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2006.05.12

『この国のけじめ』 藤原正彦 (文藝春秋)

416367800x01_ou09_pe0_scmzzzzzzz_ ついにあの本200万部突破ですか。
 右の人気記事をご覧になりますとお分かりのように、「国家の品格」の記事へのアクセスが異常です。そんなつもりで書いたんじゃないので、ちょっと困るというか恥ずかしいというか。でも、反面ちょい嬉しい。そこを入り口にして、少しでも私のフィールド(ってどこじゃ?)に踏み込んでくれる方がいらっしゃるようでして…。ごめんなさいね、妙な世界に誘って。
 で、「国家の品格」について、なんで皆さんこうしてお調べになるかと言いますと、それは簡単です。みんな読んでるようだけれど、自分はまだ読んでいない、読むべきかチェックしよう、という方、それが半数でしょうか。そしてあとの半数は、読んだけど自分の感想に自信が持てない、あるいは、どういう感想を持っていいかわからない、世間で騒いでるようだけど、自分はどう騒げばいいのだろう、そういう方々でしょう。いずれにしても世間における自分の不安定さ。その気持ちよく分かります。
 私なんかずいぶん早く感想をアップしたほうでしょうね。そんなこともあって、自分としてはけっこうビクビク(ピクピク)です。だって、あの頃はこれほど売れると思っていませんでしたし、自分の記事がこれほど読まれるなんて夢にだに思いませんでしたから。
 実に安っぽい書き方してますね、私。でも、それでいいんですよ。だって、あれを読んだ時、あっこれはユーモアの本だと思ったんですから。だから、ああいう反応の仕方をしようって判断したんです。それは今でも正解だったと思いますよ。
 藤原さんのキャラって、そういう感じでしょう。「国家の品格」…なんとなく、まじめな憂国論のイメージができ上がってしまいましたが、もう書き出しからしてギャグでしょう、ホントは。そういう姿勢だから、ああいうある意味過激なことをストレートに書けるわけですよ。そのへんがどうも誤解されているというか…。あいかわらずムキになってつっかかる人がいるというか…。シャレが分からんというのは本当にシャレになりません。
 そんなわけで、「国家の品格」をお読みになった方には、氏の他の本も読んでいただきたいわけです。今日読んだこの「この国のけじめ」も、かなり笑える好著ですよ。笑えるとは、腹抱えての意味もありますし、ニンマリとの意味も含んでいます。本当に頭がいい人はこういう文章を書きます。自己防衛や照れ隠しではなく、自信を持ってギャグに走ります。鈴木孝夫しかり、養老孟司しかり、赤塚不二夫しかり、北野武しかり、タモリしかり、出口王仁三郎しかり。
 このエッセイ集なんかで笑ってしまうと、「武士道」とか「けじめ」とか「品格」とかいう言葉さえも、すばらしいユーモアに感じられるようになります。だって、あんなふうに奥さんに蹂躙されて(?)かわいらしくしてらっしゃる藤原先生に、誰が武士道やら何やらを認めるんですか。もう最高ですよ。
 「国家の品格」は正しく読まれるべきです。皆さんが読んで受け取ったことは間違っていないと思いますけれど、もう一歩筆者に近づかなければ。同じメッセージでも、それを語る人の顔の表情まで読まなくちゃ。
 なんて、あいかわらず勝手なこと書いてる私ですが、まあそんなふうに思うのは事実であります。今日、古文の授業でも同じようなこと言ったんですよ。古文というとまじめで硬いイメージを持ってしまう。でもそこにユーモアやギャグの視線を持ち込むと、俄然面白くなってくるんですよね。どの有名作品も。古今東西、歴史に名を残す名作には、必ずそういった側面があると信じています。というか、そういう視線をも受け容れて、そうして成長してしまうものこそ、まさに名作・名著であると思うのです。はい。
 ああそうだ、今日は「この国のけじめ」の紹介だった。とにかくこの本、古今東西、硬軟聖俗なんでもござれ…ん?どっかで聞いたことあるな…という感じで、非常に私好みな内容でした。特に教育論は必読。英語教育への疑問なんか、「英語はいらない!?」そのままっていう感じですけど、再び大きくうなずいてしまいました。
 あっ、あと個人的感動。「秋はきのこか紅葉か」というエッセイの中でさりげなく、「もののあはれ」には「時の流れ」が必要、と書いておられます。そのとおりです。いつもの私の論に合致してますね。ちょっと嬉しかった。
 
Amazon この国のけじめ

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