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2006.06.27

『医龍ーTeam Medical Dragon』 乃木坂太郎 永井明…原案 (小学館)

409186561501_pe00_ou09_scmzzzzzzz_v55071 マンガをあんまり読まない私がこんなことを言うのもなんですが、ここのところ漫画家の画力が下がっているなあと思います。うまいなあ…って感心することがあんまりないんですね。
 で、それが何を表しているかというと、「小説の死」であります。というようなことは今までも何度か書きましたね。つまり、小説は最もヘタなマンガ、いや絵が描けないマンガに成り下がってしまったのです。なんて、小説もほとんど読まない私でありますが、それでも、ここのところ読んだ芥川賞受賞作東京タワーなんか、ああこれがマンガだったら面白いのになって思っちゃいました。
 逆に言うと、ああこれは筆力があったら面白い小説になるのにな、というマンガが増えている。この「医龍」もそうです。このマンガはこれこれに比べたらまだいいと思いますけれど、人物の表情の描写がヘタな作文みたいな感じで、もうちょっと深い表現ができないものかと感じました。
 だから、そのところや、風景描写などを自分なりに文章化してみると、もうそれで立派な小説になるんです(いや、私はそれほど筆力ないですから、まあ予感程度ですけど)。つまり、絵を除いては、なかなかよくできている。実際文字が異様に多いですし。医局の現実や、現代医学の問題点も多く暴露されていますし、サイドストーリーもまあまあ上手に仕組まれていたり、意外な展開もあったり、小説という媒体に変換してもかなり面白いものになるでしょうね。
 ということで、こういうものはノベル化される…ことはなく、そうドラマ化されるわけです。それはそうです。小説のドラマ化、映画化の難しさはよく指摘される通り。前述したように小説とは最も絵がヘタな(つまり絵がない)マンガですから、読者それぞれ十人十色の絵が脳内に描かれてしまう。一方、マンガは多少ヘタでもある程度の固定したイメージが万人の脳内にできるんですね。基本的にはそれを元に映像化していけばいい。絵コンテ作る才能と時間をかなりの部分省略できるわけです。
 なんてこんなこと書くと、ドラマの現場からは反論が出るでしょう。たしかに原作マンガとの違いも必要ですからね。パロディーとしての難しさはあるでしょう。しかし、実際、ここのところマンガ原作のドラマが多すぎる。そこに安易さを感じるのは私だけでしょうか。なんて、そういうドラマもほとんど観たことありませんけど。
 ま、それはいいや。需要があるから供給も絶えないんでしょう。ただ、なんというかなあ、マンガの方からしても、ああこれは小説では書けないわ!とか、これはドラマ化絶対無理!っていうのも読んでみたいなあ。もちろん、小説やドラマや映画も同様。
 かなり話がそれましたが、この「医龍」にせよ、この前の「弁護士のくず」にせよ、単純に読んでいる時は楽しい。こういう職業マンガみたいなの、それも破天荒な主人公が大暴れみたないのが多い昨今ですが、これはこれで知らない世界を知るという意味では、ホントに勉強になります。もちろん誇張されているわけですけど。
 ちなみに破天荒のおかげで普通が成長していくというのも、ある意味パターンかな。医龍では伊集院くんですかね。

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コメント

漫画ってすばらしいですよね。自分の好みの作品に出会った日には一日幸せな気になれて、読み返せばその時代にタイムスリップ出来たり。音楽や書物(漫画)ってそういう想い出が生まれるのでが好きです。漫画家ってストーリ・構成・絵とすばらしい才能の持ち主っていつも関心致します。

投稿: もりやま | 2006.06.28 23:31

もりやまさん、おはようございます。
そうですね。漫画家ってすごい才能ですよね。
音楽で言えば、作詞作曲して、演奏も歌も、っていう感じですからね。
もっとお金になってもいい仕事だと思いますよ。
私は今まであんまりマンガを読んでこなかったので、
最近、ようやくその素晴らしさに気づきました。
若い時にもっと読んでおけばよかった。
というわけで、生徒にはとにかく読め!って言ってます。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.06.29 06:17

そう!漫画って読めばすばらしい物がたくさんあるんですよねぇ。会社の若い事も共通の話題がmてたり、歴史物だって読みやすいし、「漫画なんかよんでるの?」って人ほど大した知識も無く本も読んでいない・・・。絵の無い本も読んでますけどね。ちなみに先生マイケルがツアー計画中らしいですよ!当然日本も計画に入っているとの事です!

投稿: もりやま | 2006.06.29 08:40

ウチなんかマンガ禁止でしたからねえ。
今やマンガもアニメも世界に誇るメインカルチャーですよ。
で、日本文化史の中で考えると、それが当たり前なんですね。
たとえば小説みたいな、「高尚」とされてきたものこそ特殊な一時的な文化だったようです。
エ〜!マイケルがツアー?
さっそく後輩の信者さんに伝えねば。
私も見納めと思って行こうかな。

投稿: 蘊恥庵庵主 | 2006.06.29 09:46

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