ラブandベリー
今日のニュースにこんなのがありました。ラブandベリーです。母親を巻き込んでのブームだとか。
というわけで、実にタイムリー、本日ウチの母子がラブandベリー初体験してまいりました。その報告であります。涙なしでは語れません…orz(以下、カミさんからの報告を再構成しました)。
今まで、あのエキサイティングな現場を遠巻きに見ながら、半ば憧れを、そして半ば恐怖を感じていたであろうウチの娘(6歳)。昨日までは「あんなのやってると不良少女になる」という父親の言いつけを守ってきたのですが、今日いよいよデビューの時が来てしまったのでした。
というのは、ウチの娘、近所のL&Bの達人であり尊敬する小学校の先輩でもあるMちゃんに、3枚のカードをもらったのです。達人から伝授された、まさに「三枚のお札」。これがあれば大丈夫と勇気百倍、ウチにあった無印のカードホルダーにお札を入れて、いざ出陣とあいなったのでした。
目的のショッピングセンターに向かう前に、下の娘(3歳)の満足のため、まずは近所の「環境省生物多様性センター」で行われている「昆虫WEEK」を訪れました。そこでクイズに参加したりしてウォーミングアップしたのち、いよいよショッピングセンターのゲームコーナーに乗り込みました。
…そこは戦場であった。折しもみどりの日、そこは殺気立った母子で満ち溢れていた。まずはマシンの前の長蛇の列の最後尾につく。もう、この列に並んだからには、途中で戦線離脱することは許されない。娘は、肩越しに見るプロたちの尋常ならざる手さばきにきっと戦慄をおぼえていたことだろう。自分は初めてあの画面に対峙する。あそこに並ぶボタン群にどう対処すればいいのだろう。カードのスラッシュはいかようにすればよいのか。あの後半に流れる音楽は何なのだろう。栄光への序曲なのだろうか。それともレクイエムなのか。初めて味わう緊張感であった。
よく観察してみると、それぞれの子どもたちは、分厚いL&B専用のカードホルダー数冊に、百枚単位のカードを持参しているらしい。明らかに不利な状況である。そして、そのホルダーは母親の手に握られている。そう、いざ娘の番になると、母親たちは皆その横に立て膝してさぶらい、マシンの要求に応じてそのホルダーから適切なカードを選択し、娘たちに手渡すのである。完全にしもべと化したのか、母親たちよ。しかしなぜか皆嬉々としている。そう、母親たちは二等兵を演じながら、実は部隊を掌握し戦略を操っているのだ。つまりはニュースの語る通りである。
待つこと30分。とうとうその時は来た。まずは100円を投入する。するとまずは新しいカードが1枚支給されるらしい。できれば強力な武器がほしいところだ。ガチャ…出てきたカードを見ると、ななな、なんと、三枚のお札の中の1枚と同じドレスのカードではないか!ガーン、すごい確率である。よりによってなぜ重なる。武運はすでに尽きた…。
さらに困難は続く。なにやら設定をしなければならないらしい。母親がマシンに書かれている説明書きを読もうとするや、後方射撃が始まった。「なにやってんの!」「おそ〜い!」「ほらそこそこ…」後方の母親たちの声ではない。どう見てもウチの娘よりも年下、そう幼稚園級のガキどもの罵声である。くやしいやら恥ずかしいやら、娘の頭の中は真っ白である。ちなみに母親はひそかに「ムカーッ」。
いろいろとやってるうちに、なんとかドレスの情報は読み込まれたようだ。キラリッ!達人とっておきのカードだけあって、この時だけは後方の射撃も止む。よしこのまま残る2枚のお札を使えば、後方のガキどもの鼻を明かすことができる…そう思った母親の目論見は、次の瞬間もろくも崩れ去った。娘の頭は真っ白のままだったのだ。なにやらめちゃくちゃにボタンを押してしまったらしく、なんとその時点でオシャレ終了。
高級ドレスを着ながらも、髪はボサボサ、靴はなぜか上履きのまま、なのに自信満々のラブ。それを見て頭を抱えるベリー。娘はガ〜ン。
チャラリ〜、鼻から牛乳
である。なおもあきらめずボタンをたたくが、時すでに遅し。再び後方からの攻撃が始まる。「うわっ、ださ」「もうもどれないんだよーだ」
仕方なくそのままの格好でベリーとの勝負に挑むことになったが、結果はすでに見えている。あのドレスをもってしても70点台に乗せるのが精一杯である。惨敗だ。後方からの嘲笑と罵声は続く。娘は固まったままだ。
さらに後半戦、なんか曲に合わせてダンスをしなければならないらしいが、そんな曲はもちろん知らないし、踊らせ方も知らない。またもややたらめったらボタンを押すはめになってしまった。いよいよギャラリーは騒がしくなる。「ハイハイ、パンパン…」いっしょに拍子をとってくれたりして、いよいよ敵も憐れみを垂れてくれたか、と思いきや、後から手が伸びてきて、勝手にボタンをたたくのである。「しょうがねえなあ、やってやるよ〜」という感じで。
後方からのありがたい?支援もむなしく、めちゃくちゃな踊りを踊らされているラブは、何度もダサダサのパジャマ姿に戻ってしまった。どうもそういうシステムらしい。またもや惨敗。娘はさらに固まるしかない…。
しかし!しかしである。ここで我が家の反撃が始まった!実は、このような惨状の中で、母親は娘を気づかうと言うより、そうとう後のガキども(&さぶらい)にムカついていたらしい。そして、とうとうやってはいけない暴挙に出てしまったのだ!ああ、それはいかん。秘密兵器を出してはいけない。あまりに危険だ〜。
そう、生物多様性センターでゲットした昆虫カードを出撃させてしまったのだ!それもゲットした4枚の中でも最強の「ルイスツノヒョウタンクワガタ」を!!
「もう、こうなったらこのカード使っちゃえ!」 シャッ…最終兵器をスラッシュするも、当然ラブに角が生えるわけでもなく…。
周囲は異様な空気に包まれた。先ほどまであれほど騒いでいた敵も思わず黙ってしまった。
『はいおしまい。つぎのひとにかわってね』のテロップが流れ、戦いは終わった。はたしてこの戦いの勝者は誰だったのだろうか。ベリーなのか。ラブなのか。後方の敵軍なのか。それとも…。
ふぅ〜、長くなりましたが、こんな感じのデビュー戦でした。カミさんは勝ち誇って高笑いしてましたけど、娘は涙目で苦笑してました(笑)。娘は娘なりにいろいろなことを学んだでしょう。シロウトがプロの世界に乗り込むには、それなりの準備とタイミングと気づかいが必要であると。
母親は懲りた様子も見せず、「あのママたち、まずは自分のファッションをしっかりしてから出直してこい!」と息巻いておりました。トホホ。
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