『私はどうして私なのか』 大庭健 (講談社現代新書)
「哲学」…全ての学問の基礎なのにもかかわらず、どういうわけか日本では誰も教えてくれません。大学で専攻でもしないかぎり、学問としての哲学に触れる機会は、ほとんどの人にとって皆無でしょう。
哲学の歴史に触れることはできます。高校の「倫理」の教科書ですね。私も高校時代読みました。テストも受けました。しかし、何も哲学できませんでした。わけわからない言葉と人名のペアリングという印象しかない。で、最近になってこんなマンガを読んだりしてみたんですが、やっぱりよく分からんのですね。
当たり前ですけど、哲学って、自分で考えるものなんです。人の考えたことなんて、上からなぞっても実感できっこない。ものすごく頭がいい人でないと、それは無理ってものです。実際哲学科がある大学って偏差値超高い。
それでは、どうすれば哲学できるかというと、まあ結局自分の仕事や趣味や、その他の生活一般の中で無意識的にするしかないわけですね。歳をとるとちょっとそういう瞬間が増えます。難しい言葉や概念抜きに「人生哲学」は語れるようになるわけです。
で、自分は最近、このブログでけっこう哲学してるんですよ(笑)。そう、哲学なんて誰のためにもならない。自分のためにもなってないかもしれない。単なる自己満足。いや、どこまでも不満足なのかもしれない。ああそうか、その不満足の連環こそ哲学なのか。なんちゃって。
で、哲学っぽい自己問答の端緒ってこれじゃないですか?「私はどうして私なのか」。いわゆる自我の目覚めは、この問答から始まるんだと思います。そして全ての哲学は結局ここに収斂する。一見世界のこと、宇宙のことを考えているようですけれど、実は究極のエゴだったりして。それを仕事にしている哲学者ってすごい勇気のある人たちですね。
そう、それで「私はどうして私なのか」という究極の問いをタイトルにしたこの本を読んでみました。読んで答えが分かったらどうしよう…なんていう不安をいだきながら。
そうしたらやっぱり分かりませんでした!ああよかった。だって「そうか!」って解せちゃったら、なんか死んじゃいそうな予感がするじゃないですかあ。自分なりの方法(例えば「モノ・コト論」)の意味がなくなっちゃうわけですから。
この本はどういうアプローチかと言いますと、いわゆる「分析哲学」であります。構造主義やポスト構造主義なんていう最上のオタク的お遊び(失礼!)よりは、多少本腰すえてやってるな、っていうイメージがありました。「現象学」とともに。
で、この本は、その分析哲学の最も易しい本であると評判なものなんです。難解な学術用語をほとんど使わずに記していると。だから、「そうか!」の可能性もあると予感して戦慄していたんですよ。そしたら、ありゃりゃ、やっぱり全然分からないじゃないですか。ふう、助かった…。
というわけでして、ほとんど理解できませんでした。よって、内容の紹介はできません。すみません。言ってることは分かる(ところもある)のですが、究極の問いに対する答えは出ませんでした。う〜ん、なんというか、頭悪いってやだなあ、いや、適度に頭悪くてよかったなあ…そんな自己矛盾に実に居心地の悪さを感じるんですよね。悔しいようなホッとするような。
ぜひ皆さんもこの究極の哲学的問いに挑戦してみて下さい。なんて大きなお世話か。さっき言ったように、みんな毎日を生きながら無意識的に哲学してるわけでして…。さ〜て、私もがんばろう。ちょっとズルして、次は「現象学」の本読んでみます。眠くなりそうだなあ。
Amazon 私はどうして私なのか
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『宗良親王信州大河原の三十年〜東海信越南北朝編年史』 松尾書店(2025.05.19)
- 『皆神山オカルト学序説 -ピラミッド説・皇居移転計画・カゴメ紋解析-』 長尾 晃(2025.05.02)
- 『だっこがしたい足くん』 そうた (Clover出版)(2025.04.29)
- 追悼 大宮エリーさん(2025.04.28)
- 国語便覧(第一学習社)(2025.04.25)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 光明寺さん(小山市)で思う(2025.05.23)
- 榮山寺のカオスとコスモス(2025.05.22)
- 吉野〜南朝の幻影(2025.05.21)
- 『超国宝』展 (奈良国立博物館)(2025.05.20)
- 私的「大鹿村騒動記」(2025.05.18)
「教育」カテゴリの記事
- 古文訳J-POP(有隣堂しか知らない世界)(2025.05.12)
- 『だっこがしたい足くん』 そうた (Clover出版)(2025.04.29)
- 追悼 大宮エリーさん(2025.04.28)
- 国語便覧(第一学習社)(2025.04.25)
- ホワイト社会?(2025.04.22)
この記事へのコメントは終了しました。

コメント