『来日40周年記念 ビートルズ・スペシャルナイト』(NHK)
今日は、秋田に行っていた家族を迎えに東京に行ってきました。待ち合わせ場所はなぜかアキバ。別に意味はないんですが、なんとなく。駅前からすでにメイドさんがお出迎え、それを外国人やイケメンやギャルがパシャパシャ写真撮るという、以前では考えられない光景が展開され、ちょっと萎え。真性オタクくんたちはなぜか肩身の狭い思い。遠くからメイドさんをチラ見するだけです。まあ、そんなところが真性たるところなのかも。
さて、それはいいとして、今日はあのビートルズ来日公演からちょうど40年になる日です。本当なら、秋葉原に行く前に、彼らが泊まったキャピトル東急ホテルに赴く予定だったんですけど、八王子と新宿で事故渋滞に巻き込まれ、時間がなくなってしまいました。でも、武道館には寄ってきましたよ。感慨深いものがありましたねえ。何度もため息をつきました。そのため息の意味は自分でもわかりません。40年前のその日、私は東京にいましたが、ビートルズのことも、来日の騒ぎのことも知りませんでした。まだ1歳10ヶ月でしたので。
帰宅すると、ちょうどNHKで特番が始まりました。なかなか面白い内容でした。NHK的なノリで、それがまた「歴史」を感じさせるものでして、ああ伝説なんだなあと。
ビートルズについては語り出せばキリがないというよりも、語るだけ野暮ですし、人それぞれのビートルズがあるわけですから、今日のところは、放送の中で特に印象に残ったことを列挙するだけにしておきます。
まずは、私も初めて見ましたが、ポールとジョンが司会を務める番組ですね。もうあの頃からああしてカバーされていたんだ。特にヘンリー・マンシーニとエラ・フィッツジェラルドはびっくりでしたね。それらに対してまたポールとジョンが実にすっとぼけたコメントをしておりました。なんか軽〜いノリで世界征服しちゃった若者たちって感じですねえ。
番組中、日本のいろいろなカバー・バンドが登場しましたけれど、やはりTHE SILVER BEATSが良かったっすね。あいかわらずMabu Johnさんが完璧にソクーリでしたねえ。しかし、日本ほどビートルズのコピーが盛んな国はありませんなあ。ある種オタク文化のなせるわざだと思うのですが。
それから、泉谷しげるさんのコメントはいちいち面白かったですね。あの人はあんな感じでおちゃらけてますけど、頭いいですし、かなり本質的なところを突いてきていました。さすがだなあ、と思いました。
あと、村治佳織さんの演奏によるイエスタデー。武満徹による編曲でした。そのためか、本当に音楽的な構造がはっきり聞こえた、いや見えたような気がします。そして、いかにあの曲が「妙」なのかを再認識することができました。私がいつか書いたことですね。武満やマンシーニやエラもそうなんでしょうが、音楽を知れば知るほど、彼らがさりげなくやったことのすごさが分かるのでしょう。もはやそれは人為ではなく自然の領域、つまり神の意志としか言えません。
音楽オタクをくすぐる何かがありますね。アイドル性もありながら天才でありカリスマである。まあ偶像にして絶対的なんで、つまるところ神なんですよ。番組中みんな言ってましたが、結局彼らのやった通りにカバーするしかない。いろいろと料理できるんだけれども、最後はコピー。コピーってワタクシ的に申しますと「コト化」作業なんですね。いつもは「コト化」を否定的にとらえていますけれど、神に対してはもうそれしかないわけです。だから「ミコト(命)」なんです。ビートルズの命。
結局、この記念すべき今日という日に思ったことは、「ビートルズ以降に生まれて良かった、幸運だった」ということですね。あらゆる意味で神に感謝です。
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コメント
マブション最高でしたね。当日はキャピタルのライブにも行き、ビートルズが泊まった部屋にも行き満喫しました。4日はマブジョンのソロライブに行き、私の40周年記念は終了しました。
ちなみに9月10日に軽井沢でマブジョンソロライブありますよ。先生検討してみてはどうですか?
投稿: もりやま | 2006.07.06 19:05
もりやまさん、こんばんは。
そうでしたかあ。うらやましいですね。
いずれにせよ、あらためてビートルズの存在感をかみしめた一日になりました。
来日公演40周年をこんなに盛大に祝ってもらえるバンドなんてもう出ませんよね。
9月10日ですか。予定を見てみます。
早く生でお会いしたいですね。
テレビを見た人も、みんなびっくりしたようです。
あんまりソックリで。
投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.07.06 20:10