなり近づいたものと思われます。結果、今までとは全く違った印象を与える内容になっています。なんだ〜、ELOもなかなかライヴうまいじゃん!が、まず最初の印象です。ビートルズ同様、ライヴは?というのが定説でしたからね。レコーディング・バンドであることは確かですが、充分にライヴも聞かせていますよ。まあ、ジェフのギターとベヴのドラムスは?ですけどね。そこがまた味があるとも言えるか。特にベヴのドラムスは打ち込みとは対極に位置する、なんだか和太鼓みたいで萌えますね(笑)。
最近ライヴをする機会がけっこうあり、また、比較的分厚い音づくりの原曲(歌謡曲)をライヴ用に料理しなくてはならないことが多いものですから、そういう意味でもとても参考になりましたね。ライヴ用の編曲術です。
あと、なんとなく時の流れというか、歴史というか、そんなものも感じてしまいました。西洋クラシック音楽からビートルズ、そしてELO、さらに日本の歌謡曲。私もいろいろな音楽を聴いたり演奏したりしてきましたけれど、こうして俯瞰してみると、やはりはっきりとした一本の線が見えてくる。世の中って縁でできてるんだなあ。
ちなみに私はUS盤を買いましたが、パッケージにはUK盤そのままに「PAL region0」って書いてあります。実際には「NTSC region1」ですので注意。もちろん普通の日本製DVDプレイヤーでは再生できません。リーフリのプレイヤーで観ましょう。
Amazon Out of the Blue Live at Wembley
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
- ロベルタ・マメーリ『ラウンドМ〜モンテヴェルディ・ミーツ・ジャズ』(2024.07.23)
- まなびの杜(富士河口湖町)(2024.07.21)
- リンダ・キャリエール 『リンダ・キャリエール』(2024.07.20)
- グラウプナーのシャコンヌニ長調(2024.07.19)
コメント