『ムーンウォーカー』 マイケル・ジャクソン原案・主演・制作総指揮作品
『MOONWALKER』 Michael Jackson
「ばかの帝王」4連覇おめでとうございます。
というわけで、信者さんよりこれを借りまして鑑賞してみました。
なんじゃこりゃ〜。今まで何度も天才として紹介してきました(例えばこちら)が、これは…。いやはやホントに笑いました。やっぱり天才だよな。常人のなせるわざではない。
とりあえずこれは映画ではないっすね。ヒーローになりたいMJが自分の夢を実現しちゃった、ってだけです。彼の脳内イメージってこんな感じだったということですか。ある意味非常に幼い感じですねえ。だから、笑えるんですよ。
しかし、例えば子どもの時の夢を映像化するというのは、簡単なようでけっこう難しい。良夢であれ悪夢であれ。そう考えると、ある意味そのキッチュぶりも含めて、寺山の「田園に死す」と似てるのかもしれないなあ。一見全く似てないようですけど、実は同じカテゴリーでは。まあ、凡人が無理と思うことを実現しちゃうのが天才ってことですからね。
で、そのマイケルのヒーロー願望ですけど、さっきも言ったように、とにかく子どもっぽい。世界征服を狙う悪の一味がいて、そいつらから超人的な方法で子どもたちを救う、と。
超人的も超人的、当時最先端のCGを駆使して、車には変身するわ、ロボットには変身するわ、飛行機にはなるわ、もうメチャクチャです。笑うしかない。しかし、世界平和を標榜するわりには、やりたい放題殺しまくってましたね。愛と正義のためなら、いかなる方法でも悪を抹殺するという、まさにアメリカ的な発想です。実際、この作品ののち、アメリカはマイケル並の暴走を繰り広げます。
また、この作品、子どもへの執着というか、子どもへの虐待に対する嫌悪のようなものを強く感じさせるんですけど、その後マイケルは子どもに対する虐待で訴えられるという、皮肉なことになるんですよね。
あと、その子ども役の一人、ショーン・レノンも見ものです。とってもかわいいんですけど、なんかとってもノリが悪いんですね。いや、演技じゃなくて音楽的にです。やっぱり、ブリティッシュとジャパニーズのハイブリッドなんですよ。ブラックで横に揺れてる時に、一人縦ノリしてるんで、笑えるほど可愛いっす。
最後の方の「カム・トゥゲザー」はかっこいいし、ショーンにお父さんの曲を披露するというのは、なかなかオツな計らいだと思いました。でも、ちょっとLSDっぽい曲ですし、ドラッグから子どもを救うという作品の最後には、ちょっと似合わないかな、とも感じましたね。いや、それがMJ的シャレなんでしょうか。
このDVD,もうすぐプライスダウンするということで、まあパッケージング的にもだいたい適正価格になると思いますよ。一度観て笑う価値はあると思います。ダンスシーンはやっぱりすごいですし。
Amazon ムーンウォーカー
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