『江原啓之物語』 江原啓之 和田育子(イラスト) (光文社)
江原さんの半生を描いたコミックです。生徒に借りました。
なあんだ〜。なんか私が言ってきたことばっかり書いてあるじゃん。
私を知る人はご存知ですね。特に古い教え子たち。私のキャラはずばり「霊能者」でした。今はちょっと違う。「はったり教師」…ちょっとじゃなくて、だいぶ違うか。
いやいや、実はふざけてるんじゃないんです。たいへんにまじめに語りたいことなんです。このカリスマ「スピリチュアル・カウンセラー」とカリスマ?「ハッタリ・ティーチャー」の違いは、いったいなんなんでしょう。同い年なのにね。
最近はちょっと疲れちゃいまして、あんまり人前で「霊」の話をしません。特に生徒の前ではほとんどしなくなりました。昔はその話でよく盛り上がってたんですけどね。私は私にとっての事実を話していただけなんですが、なにしろ証明できないことですし、江原さんほどの才能はありませんから、いろいろな確度が低い。
そんなふうだと、もうある時までは「すご〜い」なんですが、次第に「どうせはったりだろ」になっちゃう。そのうち、自分でも「オレは頭がおかしいんじゃないか?」って感じで自信がなくなってきまして、あんまり語らなくなっちゃったんですね。そうしたら自分の生活における「霊」の支配率が下がってきた。たぶん俗世に溺れて霊能力が衰えてきたんでしょう。霊的老化かな。
このマンガを読みまして、若い頃の私の経験が、とにかく江原さんのそれと重なっていることに驚きました。いや、それこそ昔の教え子がこのマンガを読んだら、「あれ?これ、あの先生の言ってたことばっかりじゃん」って思うと思います。そうして、もしその人が江原さんを信じているとしたら、「なんだ、あの先生の言ってたことも、あながちウソじゃなかったんだ」と思ってくれるでしょう。そして、少しの反省とともに、私への尊敬が、遅ればせながら湧き上がってくる…わけないな。
そう、格が違うんですよ、あまりに。私はよ〜くわかります。江原啓之という人物がホンモノであることを。自分も経験していますから、彼の力量というものがわかるのです。ちょうど、楽器やスポーツでも、実際に経験をして自分の能力の限界を知った人なら、その道の超一流が放つ何かをイヤというほど感じられるように。
そこで改めて問題にしなくてはならないのは、やはり「格」です。このコミックの中にも、「霊格」は「人格」というような記述がありましたが、まさにそれです。
結局のところ、私の「霊格」が極端に下がったのは、すなわち私の「人格」のレベルが急降下したということを意味します。それは認めます。自覚していますから。
今思うと、俗世に溺れず、また妙な煩悩を抱かず、純粋にスピリチュアルな道を歩んでいたら、彼のようなカリスマになって、今ごろ各メディアにひっぱりだこ、講演かなんかして、本もちょいちょいと書いたりして、それで、意外に女性に人気が出たりして…なんて、もうこんなこと妄想してる時点でブッブーですな(笑)。
でも、なんとなく安心しました。ある意味私よりひどい「霊能力」をお持ちの彼が、今、世の中にこうして歓待され、感謝されて堂々と生きているわけですから。もちろん、さまざまなご苦労の末ですけれども。
そのご苦労をも、意味のあることとしてとらえ、たとえ自らに不快感や害を与えたとしても、その人に感謝する。そんなところもまた、私が常に教室で語っていることに一致しました。正直うれしかったですね。
それにしてもイギリスがあんなに進んでいるとは思いませんでした。SAGBで勉強してみたくなりましたよ。あと、そうそう、「ミーディアム」という言葉がでてきました。「ミディアム」ですね。霊媒という意味です。この「ミーディアム」の複数形が「メディア」です。そのへんについては、ここで書いてるか。あっ、江原さんもいますねえ。忘れてた。そう、私の「モノ・コト論」につなげて考えるとちょっと面白いんですね。
で、なんで、彼が女性に人気があるか。いや、なんで女性は「スピリチュアル」な世界や占いの世界が好きなのか。それは簡単です。私の考えによると、女性の感性の基本は「をかし」。それは、はっきりした、固定した、変化しない、自己の内部で処理可能な性質を持つ「コト」への嗜好を表す形容詞です。で、霊媒行為とか占い行為とかって、まさに「モノ」を「コト」にして提示する行為なんですね。不可知で不随意で、自己の外部にある「モノ」を、はっきり示してあげる。たいがいは「コトノハ」によって差し出す。その結果が好きなんですよ。そしてそれができる人に萌えちゃうんですよ、女性は。
まあ、最近の男は、私も含めてですが、すっかり女性化してしまい、いわゆる「オタク」になっちゃった。貴族文化です。武士道ではなくなった。いつも言ってることですけどね。やっぱり人間は豊かだと女性化するんでしょうか。獲物を獲りに行かなくても生活できますからね。男の存在意義が薄らいだってわけですな。あ〜あ。
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